【3/25日本市場の確認ポイント】
日経平均 40,414.12(▲1.16%)[40,414~40,837]
TOPIX 2,777.64(▲1.26%)[2,777~2,806]
マザーズ 750.24(▲0.66%)[750~762]
値上がりセクターTOP5
1.陸運(+0.39%)
2.その他金融(+0.29%)
3.石油・石炭(+0.19%)
4.紙・パルプ(+0.13%)
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.精密機器(▲2.61%)
2.不動産(▲2.33%)
3.サービス(▲2.33%)
4.銀行(▲1.72%)
5.化学(▲1.66%)
日本市場は前週の日経平均41,000円到達から利益確定売りが優勢となり反落。騰落レシオが130pt越えと買われ過ぎのシグナルを発する中、期末のリバランス売りも下落を加速させる要因と思われます。主力の半導体株が買い先行、アドバンテスト(6857)が証券会社の目標株価引き上げを材料に大幅高となった一方、ソニー(6758)やリクルート(6098)などグロース株の代表どころが大幅安となりました。
その他、足元で騰勢を強めていた富士通(6702)や不動産株、地銀株なども軒並み安となり、東証プライムの騰落銘柄数は値上がり348/値下がり1267と3/13以来の値下がり銘柄優勢の展開となりました。これまで買いを集めてきた内需株や高配当株を中心に大型株の下落が目立ち、TOPIXがアンダーパフォームしました。
グロース市場では日経平均やTOPIXが弱含みで推移する中でも朝方の買い先行で逆行高をみせる場面もありましたが、買い一巡後は下落に転じました。先週の3/21以降、IPOラッシュに需給懸念があるものの、新規上場株の人気もまずまずでトライアル(141A)を除くと比較的小粒な案件が相次ぐことになるため、新興市場にとってはむしろ大型株から資金が向かう流れでは刺激材料と言えるかもしれません。
【米国株概況】
週末のPCEデータ待ちで様子見、米半導体の一角に下押し圧力もあっさり持ち直す底堅い展開
NYダウ 39,313.64(▲0.41%)[39,296~39,430]
S&P500 5,218.19(▲0.31%)[5,216~5,229]
NASDAQ 16,384.47(▲0.27%)[16,315~16,441]
ダウ輸送株 15,909.1(▲0.64%)[15,853~16,008]
半導体SOX 4,891.5(▲0.34%)[4,836~4,937]
日経平均先物(CME) 40,130(+0.05%)[39,970~40,630]
ドル/円 151.02~151.54(高値151.93:2023/10/21、安値127.46:2023/1/3)
日10年債利回り 0.726%(高値0.975%:2023/11/1、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 4.244%(高値5.000%:2023/10/19、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 82.00(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:2023/5/4)
金先物 2173.50(高値2,224:3/20、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 4.012(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)13.19(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 151.60(安値110.34:2022/11/3、高値170.52:2/13)
Fear&Greed指数 68(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)77.58(安値70.30:2022/10/13)
米国市場は米FRBがインフレ指標として重要視するPCE価格指数の発表待ちで上昇に一服感。直近まで史上最高値を更新してきたこともあり息切れ感がみられるものの、リバースレポ残高の減少が加速していることから市場を下支えし大きく崩れることもない状況です。米半導体大手のインテルやAMDが時間外で▲3%超下落し警戒感が強まって始まったものの、ザラ場で下げ幅縮小・プラス転換するなど米市場の底堅さをみせました。
ビッグテック株が規制強化や販売減など悪材料に精彩を欠く展開の中、バリューセクターや小売・ディフェンシブセクターなどが底堅く、物色の広がりが米市場全体を底上げしています。マクロ経済指標に強いものが目立つようになり米FRBの利下げ転換時期をめぐる憶測が飛び交う中、今週末のPCE価格指数の注目度が高まっています。ただ、同日がグッドフライデーで米市場は休場であることから市場反応は来月に持ち越されることになります。
そうした意味でも手がかり難で様子見ムードが強まりやすい状況で、四半期末のポジション調整で売り圧力もそれなりにあるとみられますが、米FRBのリバースレポ取引で流動性環境が維持されていることから底堅い推移が続けられます。他方で、この週末にロシアのモスクワテロが話題を呼んでいる状況ですから地政学リスク意識で思わぬ金利上昇を招く展開も想定し、バリュー系優位の局面となっている面もあるかもしれません。
【日本株投資戦略】
期末リバランス売り警戒の中で企業の株式分割や配当再投資の材料下支え、配当落ちを活かしてバリュー株買い
日本株は上述したとおり期末のリバランス売り圧力で利益確定売りが誘発されやすい場面ですが、前週の日銀金融政策決定会合後の大幅高となった背景には3月末の配当再投資を期待した先回り買いが指数を高値圏に誘導した側面もあったことを考えますと、利食い好機を演出した上での調整と言ってよいでしょう。
実際のところ、27日の権利付最終売買日に向かっては実需として日経平均、TOPIXでそれぞれ概算で2,500億円、1兆3,000億円ほどの配当再投資買いが今後入る見込みで、配当落ち後にこそむしろ照準を定めて高配当株を物色する投資妙味もありそうです。最近のメディアは新規投資家の参入も増えたおかげか、けっこう親切に解説記事を書いてくれるようになりましたね。
◆日本株、3月期末の配当再投資「過去最大」試算も(2024/3/25)
◆権利落ち後こそ高配当株 還元の「成長力」で選別(2024/3/22)
昨秋以降、指数影響力の大きい半導体株の動向に目を奪われがちですが、日銀のマイナス金利解除決定を後押しした国内の賃上げ、デフレ脱却期待を受けた内需株の物色が市場全体を底上げしている面は見逃せません。昨日の下落が大きくなったのはそれだけ強く買われてきたがゆえに利益確定売りがかさんだとも言えます。日銀政策修正後で話題を呼んでいる為替円安の環境下においてなお、内需株選好が強かった表れと言えるでしょう。
◆33年ぶり大幅賃上げ、消費刺激で日本の内需株や中小型株買いに期待感(2024/3/19)
目先は前回解説しましたように日銀の利上げ時期を探る上で日銀展望レポートが出てくる4月初めが焦点となってきます。期末配当落ちを加味しても日経平均が40,000円前後で推移するようであれば、年金・ファンド勢のリバランス売り警戒もさほど気にする必要はなくなるでしょう。短期的な利食い売りをこなした現状では一転して押し目買い好機となります。さらにその先も見据えた戦術としては、また企業決算シーズンが控えていますから好業績・材料期待の銘柄を絞り込み、日銀レポート発表後にも押し目がある想定の下、二段階に分けて仕込んでいくことが有効と思われます。
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