【9/15日本市場の確認ポイント】
日経平均 33,533.09(+1.10%)[33,391~33,634]
TOPIX   2,428.38(+0.95%)[2,419~2,438]
マザーズ 739.90(▲0.15%)[737~744]

値上がりセクターTOP5
1.電気・ガス(+3.37%)
2.石油・石炭(+2.27%)
3.輸送用機器(+2.23%)
4.紙・パルプ(+1.98%)
5.建設(+1.94%)

値下がりセクターTOP5
1.銀行(▲1.19%)
2.空運(▲0.81%)
3.小売(▲0.55%)
4.保険(▲0.25%)
5.なし

 日本市場は金利上昇への警戒感が残る中でも主力株の騰勢が続き日経平均は33,500円台を回復。英アームIPOに関するポジティブ材料を背景にソフトバンクG(9984)が上値を伸ばしたほか、トヨタ(7203)やソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)など各セクターの一番手銘柄が一斉に買われてTOPIXはバブル後高値を更新。

 一方で、需給面で苦しいアドバンテスト(6857)などは逆行安、日本製鉄(5401)をはじめ鉄鋼株も朝高後に売られたほか、三菱UFJ(8306)などメガバンク株も利益確定の動きが強まりました。これまでの上昇が際立った銀行、保険など金融株の下落とともに内需株への利益確定売りが目立ち、値下がり銘柄ではこれらのほかに野球の阪神優勝を機に阪急阪神HD(9042)やH2Oリテイリング(8242)なども大幅反落しました。

 大型バリュー株選好でのTOPIX優位の相場が続く一方、対照的な小型グロース株の低迷からマザーズ指数は小安い展開で主力株上昇の波に乗れず。日米の金利上昇警戒からグロース株への逆風が意識される中、今週に控える日米の金融政策決定会合が心理的な重しとなっていることは否めません。しかし、中銀イベントに向けて警戒されてきた分、通過後は相場の好地合いを背景に出遅れ修正の期待も残しているとみられます。

【米国株概況】
米FOMCが迫るとともに米金利上昇への警戒続きハイテク株売り、原油高鮮明でインフレ再燃に対する金融当局の対応に注目

NYダウ 34,624.30(+0.01%)[34,545~34,725]
S&P500 4,453.53(+0.07%)[4,442~4,466]
NASDAQ 13,710.24(+0.01%)[13,663~13,751]
ダウ輸送株 15,253.3(▲0.56%)[15,250~15,371]
半導体SOX 3,492.5(+0.46%)[3,446~3,504]
日経平均先物(CME) 33,065(▲0.65%)[32,935~33,140]
ドル/円 147.55~147.87(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.701%(高値0.725%:9/14、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 4.306%(高値4.358%:8/21、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 90.99(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 1955.50(高値2,068:5/4、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.779(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)14.00(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 137.65(安値110.34:2022/11/3、高値158.30:6/1)
Fear&Greed指数 48(NEUTRAL:中立)
High Yield Bond (HYG)74.69(安値70.30:10/13)

 米国市場は15日の先物・オプション、個別株オプションの清算が行われるクアラドプル・ウィッチングで大口ポジションの整理に伴いボラティリティが上昇、米国株式指数には下押し圧力がかかり揃って反落。台湾TSMCの半導体に対する需要減退見通し及び納期遅れ報道が嫌気されて半導体SOX指数が▲3%超の大幅安となるなど半導体株を中心にハイテク株安となりました。

 日本が3連休で休場となった18日はハイテク株売りが落ち着きをみせて小動き、20日の米FOMCを控えたこともあって様子見姿勢が強まりました。今回のFOMCでは利上げ見送りがほぼ確実視される状況の中でパウエルFRB議長の発言に注目が集まっており、年内の残り利上げに対する言及や米経済に対する見通しにも関心が高いとみられます。バイデン米政権やイエレン米財務長官などは景気悪化を回避できるとの見方をアピールしていますが状況は依然不透明との見方も燻っていることが市場の重しとなっています。

 米経済や米金利見通しに関して市場はソフトランディング期待からインフレ再燃に目線を移しつつある中、米長期金は4.3%をなおも上回って推移し、ハイテク株売りの要因となっています。直近の米経済指標はまちまちながら原油価格が再び騰勢を強めており、WTI原油先物は91ドル台へと上昇しているほか、北海ブレントにいたっては95ドルが視野に入ってきました。

 インフレ再燃の芽が米FRBの年内利上げ見通しならびに来年以降も金利高止まりとなる可能性が先行き警戒を誘うものとなり、米国株への強気な見方に懐疑的な動きも出始めたとみられます。インフレ対応の必要性から米FRBがタカ派的なメッセージを強めるのか、あるいは米経済への援護射撃として年内の利上げに対する言及を差し控えるかによって米長期金利が4.3%を挟んでの攻防、そして米国株の買戻しを誘うかが注目されるでしょう。

【日本株投資戦略】
バリュー株・高配当株への買い意欲旺盛、先週末の出来高急増が示す日本株の強気サインはホンモノか?

 日本市場は3連休をはさんで米長期金利の上昇や米国ハイテク株の下落影響を織り込む必要に迫られる一方、バリュー株優位性からTOPIXが下げ渋り全体の下値を支える構図も続くとみられます。米金利だけでなく日本の金利上昇警戒が半導体株はじめ電機・電子部品やサービス業などグロース株にとっての逆風と意識される反面、自動車や銀行、海運などバリューかつ高配当銘柄への物色意欲は根強く、配当狙いの買いが日本株を下支えしています。

 9月初めからのこうした物色傾向は一部で利益確定売りなどが出て下振れする場面がみられても、そこにすかさず押し目買いが入っております。今週は週末に日銀金融政策決定会合を控えて積極的な売買は手控えられる可能性が高いとみられるものの、商いが細って売られ過ぎてしまうような銘柄が出てきやすいとも言えますので、慎重に下値を拾っていくにはチャンスも多いと考えられます。

 気をつけなければいけないのは上昇銘柄に魅了されて飛びつき買いをしたり、配当落ち分を考慮せずに高配当株を高値掴みしてしまうことです。今週の日米中銀イベントと来週の配当落ち後でヘッジポジションの整理が一巡した後は買戻しの動きが強まる期待が持てますが、それまでの間に投資余力が尽きてしまうことは避けなければなりません。

 しかし一方では為替円安で海外勢の資金流入観測も高まりやすく、米国株や中国株と比べてもパフォーマンス優位な日本株は両国からの逃避資金の受け皿となる期待が持てます。日経先物市場ではすでに9月配当落ち考慮後の値で33,000円付近での推移とみられ、日米の中銀イベント通過で金利警戒が一服すればこの水準での下値固めも完了してくるものと思われます。33,000円台回復から売り方の買戻しが一気に進みましたが、売り方としては先週末の9月メジャーSQを上回る出来高を記録して上昇したことは見過ごすことはできないでしょう。明らかに買い方優位であることを生かさない手はない状況ですが、来週にかけてはまさに押し目買い好機になるかと思います。

◆ゴールドマン、日本株見通しを引き上げ-円相場の安定推移を予想(2023/9/18)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-18/S16DLKT1UM0W01

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