【2/22日本市場の確認ポイント】
日経平均 27104.32(▲1.34%)[27,046~27,300]
TOPIX 1975.25(▲1.11%)[1,970~1,987]
マザーズ 752.75(▲1.52%)[749~757]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+1.85%)
2.医薬品(+0.23%)
3.なし
4.なし
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.電気機器(▲1.76%)
2.繊維(▲1.74%)
3.電気・ガス(▲1.66%)
4.その他製品(▲1.60%)
5.非鉄金属(▲1.54%)
日本株は米国株安を受けて日経平均は27,000円近くまで下押ししましたが、休場前ということもあって戻りが鈍く、押し目買い意欲に乏しかったと言えます。東証プライムの騰落銘柄数は値上がり375/値下がり1393で大半の銘柄が値下がりする中、海運株が逆行高。
米金利上昇を受けたグロース株売りの影響は日本株にも波及しており、ソフトバンクG(9984)やソニー(6758)、リクルート(6098)、サイバーエージェント(4751)などの代表株が揃って売られました。また、東京ガス(9531)が新中計発表とともに総還元性向引き下げの意向を示して株価急落、足元で配当がらみのネガティブニュースには神経質になりやすい投資家心理が透けて見えます。
高配当株&低PBR銘柄の物色を中心とした動きはまだ続きそうですが、軟化傾向の米国株が自律反発してきた際にグロース株が見直されるかも注目されます。さすがにあと1か月近くある配当権利日まで同じ物色傾向を続けるわけにもいかず、グロース株が復調してくるようなら資金循環でバリュー株⇒グロース株、それが途絶えると全体で地盤沈下しダラダラと上値が重い展開が続く可能性も出てきました。
【米国株概況】
米国株は続落からエヌビディア大幅高に刺激されて往って来い、7年債入札が大ゴケも米金利上昇が一服
NYダウ 33153.91(+0.33%)[32,795~33,272]
S&P500 4012.32(+0.53%)[3,969~4,028]
NASDAQ 11590.40(+0.72%)[11,432~11,638]
ダウ輸送株 14707.95(+1.06%)[14,554~14,789]
半導体SOX 2988.81(+3.33%)[2,931~3,002]
日経平均先物(CME) 27,230(+0.37%)[27,005~27,240]
ドル/円 134.50~135.36(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.500%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:3/6)
米10年債利回り 3.890%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 75.56(高値123.68:6/14、安値70.25:12/12)
金先物 1829.70(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 4.0538(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)21.14(高値37.79:2/24)
SKEW指数 121.85(安値110.34:11/3)
Fear&Greed指数 63(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)74.62(安値70.30:10/13)
米国市場は7年債入札が不調に終ったものの、その後の米長期金利上昇が一服したことを受けて株価が反発、またハイイールド債も強めに反発するなどリスクオフの相場が急激に巻き戻しされました。半導体のエヌビディアが決算自体は冴えなかったものの、AI関連技術に対する将来性に着目した物色が活発化し、他のゲーム関連や半導体関連なども一緒に買い上げられる展開となっています。
米金利上昇の一服とともにボラティリティ売り再開でVIX指数も急低下、少し強引な形でリスクオンを演出しているのが同国のオプション市場ですが、ひとまず米10年債利回りが4.0%超えから一気に上昇していく懸念が解消されたことで、自律反発期待の買いも入りやすくなったと言えるでしょう。
どうやら3月の米FOMC前に当局者がブラックアウト期間入りするまでに、次回会合での0.25%利上げを正当化する雰囲気を作っておきたいとみられ、短期的には一旦持ち直す気配を醸し出してきそうなのが債券・金利市場の動きに表れています。よって米国株もここで売り方が買い戻して利益確定したことと合わせますと、3月米FOMC前にもう一山を形成しにいくかもしれません。
ただし、昨晩のエヌビディアが+14%の大幅高となった以外に全体の地合いを大きく改善させる材料は見当たらず、局所的な材料で指数が持ち上げられても持続性には乏しいためにすぐ萎んでしまうことも念頭に置いておくべきでしょう。同時に、米国のピーク金利予想について市場や米FRBの想定をはるかに上回る予想値を挙げる声も聞かれ始めましたので、次回の米FOMC前後での金利動向には十分に警戒して監視していく必要が出てきたかもしれません。
【日本株投資戦略】
日経平均27,000円堅持で下値の底堅さを発揮、押し目買い意欲復活で金利調整局面も乗り切れるか
日本株は休場明けですが米国株が切り返したことで押し目買いを狙う投資家には買い安心感を誘いやすい展開、また半導体SOX指数が米エヌビディア決算をこなして大幅高しており、国内の半導体株にも見直し買いの動きが強まっています。また、足元でバルチック海運指数が急上昇したことでこれに刺激を受けた海運株にも物色意欲が再燃の動きがみられており、これら先導株の強い動きは相場の調整局面も短期間に収束することを物語っていると言えるかもしれません。
これら半導体・海運の両セクターが合わせて強い時は近い将来の相場上昇を示唆しますが、どちらも材料動意の側面があるために反動安も当然警戒が必要です。しかし、市況悪化懸念を払拭するような動きであることをふまえますと、半導体も物流も昨年の底割れするような警戒感は薄れて売り方の買戻しを誘っているとみることができます。
よって、相場全体でみましても本日は銀行や鉄鋼といった直近旬だったバリュー株が利益確定売りに押され出してきましたので、しばらくの間は物色変化で別セクターの不動産株や建設株といった表裏の関係にある銘柄に資金がシフトしたり、あるいはリスク選好姿勢が回復すればグロース株に押し目買いといった動きにもつながってくることでしょう。
最も重要なのは目先の反発することよりも3月後半の欧米が金利上昇してきそうな局面において、日本株が一定の相場耐性を示すことができるかという点で、いわば上昇よりも下げないことの方がここからの展開では重要になってくると言えます。足元の相場でもそうですが、押しが浅ければその分上値が伸びやすい相場という見方ができ、持続的な上昇が見込めるのもポイントです。
相場が調整局面の時に下押しが深ければ深いほど急落後のリバウンドは短期的に大きくなりますが、それは高安でみた時の数値上の話で、実際に投資家が儲けやすいかどうかは別です。投資家が利益を出しやすいのはこうした上昇トレンドの中で押し目買いしたポジションが報われて、段階的に上値が伸びていく相場です。
日本株は全体としてもう少し底堅さが出てくるようになれば、外部環境に振り回されずに内需株も外需株もそれぞれ補完し合って指数も押し上げられていくようになるでしょう。そうしてはじめて東京エレクトロン(8035)やファーストリテイリング(9983)に極端な偏重がみられる日経平均の上昇ではなく、相場の実勢をより反映して日本株の実力を示すものとなってくるはずです。とくに3月からはいよいよファーストリテイリングの株式分割後の動きに切り替わって来ますので、それ以外の採用銘柄の動きにむしろ注目でしょう。
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