【7/4本市場の確認ポイント】
日経平均 33,422.52(▲0.98%)[33,338~33,576]
TOPIX 2,306.37(▲0.62%)[2,301~2,312]
マザーズ 817.64(▲0.13%)[810~818]
値上がりセクターTOP5
1.銀行(+3.01%)
2.保険(+1.09%)
3.海運(+0.92%)
4.証券・商品先物(+0.67%)
5.非鉄金属(+0.05%)
値下がりセクターTOP5
1.医薬品(▲4.47%)
2.紙・パルプ(▲1.53%)
3.ゴム(▲1.42%)
4.機械(▲1.29%)
5.倉庫・運輸(▲1.17%)
日本市場は大幅反発とともに7月相場が幕開けし早々に平成バブル後高値を更新しましたが、昨日はおそらくファンド勢の利益確定も相まって一転反落と少々荒い値動きとなっています。とはいえ悪材料のあった医薬大手の第一三共(4568)が一時ストップ安まで売り込まれるなど、医薬品セクターが突出した下げとなり指数を押し下げた側面もあります。
ハイテク株は半導体関連を中心に堅調でしたが、ダイキン(6367)やファナック(6954)、ファーストリテイリング(9983)といった値がさグロース株が売られて日経平均は一時▲400円超の下落。その一方、銀行や保険、証券といった金融株が総じて強く、いずれも値上がりセクター上位にランクイン。その他、海運や非鉄金属など市況関連が強含み、相場が軟化する際でもシクリカルバリュー株が引き続き全体を下支えする構図となっています。
主力のグロース株が利益確定売りに押される中、マザーズ指数も出足は軟調でしたが徐々に押し目買いが優勢になり引けにかけて下げ幅を大きく縮小しました。注目度の高いIPO案件ではエアロエッジ(7409)の初値に期待が高まりましたが持ち越し、その代わり他の直近IPO株の物色も活発でしたが、パフォーマンスはまちまちで中には値崩れする銘柄も続出。次々と新規上場案件が出てきて混み合っているため物色もバラつきがみられるのは当然と言えば当然で、既存の新興株でも生成AIテーマに利益確定の動きもみられるなど選別眼が求められるようになってきています。
【米国株概況】
残る米雇用統計と米CPIの経済指標に注目、米企業業績の見通し改善次第でサマーラリーの期待も
NYダウ 34,418.47(+0.03%)[34,286~34,465]
S&P500 4,455.59(+0.12%)[4,442~4,456]
NASDAQ 13,816.77(+0.21%)[13,773~13,839]
ダウ輸送株 15,614.0(+0.54%)[15,424~15,638]
半導体SOX 3,703.6(+0.83%)[3,663~3,713]
日経平均先物(CME) 33,190(▲1.26%)[33,155~33,605]
ドル/円 144.20~144.70(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.379%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 3.844%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 70.97(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 1,934.40(高値2,068:5/4、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.784(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)13.57 (高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 149.96(安値110.34:2022/11/3、高値158.30:6/1)
Fear&Greed指数 79(EXTREME GREED:極度の貪欲)
High Yield Bond (HYG)74.55(安値70.30:10/13)
昨晩の米国市場は独立記念日で休場でしたが、3日は短縮取引で主要株式3指数はそろって上昇。6月米ISM製造業景気指数が市場予想を下回りNYダウが軟調に推移する場面もありましたが、ディフェンシブや金融株などが買われて持ち直し。さらにテスラが値下げ攻勢で販売台数を伸ばし、とくに中国では前年比で2割近い増加となるなどEV市場における競争力の高さを見せつけ一時+7%近く上昇するなど指数上昇に寄与しました。
米経済指標にらみで米FRBの金融政策見通しに対する警戒感も燻っていますが、金融環境は米FRBのタカ派メッセージ姿勢とは裏腹に市場の流動性は非常に緩和的であり、上記テスラの例に代表されるように米企業業績も市場が懸念するほどは悪化しないとの期待感も醸成されています。
米国市場では今週末の米雇用統計や来週半ばのCPI(消費者物価指数)などが目先最大の焦点となってくるのは当然として、これら米経済データはむしろ市場のリセッショントレードを巻き戻す材料としてポジティブ要因になりつつあります。そこから相場の持続力を維持できるかは、来週末から金融株を皮切りに始まってくる米企業決算になるでしょう。
ここでテスラの2Q業績のように市場期待を誘うものとなってほしいところですが、金融株はトレーディング部門の収益力低下から最初の関門となってきそうです。米国市場はビッグテックに代表されるハイテク株の成長が全てと言ってもよいほど、過度にハイテク企業依存である面が否めませんので、来週までの米FRBに対する警戒感が緩んでいる間が上値にトライできるサマーラリー期間と言えるでしょう。
【日本株投資戦略】
バブル後高値更新から業績相場でさらに高まる上値期待、決算シーズン入りの前に利益確保して決算は確定売りに
日本市場は月初の大幅反発で早速ながらに平成バブル後高値にトライ、日経平均のザラ場高値にはあと一歩届きませんでしたが終値ベースでは高値更新。TOPIXは予定通り(?)に最高値更新で上値追いに対する期待感が高まっています。
日経平均は前回解説のようにまずは33,000円定着がカギとなるところで、これまで指数を押し上げてきた値がさグロース株が小休憩を挟むような場面ではややもたつくことも想定されます。しかし、今後の決算シーズンが視野に入ってくる中で、企業業績への期待感が高まり、業績相場へとスムーズに移行できれば8月上旬までにもう一段の上値を伸ばす期待も持てるかと思います。
直近では日銀の7月金融政策決定会合でYCC政策を修正する可能性は3割程度にとどまり、金融環境は依然として緩和的と言えますし、財務省・日銀・金融庁の当局者らは為替介入を滲ませる発言をしながらも現在のドル円145円近辺での水準は黙認しています。したがって、日本株には足元の利益確定売りを吸収さえできれば、改めて海外勢による追加買いが見込める状況であり、だいぶ売り越してきた個人投資家も買い越しに転じてきていますので、全員参加型のサマーラリーも期待できるかと思います。
日米株ともに企業決算に対しては期待感と警戒感が混在する状況ですから、7月後半は不透明感が高まりやすいと言えますので、その分この前半のうちが勝負どころと言えるかもしれません。言ってしまえば5月や6月も似たように月の前半が堅調で後半に軟化するといったパターンでしたから、市場の地合いは米国のSQ算出日と前後して変化しやすいといったことが言えます。
まずはこの7月前半でしっかりと利益を先行させておいて、後半の決算シーズンはある程度余裕を持って臨みたいところです。くれぐれも必死に決算ギャンブルで一か八かに賭けるような投機は結局のところ機会と資金を無駄にしてしまいますので、決算ギャンブルしなくて済むように稼ぎやすい時に稼いでおくように日頃から心掛けてまいりましょう。
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