【12/26日本市場の確認ポイント】
日経平均 33,305.85(+0.16%)[33,181~33,312]
TOPIX   2,338.86(+0.06%)[2,329~2,340]
マザーズ   674.65(+0.11%)[673~681]

値上がりセクターTOP5
1.海運(+1.20%)
2.紙・パルプ(+0.83%)
3.鉱業(+0.57%)
4.その他製品(+0.57%)
5.倉庫・運輸(+0.54%)

値下がりセクターTOP5
1.空運(▲0.89%)
2.ゴム(▲0.83%)
3.陸運(▲0.79%)
4.繊維(▲0.31%)
5.小売(▲0.29%)

 日本市場は年末の薄商いに加えて海外のクリスマス休場に伴い売買代金は3兆円割れと低迷する中、個別の材料物色が中心の展開。中心テーマの半導体株や海運株に商いが集中する一方、全体では買い手控えの様子見姿勢が強まっている中で個人投資家の節税売りや信用需給整理で上値の重さも意識されます。

 日経平均は小幅ながらに3日続伸と商いが細る中でも下げ渋り、一方で新興市場はグロース250指数が3日続落後に昨日は終盤にかけて上げ幅を縮小しながらも自律反発の動きを見せました。日本の長期金利が先週20日の0.55%付近から0.63%へと上昇し、新興市場の株価には逆風となる中で売買代金は増加傾向を辿りました。

 日銀会合での緩和継続を受けて過度な警戒感が後退するとともに売り方の買戻しを誘発、大型・小型株問わず急伸した後の調整相場が続いています。とりわけ買戻し需要の乏しい新興株は、6月高値形成からの信用期日売りと27日の12月権利付最終売買に向けての節税売りが立て込む状況と相まって、需給悪化に抗い切れないのが実状と言えるでしょう。

【米国株概況】
米FRBの早期利下げ期待で一段高、大手インテルの世界供給網再構築を好感した半導体SOX指数も高値更新

NYダウ 37,545.33(+0.42%)[37,371~37,617]
S&P500 4,774.75(+0.42%)[4,758~4,784]
NASDAQ 15,074.57(+0.54%)[15,024~15,101]
ダウ輸送株 16,104.3(+0.25%)[16,060~16,167]
半導体SOX 4,207.5(+1.80%)[4,155~4,222]【高値更新】
日経平均先物(CME) 33,430(+0.63%)[33,105~33,490]
ドル/円 142.10~142.63(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.633%(高値0.975%:11/1、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 3.895%(高値5.000%:10/19、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 75.11(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 2080.15(高値2,068:5/4、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.901(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)12.99(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 134.46(安値110.34:2022/11/3、高値162.51:12/14)
Fear&Greed指数 79(EXTREME GREED:極端な貪欲)
High Yield Bond (HYG)77.62(安値70.30:10/13)

 米国市場はクリスマス休場明けで反発、NYダウとS&P500は史上最高値に迫りながらハイテク株主体のナスダック、小型株主体のラッセル2000もそろって上昇しました。インテルが材料好感の動きで高値更新するとともに半導体SOXも高値更新となりました。

 主要3指数は月間、四半期、年間ベースの全てでプラスとなる上に9週連続の上昇になる見通しで、市場のセンチメントはリスク指標のFear&Greed指数がEXTREME GREEDを示すなど最高潮に達しています。年末で薄商いとなる中で引き続き米FRBの早期利下げ観測が相場を後押し、市場では来年3月にも0.25%の利下げが行われる確率は72.7%にまで織り込んでいる模様。

 上記の半導体大手インテルはイスラエル・ハマス戦争の渦中にあるイスラエル南部で大規模な設備投資発表が好感されて+5.2%高と急伸。軍需関連のボーイングに加えて金融株のゴールドマン・サックスやJPモルガン、景気敏感セクターのキャタピラーなども高値圏で推移し、NYダウの上昇を牽引しています。
インテル、イスラエルに3.6兆円相当の設備投資-政府から奨励金確保(2023/12/26)

 一方、中東情勢はイスラエル戦争を中心に紅海でのタンカー襲撃など断続的な緊張状態が続き、原油価格も再び上昇。インフレ鈍化を背景に米FRBの早期利下げを期待する市場の裏側では物流コストの再上昇観測が浮上しており、現在の楽観シナリオに冷や水を浴びせるリスクも同時に高まってきていることも認識しておくべきでしょう。

【日本株投資戦略】
12月権利付最終売買で節税売りも一服、新年相場に高まる自律反発への期待

 日本市場は日銀会合通過後の動きでひとまず為替円高に歯止めがかかり、過度な警戒感の後退とともに主力株が買い戻されています。日経平均は債券市場の入札不調で長期金利が上昇している中においても33,000円台を維持しており、この間に相場牽引役のレーザーテック(6920)などは7連騰で再び新高値更新の動きをみせています。

 引き続き半導体関連の東京エレクトロン(8035)や信越化学(4063)、ディスコ(6146)といった主力の一角が中心となって日経平均を押し上げており、一方で大規模リコールが嫌気されたトヨタ(7203)や日銀政策修正期待の剥落した三菱UFJ(8306)はじめメガバンク株や市況関連の商社や鉄鋼などバリュー株が冴えず、やはり前回指摘したTOPIXの出遅れ感が否めない状況となりました。

 全体に年末の買い手控えが強まりやすい中で上昇する銘柄はいずれも信用需給が良好で、売り方の買戻しが入りやすい銘柄に絞られている印象を受けます。前回解説した外需・グロース株優位の展開は言わば世界の景気減速懸念、それに為替円高への警戒感でストレスがかかった部分の反動であり、反対に内需株やバリュー株などはさほど空売りの標的にならなかったこともあって買戻し圧力に乏しい面が足元のパフォーマンスで明暗分かれる結果となっています。
2023年の日本株、円安が上昇後押し-海外勢の買いで騰勢維持なるか(2023/12/26)

 市場全体の商いが細っている中では一時的な需給要因における影響が大きくなりがちですが、ただでさえ年末のポジション整理が立て込みやすい時期に足元では政治とカネの問題の根深さがクローズアップされており、その割には相場として案外底堅いものとなっているだけでも御の字と言えるかもしれません。支持率が低迷する岸田政権の去就として年末解散の選挙相場は実現されませんでしたが、本日をもって年内受け渡しの売買は最終日となります。明日からは新年の相場入りとともに自律反発の波が広がっていくことに期待したいところです。
今は政治の信頼回復と経済・外交に専念=衆院解散問われ岸田首相(2023/12/26)

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