【4/1日本市場の確認ポイント】
日経平均 39,803.09(▲1.40%)[39,706~40,697] 
TOPIX   2,721.22(▲1.71%)[2,713~2,784]
マザーズ   734.62(▲1.58%)[732~747]

値上がりセクターTOP5
1.ゴム(+0.11%)
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし

値下がりセクターTOP5
1.石油・石炭(▲4.00%)
2.証券・商品先物(▲3.82%)
3.その他金融(▲3.49%)
4.輸送用機器(▲3.43%)
5.銀行(▲3.38%)

 日本市場は新年度を迎えた初日、朝方の買い先行で日経平均は40,697円まで上値を試した後に急落。四半期に一回発表される日銀短観で大企業製造業の景況感悪化が示されたことに加え、年度変わりに伴い機関投資家の期初益出し売りがかさみ日経平均は40,000円の節目を割り込みました。日中値幅は▲1,000円弱におよび幅広い銘柄に売りが広がりました。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり287/値下がり1331と値下がり銘柄数が圧倒、TOPIXが▲1.7%安とアンダーパフォームしほぼ全面安に近い状況を映しました。中国の製造業景況感が改善したことをうけてファナック(6594)などFA関連はじめ中国関連に逆行高する銘柄もあった一方、主力の半導体や自動車など指数寄与度の大きい銘柄の大幅安が目立ち、地合い悪化につながりました。

 もっとも、今年の1ー3月期に大きく上昇した銘柄にこそ売り圧力が大きくのしかかった格好で、リスクオフに転じたというよりも海外勢がイースター休暇中で不在の中、機関投資家の益出し売りの色合いが濃かったとみられます。中小型株も連れ安し、以前とくに物色が活発だった銘柄に売りが集中した模様ですが、主力株に比べると下落影響は限定的と言える範囲です。

【米国株概況】
米製造業の改善に伴い米早期利下げ期待が後退、4月前半は納税資金確保のための株売りが重しか

NYダウ 39,566.85(▲0.60%)[39,491~39,815] 
S&P500 5,243.77(▲0.20%)[5,229~5,263] 
NASDAQ 16,396.83(+0.11%)[16,327~16,490]  
ダウ輸送株 16,031.6(▲1.11%)[15,996~16,169]
半導体SOX 4,962.1(+1.16%)[4,920~5,030]
日経平均先物(CME) 39,985(+0.29%)[39,695~40,755] 
ドル/円 151.22~151.75(高値151.97:3/27、安値127.46:2023/1/3)
日10年債利回り 0.731%(高値0.975%:2023/11/1、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 4.312%(高値5.000%:2023/10/19、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 83.94(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:2023/5/4)
金先物 2270.50(高値2,272:3/28、安値1,618:2022/11/3)【高値更新】
銅先物 4.056(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)13.65(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 146.33(安値110.34:2022/11/3、高値170.52:2/13)
Fear&Greed指数 73(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)77.02(安値70.30:2022/10/13)

 3連休明けの米国市場では先月末発表の米2月PCE価格指数でみるインフレ動向を確認、パウエル米FRB議長からは利下げを急ぐ必要はないとの言及から市場は早期利下げ期待の後退を織り込むこととなりました。米債市場では米10年債利回りが4.3%台をつけたことで為替はドル高にふれ、米株市場では高値警戒感から利益確定売りを誘発しました。

 米国株においてもこの1-3月期で大きく株価上昇したことにより投資家はこの4月に納税資金需要が大きくなるとみられ、当面の間は利益確定売りで上値が重くなりやすいとみられます。ただし、申告期限の4/15を過ぎた後は米企業の決算期待が高まってくるとみられ、再び上値を試せるようになってくるかと思われます。
◆米納税シーズンは要注意、量的引き締めの道筋に影響も-JPモルガン(2024/3/26)

 他方、米株上昇の期待を高めている米FRBの早期利下げ観測は米経済の堅調をうけて後退していることから、次なる経済データの重要性が増し、今週末の米雇用統計や来週の米CPIなどをきっかけに警戒売りが強まりやすいことが目先の懸念点になるかと思います。今週から来週にかけては米金利動向に注意を払いつつ、慎重に買い場を探る展開となるものと考えます。
米ISM製造業総合指数、2022年9月以来の拡大圏-予想上回る(2024/4/1)

【日本株投資戦略】
日銀短観をきっかけに期初の益出し売りが加速し大幅安、4月株高アノマリーは後半勝負を念頭に押し目買い

 日本株は1-3月期の好パフォーマンスから期初の益出し売りで大幅安となりましたが、先月にマイナス金利解除を決定した日銀の動向注視で利益確定売りが出てくることは想定の範囲内と言えます。これらも例年のアノマリーに近い動きで、4月は従来から株高となりやすい特異月とされる一方、前半はもたつく傾向で後半から大きく上昇しやすくなる特徴があります。
日経平均は反落、期初の益出し売りで 日中値幅は昨年来最大(2024/4/1)

 日本株がこれまでと大きく異なるのはこの1-3月期において世界株高にあっても群を抜いて上昇率が大きかった影響から、その分金融機関や事業会社で持合株を売却する動きに対して高値売却を促しやすいということもあるかと思います。年度末リバランスで年金勢や政府系金融機関の実需売りに加え、新年度では銀行や保険などが持合株を整理する必要に迫られていることから売り手は機械的に売却してくる動きが続くとみられます。
3メガ銀が10兆円の持ち合い株式売却を加速へ、損保問題が契機に(2024/3/27)

 一方、買い手は新NISAで裾野が広がっている個人の押し目買いだけでなく、企業の自社株買いをはじめ株主総会を控えて株主還元策の拡充、さらにイースター休暇明けで日本株買いを再開させてくるとみられる海外勢がこの売り物を吸収し、受け皿としては十分な環境が整っているとみられます。

 市場の物色傾向はすでに以前のような半導体株一極集中の度合いは薄れつつ、各セクターへの循環物色を通じて全体底上げの機運は高まってきています。まずは期初売りをこなした上で来週のSQに向けて再度上値を試す展開が期待されるところで、ただ一つ注意点としては本日より4/25にかけて水星逆行のスケジュールと重なっていることから値動きが不規則に大きくなりやすい点が挙げられます。ボラティリティ上昇に伴い先物主導で上下に振り回されやすくなることも念頭に置きながら、4月後半の上昇加速局面に向けて下値を丹念に仕込んでおきたい場面です。

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