【6/23本市場の確認ポイント】
日経平均 32,781.54(▲1.45%)[32,575~33,533]
TOPIX 2,264.73(▲1.38%)[2,253~2,309]
マザーズ 830.29(▲1.77%)[820~854]
値上がりセクターTOP5
1.電気・ガス(+1.23%)
2.食料品(+0.01%)
3.なし
4.なし
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.卸売(▲3.38%)
2.非鉄金属(▲2.22%)
3.輸送用機器(▲1.97%)
4.機械(▲1.96%)
5.その他製品(▲1.87%)
日本市場は期末に向けた利益確定売りが嵩み続落、前日の半導体株安を皮切りに堅調な動きを見せてきた商社株や自動車株などを中心として売りに押され、日経平均は寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンクG(9984)が下落を主導して33,000円の節目を割り込みました。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり325/値下がり1456でほぼ全面安商状、その中で東京電力(9501)をはじめ電力株が逆行高、JR各社なども反発。地合い悪化で内需ディフェンシブ株が選好される展開となりました。為替はドル円が143円台をつけるなど円安が一段と進みましたが自動車・エレクトロニクスなどの外需株は軟調に推移しました。
景気敏感の外需株が売られ、内需株選好が強まる構図は大方想定どおりですが、為替円安が株高要因となる神通力は薄れ、しいて言えば前日に大きく売られた半導体株安が踏みとどまったことは朗報と言えるかもしれません。新興市場も上昇をけん引してきた主力どころが利益確定売りに押されマザーズ指数も全体に連れ安した格好。ただ、強靭な足腰で逆行高を見せる銘柄もそれなりに輩出し、地合い難の中で逆行高する銘柄はいわゆる〝赤札銘柄″として注目すべき部分もあります。
【米国株概況】
欧米の景況感悪化で市場の過熱感落ち着く、AIラリーの余韻に浸りながら調整地合いが続く見込み
NYダウ 33,727.43(▲0.65%)[33,646~33,835]
S&P500 4,348.33(▲0.77%)[4,341~4,366]
NASDAQ 13,492.52(▲1.01%)[13,442~13,572]
ダウ輸送株 14,687.9(▲0.74%)[14,632~14,770]
半導体SOX 3,506.7(▲1.77%)[3,489~3,527]
日経平均先物(CME) 32,635(▲0.11%)[32,350~33,515]
ドル/円 142.77~143.91(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.361%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 3.737%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 69.50(高値123.68:2022/6/14、安値63.70:5/3)
金先物 1,930.30(高値2,068:5/4、安値1,622:9/28)
銅先物 3.806(高値5.0395:2022/3/7、安値3.1322:7/15)ざ
恐怖指数(VIX)13.44 (高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 137.85(安値110.34:2022/11/3、高値158.30:6/1)
Fear&Greed指数 74(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)74.19(安値70.30:10/13)
米国市場はパウエル米FRB議長の議会証言における利上げ継続見通しが引き続き重しとなり、主要株式3指数はそろって下落。これまで8週連騰のナスダック、5週連騰のS&P500における週足連騰記録もストップし、米国および欧州の経済指標悪化を確認してNYダウも軟調に推移しました。
欧米の景況感を表す6月PMI速報値がそれぞれ悪化してリスク回避の債券買い、長短金利の逆イールドは一時▲101bpまで拡大して景気悪化懸念が意識されました。為替市場では欧州の景況感悪化が強まり米ドル買いユーロ売りで大きめの反応、これによって米ドル高となりましたが商品市場は概ね横ばい、その中で天然ガス先物はむしろ大幅反発となりました。また、このところ強含みの仮想通貨も米ドル高を跳ねのけて上昇し、株式市場との対比でも逆相関が強まっています。
中国における景気刺激策への期待が剥落した香港株の軟調に加えて、欧州でも景気悪化懸念が嫌気されて主要国株式の調整色が強まっています。とくに欧州では主要中銀がこぞって利上げ強化を訴え、景気下支え策の効果も切れかかってきた中でECBのバランスシートも圧縮されています。債券市場では景気悪化を見越しながら利上げ政策の出口が近づいているとの認識を強めていますが、一方でインフレ基調はピークアウト観測でもなお高止まりしており、有効な手立てを見出せない場合はスタグフレーションに陥る懸念につながるリスクが意識されるようになるかもしれません。
◆米PCE価格指数、追加利上げ観測を後押しか-今週の経済指標(2023/6/26)
中国や欧州の経済が弱まると相対的に米国の魅力が増してグローバルマネーは米国を頼ろうとしますが、すでに米国株においてもハイテク株はバリュエーションの上値期待が頭打ちとなってきています。AIラリーの過熱でハイテク株は貯金を作ったとみられますが、徐々にこれを取り崩す形で調整地合いが続く可能性があります。いざとなればリバースレポ放出で相場下支えもしくは押し上げることも可能ですが、米財務省はこれからトレジャリービルの大量発行を控えていますので、資金フローとして株式に充当される分は少なくなることを想定しておかなくてはなりません。代わりに金融当局は3月米銀不安の対応以来、BTFPで資金供給を拡大させていますので、しばらくは金利を低く抑え込みつつ株価の自律的な調整を促して静観する構えでしょう。
【日本株投資戦略】
引き続き月末リバランスで上値重い展開、海外投資家の買い意欲は継続で循環物色は内需株選好へ
日本市場は引き続き月末リバランス需要に伴う調整売り圧力が重しになりやすいとみられ、株式市場では海外勢による買いと国内勢の売りが交錯し合う構図にも変化は無いものと推測されます。この週末にロシア国内における内乱騒動が取り沙汰されたりもしましたが、地政学リスクという面でインフレを助長するような事態には至らないとみられ、金利環境が急上昇するようなことにならなければ極端な株売りにもつながらないと思われます。
市場は中間期末を迎えて何らかの売りの口実探しで躍起になっている状況で、ファンドマネージャーは今年前半の利益を確定させて沢山のボーナスをもらいたくて仕方ないはずです。しかし何も材料が無く売り仕掛けしてもすぐに買い戻され、結果売り損になってしまう恐れがあって安易な売りはできず、ヘッジ売りがせいぜいといったところかと思います。上述した中国や欧州の景気懸念は今に始まったことではなく、米国はむしろマイルドな景気後退は想定内といった形で市場織り込みが進んでいくものとみられ、リセッショントレードも巻き戻されることでしょう。
◆パウエル議長、債券トレーダーの説得に成功-深刻な景気後退予想低下(2023/6/26)
前回、7月のETF分配金捻出に向けた売り需要発生の季節要因について取り上げましたが、その一方で3月末に権利確定した配当金が順次支払われてくるのもまたこの時期です。また、先日の四季報新刊発売に伴う四季報相場というところでは、先回り買いした投資家の利益確定売りが一巡した後、改めて腰の入った買いが相場を形成することとなり、証券会社のアナリストなども1Q決算の業績上方修正を意識したレポート作成に追われます。
すなわち、この6月末を乗り切れば今年は十分にサマーラリーの期待が持てる相場で、企業業績も経済再開で活気づく内需株、そして為替円安で営業外収益が押し上げられる外需株、また、その他にも金融子会社などを持つ大手企業は営業外収益が膨らみやすいことは明らかな状況と言えます。あとはそれぞれの投資スタンスに応じて資金量や時間軸の調整などは必要になるかもしれませんが、この押し目好機を活かさない手はないでしょう。
ハイテク株調整が先行したと言っても相場循環の潮目が変わっただけで、完全に天井を形成したわけでもないので調整一巡後の出直り相場だけでもそれなりの値幅が狙えるかと思います。また、バリュー・グロース問わず調整を強いられているのは最近まで大きく上昇した銘柄が中心であり、むしろここにきて相場が立ち上がってきている銘柄も多く見受けられます。注意点としては国外の情勢悪化で影響を受けやすい外需・景気敏感株は不安定な動きとなりやすいため乱高下を前提に、一方で先週から資金シフトがみられる内需・ディフェンシブ株はむしろこうした局面でこそ期待されるところですので、銘柄の特色をおさえながらトレード戦術を色分けすることも大事でしょう。
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