【10/12日本市場の確認ポイント】
日経平均 32,494.66(+1.75%)[32,120~32,494]
TOPIX 2,342.49(+1.50%)[2,320~2,343]
マザーズ 708.63(+1.31%)[697~709]
値上がりセクターTOP5
1.電気機器(+2.91%)
2.機械(+2.90%)
3.輸送用機器(+2.74%)
4.石油・石炭(+1.93%)
5.ガラス・土石(+1.82%)
値下がりセクターTOP5
1.鉱業(▲0.80%)
2.紙・パルプ(▲0.51%)
3.海運(▲0.48%)
4.空運(▲0.18%)
5.陸運(▲0.13%)
日本市場は大幅続伸で日経平均は32,500円に接近して高値引け、半導体株が人気化鮮明でレーザーテック(6920)やディスコ(6146)が大幅高。日経平均採用銘柄ではアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)がそれぞれ大幅高となり、これにファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)などの上昇が加わり、値がさグロース株主導で相場をけん引しました。
日経平均は月初の急落からV字回復でこの5日間の上昇幅では+2,000円超となりました。上記のような値がさグロース株で上昇分の多くを占めており、先物買戻しとあわせて集中的に買われたとみられます。電機をはじめ自動車、機械など外需系の買戻しが強まる中で、これまでのTOPIX優位の構図は日経平均に軸足が移りつつあります。
半導体株を中心に市場でのセクターローテーションが始まったとみられ、こうした大型株主導から全体に広がりを見せるかが注目されます。中小型株市場でもエネルギーや半導体、内需・インバウンド関連などに自律反発から大幅高する銘柄も散見されており、足元では小売・サービス業の決算発表なども物色の手がかりとなっています。
【米国株概況】
米金利低下を背景に戻りを試すも米30年国債入札の壁が行方を遮る、来週の米小売指標が金利抑制材料となるか
NYダウ 33,631.14(▲0.51%)[33,455~33,863]
S&P500 4,349.61(▲0.62%)[4,325~4,385]
NASDAQ 13,574.22(▲0.62%)[13,491~13,714]
ダウ輸送株 14,963.1(▲1.07%)[14,838~15,177]
半導体SOX 3,548.6(+0.31%)[3,515~3,596]
日経平均先物(CME) 32,270(▲1.13%)[32,010~32,660]
ドル/円 148.94~149.87(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.752%(高値0.816%:10/5、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 4.698%(高値4.887%:10/6、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 83.50(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 1881.65(高値2,068:5/4、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.585(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)16.69(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 136.13(安値110.34:2022/11/3、高値158.30:6/1)
Fear&Greed指数 35(FEAR:恐怖)
High Yield Bond (HYG)72.81(安値70.30:10/13)
米国市場は11日の9月米PPI(生産者物価指数)および米10年国債入札を無難にこなしながら順調に戻りを試す相場でしたが、昨晩の9月米CPI(消費者物価指数)、そして米30年国債入札に際して、とくに米30年国債の低調な入札結果が債券売りを喚起して米金利が再上昇、株価も上昇一服となりました。
インフレ指標のPPI、CPIともにそれぞれ市場予想を上振れており、若干ながらも米FRBの金利高止まり政策を裏付けるものとなりました。一方で、足元の原油高もインフレ再燃の芽につながるものとして市場警戒を誘っており、米FRBの金利見通しは引き続き11月FOMCでの利上げ見送りが確実視されるものの、12月FOMCでの利上げ確率がやや上昇しています。
足元の米経済指標はまだら模様ながら米景気の底堅さを裏付けて金利先高観を後押しするものとなっていますが、今晩以降の米企業決算が開示されるにあたり小売企業や陸運・空運などの輸送業など米景気を占う重要セクターの業績が注目されます。また、米国の消費動向だけでなくインフレと関連の深いエネルギー企業やS&P500の収益を大きく左右するハイテクなど、企業業績が足元の高金利政策で下押し圧力にさらされていないかをチェックし、その中から次の手がかりを得ようとするのが市場です。
米企業の決算発表が本格化してくれば、米議会における米民主党と米共和党の内紛なんかも一旦横に置かれるでしょうし、米政治リスクが解消すれば米金利低下が一段と進むことになり、米国株の反発につながるものと思われます。それでなくとも足元の米個人消費にはやや陰りが見えてもいますので、来週の小売統計などをきっかけに米金利は今一度低下するきっかけを掴めるかもしれません。ひとまず今回の米30年国債入札をふまえて米金利がどこまで上昇するかを見極め、ハイテクグロース株などの押し目好機を探りたい場面かと思われます。
【日本株投資戦略】
半導体株の躍進で日経V字回復、先物買戻し主導で取り残された大型グロース株以外は決算材料待ちに
日本市場は3連休明けから猛反発でV字回復、日経平均への寄与度が大きい半導体株、グロース株を中心に買戻しが進んで32,500円台を一時回復しました。月初の急落時に先物主導で売られたこともあり、これの買戻しとともに値がさハイテク株、大型グロース株中心の戻り相場となっています。
全体の地合い回復にはもうしばらく時間がかかるものとみられ、ひとまず先物買戻しも本日のオプションSQを通過して一巡してくると考えられます。よって、来週はまた米金利動向と改めて睨めっこしながら、売り方が再度売り直してこないか警戒を続ける必要があるものと思われます。
といっても、足元の半導体株中心に大きくリバウンドを見せましたので短期的なリターンだけでも十分な利益が獲得できているはずです。部分的に利食いして再度押し目買いを狙うもよしですし、下値で仕込む株数が足りなかった人にとっては押し目待ちの状況になるかと思われます。日経平均だけでみればすでに9/15高値からの半値戻し達成ですが、大半の銘柄はまだ下値波乱のレンジから抜け出せていないものが多いでしょう。
半導体株の反発はまだ始まったばかりと思われますので追加買いのチャンスを伺いつつ、来週は景気敏感バリュー株が下値をテストしてくる可能性が高いと思われますので、業績面なども精査しながら決算シーズン入りする前に押し目買いを狙っておくとよいでしょう。
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