【8/4日本市場の確認ポイント】
日経平均 32,192.75(+0.10%)[31,934~32,294]
TOPIX 2,274.63(+0.28%)[2,257~2,278]
マザーズ 764.29(+0.38%)[758~766]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+3.08%)
2.水産・農林(+2.02%)
3.保険(+1.96%)
4.鉱業(+1.77%)
5.銀行(+1.64%)
値下がりセクターTOP5
1.繊維(▲1.79%)
2.その他製品(▲1.73%)
3.ゴム(▲1.52%)
4.紙・パルプ(▲0.92%)
5.医薬品(▲0.64%)
日本市場は日経平均が32,000円を一時割り込みましたが続落を回避、自律反発狙いの買いも入りひと安心といったところですが下げ止まったかどうかは疑わしい水準。東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1044/値下がり707と値上がりが優勢、下落主導した半導体株や自動車株の反発は心強いですが、値がさグロース株の動向はまだ不安定な要素が満載。
市場を下支えする役割でバリュー株代表の海運大手3社が強い大幅反発で連騰、決算材料で三菱重工(7011)や丸紅(8002)なども大幅高しました。高配当利回りの銀行や保険など直近の悪材料があった金融株も配当利回りベースに値ごろ感も出てきたところから押し目買いが入り始め、TOPIX優位が目立つ展開でNT倍率も低下しています。
日米の金利上昇が重しとなって売られやすいグロース株ですが、一旦の下げ止まりをみたことで押し目買いを呼び込めるかが重要。決算シーズンはヤマ場を迎えているところで、まだまだ不安定な日が続きそうですが決算材料をきっかけに切り返しも期待される場面。市場波乱で夏場の閑散期どころか売買代金は高水準を記録していますが、東証プライムは活況とは打って変わってグロース市場は売買低調と温度差が鮮明です。個人投資家の主戦場とされる中小型株、とくに新興株の夜明けはまだ先になりそうです。
【米国株概況】
◎米雇用統計を消化しつつアップル株の動向に注目、今週は米国債入札が相次ぎ米金利水準に細心の注意
NYダウ 35,065.62(▲0.43%)[35,033~35,506]
S&P500 4,478.03(▲0.53%)[4,474~4,540]
NASDAQ 13,909.24(▲0.36%)[13,897~14,119]
ダウ輸送株 16,319.8(▲0.46%)[16,285~16,503]
半導体SOX 3,699.2(▲0.24%)[3,660~3,751]
日経平均先物(CME) 31,980(▲0.53%)[31,865~32,290]
ドル/円 141.55~142.87(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.636%(高値0.661%:8/3、安値0.131%:2022/3/6)【高値更新】
米10年債利回り 4.042%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 82.64(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 1978.20(高値2,068:5/4、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.847(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)17.10(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 153.35(安値110.34:2022/11/3、高値158.30:6/1)
Fear&Greed指数 69(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)74.65(安値70.30:10/13)
米国市場は7月米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は市場予想を下回ったものの前月比では増加、失業率が低下して平均賃金も伸びを示すなどインフレ制御という観点では金融政策への不透明感も意識される内容となりました。しかし、米雇用統計発表後の米国株は堅調に推移しており、次回の金融政策決定までだいぶ時間があることもふまえ市場影響は限定的と言えます。どちらかと言えば、決算発表したアップルが下落幅を拡大していったことがNYダウ、S&P500、ナスダックの主要株式指数にとっての重しとなり、改めてビッグテック株への依存度の高さを示しました。
米企業決算はひとまず一巡といったところで、ビッグテックのアップル、アマゾンはそれぞれ明暗がくっきりと分かれた動きとなりましたが、全体では市場予想比増益と今回の米企業決算は好感される内容であったとみられます。今後は企業ミクロから米経済指標など米経済マクロデータに関心が移ることとなり、今週は7月CPIや7月PPIなどのインフレ指標、ミシガン大学消費者信頼感指数などの米景気指標が控えています。
その他に重要なのはやはり米国債入札が3年債、10年債と続いて、直近大きく動いて前回も非常に注目した30年債の入札を無難に消化できるかがとりわけ大事なイベントになります。米金利が高止まりを続けるようならば8月末のジャクソンホール会議でも今後の世界的な金融政策の道筋について大きな影響を与えることになるとみられ、適正な金利水準やインフレ目標などに変更の議論を巻き起こすことにつながっていく可能性があります。
また、米国株においてはアップルの株価チャートを見れば一目瞭然なように、市場を牽引してきたアップル株が長期の上昇トレンドラインを下放れる動きとなったことが話題を呼んでいます。単に決算材料によって一時的な調整をはさんでいるに過ぎないといった見方もできるかと思いますが、アップル株は上述したように主要株式3指数それぞれの採用銘柄として大きな影響を持つ株ですので、これが調整となると米国株全体の重しとしてみられやすいことに留意しておく必要があるでしょう。
【日本株投資戦略】
◎主力株の決算が佳境に入り個別株は材料に一喜一憂、あくまでも夏休み気分でリラックスした投資スタンスを
日本市場は先週のトヨタ決算に続いて主力株の決算が相次ぐ一週間となり、日経平均なども直近レンジの下限を意識させられる動きとなっていることから値がさグロース株の動向が注目されます。週半ばにはソフトバンクG(9984)やソニーG(6758)、後半には東京エレクトロン(8035)など指数への影響が大きい銘柄の決算発表が予定されているため気の抜けない一週間となりそうです。
先週の地合い悪化の影響は今週末のオプションSQ通過までの試練と言える面もありますが、直近のプットオプション売買がやや膨らんでいますので何度か下値攻めされることは覚悟しておいた方がよいでしょう。しかし仮に日経平均が底割れしたとしてもTOPIXが踏ん張ってくれれば全体総崩れは回避され、市場内でも逆行高する業種があったり資金の逃げ場が用意されるだけで投資家心理に与える印象はだいぶ軽減されます。
個別株はそれぞれ業績と今後の見通しにおける上方修正などの材料物色が中心になるとみられ、一概に言えないところではありますが決算を通過して下値確認が済んだところは今週から来週にかけてまだ様子見としても、つねに押し目買いを狙っておきたい銘柄としてストックしておくべきです。
投資余力に余裕があるようでしたら好決算銘柄で需給良好の銘柄から手がけていくのもよいかと思いますが、全体地合いではまだまだ無理できる場面ではありませんので程々にといったところでしょう。とくに米国市場における金利動向がだいぶ波乱含みの展開となっていますので、市場は強気と弱気がぶつかって不安定な場面が続きやすいとみられます。前回お伝えしましたようにしばらくは夏休み期間と割り切って、普段よりも肩の力を抜いて取り組んでおくくらいのスタンスがちょうどよいかと思われます。
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