【4/27日本市場の確認ポイント】
日経平均 28457.68(+0.15%)[28,241~28,459]
TOPIX 2032.51(+0.43%)[2,015~2,032]
マザーズ 737.81(▲0.10%)[735~741]
値上がりセクターTOP5
1.銀行(+1.49%)
2.輸送用機器(+1.46%)
3.鉄鋼(+1.16%)
4.ゴム(+1.10%)
5.電気機器(+0.93%)
値下がりセクターTOP5
1.証券・商品先物(▲3.86%)
2.空運(▲1.34%)
3.倉庫・運輸(▲0.91%)
4.陸運(▲0.74%)
5.海運(▲0.34%)
日本市場は米金融不安の余波や主力株の一角であるアドバンテスト(6857)やファナック(6954)の決算ガイダンスが嫌気されるなどしたものの、内需系の建設株や食品株などが買いを集めて外需株の不振をカバーしました。アドバンテストに連れ安した東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)など半導体関連が強い売りに押される一方、昨日は自動車や鉄鋼など景気敏感株の代表どころがしっかり買われて反発しています。
米金融不安が連想売りを誘った金融株は銀行株や野村HD(8604)の決算ミスも目立ちましたが、銀行株は押し目買いで反発。時価総額の大きい金融株や自動車株の反発によってTOPIXが日経平均をアウトパフォームしています。物色はまちまちですが、決算で見直される銘柄も多く、デンソー(6902)も発表直後は下振れる場面がありましたが、その後の切り返しで年初来高値を更新。こうした動きに刺激を受けて自動車部品関連に連想買いが波及するなど、良いムードが広がりつつあります。
ただし、新興・小型株市場では決算発表時期までゴールデンウィークをはさんでまだ時間があることや、投資家のリスク回避志向の強まりを受けて反落する銘柄も目立っています。グロース市場に新規上場したRidge-i(5572)も初日値つかずで昨日高く寄り付きましたが陰線を引き、直近IPOのispace(9348)も失望売りで連続ストップ安と投資家のセンチメントを悪化させています。ひとまずIPOラッシュが一巡した新興市場はGW明けの決算発表を機に物色が強まることを期待されるところです。
【米国株概況】
1Q米GDPは予想下回るも米景気の底堅さを確認、ハイテク大手決算を好感した買い戻し相場は当面続く公算
NYダウ 33826.16(+1.57%)[33,374~33,859]
S&P500 4135.35(+1.96%)[4,075~4,138]
NASDAQ 12142.24(+2.43%)[11,950~12,154]
ダウ輸送株 13797.7(+2.63%)[13,510~13,831]
半導体SOX 2941.6(+0.64%)[2,867~2,945]
日経平均先物(CME) 28,710(+0.95%)[28,245~28,750]
ドル/円 133.28~134.19(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.458%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 3.528%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 74.81(高値123.68:6/14、安値64.12:3/20)
金先物 1996.35(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 3.8888(高値5.0395:2022/3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)18.84(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 136.60(安値110.34:11/3、高値137.12:4/18)
Fear&Greed指数 59(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)75.04(安値70.30:10/13)
米国市場は金融不安のぶり返しが懸念される中ハイテク大手の決算発表が相次ぎ、昨晩は決算好感されたメタ(旧フェイスブック)が+14%高と大幅急伸したのをはじめGAFAMの代表どころが軒並み大幅高となりました。指数への影響度が大きいハイテク大手の決算に対する警戒感が緩和されたことで投資家のセンチメントは再び強気を取り戻しています。
米景気に対する懸念が強まっている中で1-3月期の米GDPが発表され、前期比+1.1%と市場予想を下回りましたが金融当局者らが警戒していた予想よりもかなり良い着地で、債券トレーダーは米国債売りで安全資産需要の後退を示しました。株式市場では米金利上昇を景気懸念の緩和と認識してリスクオン、上記のハイテク大手を中心に売り方の買い戻しが主導的となり大幅高につながりました。
昨晩のS&P500の全11セクターは全面高となりましたが、全体としてはハイテク大手の主力大型株に引っ張られた側面が強いため、中小型株などがついてこれていないのが現状です。建機大手キャタピラーの決算ミスもあって景気悪化懸念を完全に払拭できたわけではないものの、来週の米FOMCにおいては景気悪化を理由に利上げを停止することは無いものと考えられるでしょう。
米FRBは銀行の経営不安や企業の脆弱な部分が多少露呈したとしてもインフレ退治を掲げて金融引き締め方針は継続するものとみられ、それは裏を返せば米景気悪化に伴うリセッションに対してソフトランディングできる自信を表すものとなるでしょう。株価はハイテク大手が引っ張る形で指数が上昇している以上、これらの買い戻しが一巡した後は警戒する必要が出てくるかと思われます。
ハイテク大手の決算材料と米FOMCに対する警戒緩和が株価を押し上げると同時に、金融不安が当局のBTFP(バンク・ターム・ファンディング・プログラム)による資金供給策が株価を下支えし、当面は堅調な動きが続くでしょう。これは前回も述べましたように米FOMC明けの戻り相場を演出するとみられるわけですが、その間に米債務上限問題がこじれて米金利の上昇に拍車がかかることによってハイテク大手主導の相場が頭打ちとなり、5月後半以降は軟化していく展開が予想されます。
【日本株投資戦略】
高値警戒感も垣間見える日本株の強気相場はまだ終わらない、イベント通過後に見える本格上昇に向けた期待感
日本市場は米株大幅高を受けて続伸、本日寄付は日経平均が28,735円と4/25以来の高値圏へと再浮上し、2日間の下げ分を早々に取り戻しました。植田日銀総裁による金融政策決定会合の初陣に加えて月末のリバランスにからむ特殊な需給要因も発生することから、高寄りした後は戻り売りに押されています。
ただ、米景気に対する警戒感の緩和は日本株にとっても強力な支援材料であるだけでなく、日銀会合後は根強い不透明感が解消すると同時に改めて日本経済の底堅さを確認することにつながるとみられます。注目すべきは昨日発表された海外投資家の動向で、4月第3週(4/17〜4/21)の現物・先物の合計は1兆円超の買い越しでした。前週の1兆6,000億円には及びませんでしたが、現物でも2,760億円としっかり買い越しています。
◆海外勢の日本株買い越し1兆円超、バフェット氏効果続く-4月第3週(2023/4/27)
著名投資家ウォーレン・バフェット氏効果かどうかはともかく、海外勢の日本株に対する期待は高まっていることは明らかです。足元では日経平均が高値圏を推移していることから過熱感が意識されるかもしれませんが、為替の円安によってドル建て日経平均では4月初旬と変わらない水準に見えているのが海外勢からの見え方です。
米国株同様、景気悪化への懸念から景気敏感株の軟調な側面は目立っていますが、この2日間の調整を経て日経平均よりTOPIXのパフォーマンスが上回ってきました。NT倍率は依然として日経平均優位な状況を示しており、外需・ハイテク株業種の影響力が強いことを示していますが、TOPIXが優勢になってくる中では内需株および日本株全体の底上げがみられるようになってきます。
日銀会合を通過した上で政府が表明した対日投資の拡大が実現するのであれば、日本経済が活性化するとともに内需振興の加速につながります。くしくも日本はこれからゴールデンウィークに差し掛かるためリスク回避志向も強まりやすいところかと思いますが、直近で一息入れた相場の足腰は強く、「押しの浅い相場は大相場」を地で行くような強気相場が展開されていくことを期待してよいでしょう。
◆対日投資30年に100兆円、政府 「デジタルノマド」誘致(2023/4/26)
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