【1/31日本市場の確認ポイント】
日経平均 27327.11(▲0.39%)[27,302~27,494]
TOPIX   1975.27(▲0.36%)[1,973~1,991]
マザーズ 775.93(+0.28%)[768~776]

値上がりセクターTOP5
1.電気・ガス(+4.12%)
2.金属製品(+1.23%)
3.海運(+1.20%)
4.食料品(+1.09%)
5.水産・農林(+0.97%)

値下がりセクターTOP5
1.銀行(▲2.28%)
2.鉱業(▲1.83%)
3.医薬品(▲1.76%)
4.保険(▲1.45%)
5.石油・石炭(▲1.26%)

 日本株は日経平均・TOPIXともに反落となったものの東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1149/値下がり624と値上がり銘柄が優勢。LNG価格下落を追い風に電力・ガス業界の業績が改善しており、中部電力(9502)が一時10%超の急伸をみせたほか、東京ガス(9531)も+7.3%の大幅高となりました。

 決算材料を手がかりに半導体関連のソシオネクスト(6526)が上方修正および増配発表が好感されて+5%超の大幅高とともに上場来高値を更新、同じく半導体関連のバルカー(7995)も上方修正および増配、自社株買いと盛り沢山の材料で一時ストップ高まで買われる場面などもありました。

 個別株が決算材料・思惑で強めの物色がみられる一方、主力どころは半導体関連でも東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)が軟調で、銀行株などの下落も目立ったために日経平均、TOPIXともに寄与度の大きい銘柄の下げに引っ張られています。他方で小型株、新興株の物色は活況を持続し、マザーズは小幅ながらにも逆行高を演じました。

【米国株概況】
米FOMC前に雇用指標好感でリスク選好ムード継続、金融政策決定後は国際マクロにらみで米ドルの動きを要監視

NYダウ 34086.04(+1.09%)[33,664~34,095]
S&P500 4076.60(+1.46%)[4,020~4,077]
NASDAQ 11584.55(+1.67%)[11,398~11,586]
ダウ輸送株 14648.3(+3.47%)[14,186~14,650]
半導体SOX 2921.9(+1.93%)[2,859~2,922]
日経平均先物(CME) 27,490(+0.70%)[27,190~27,495]
ドル/円 129.75~130.53(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.487%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:3/6)
米10年債利回り 3.510%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 79.03(高値123.68:6/14、安値70.25:12/12)
金先物 1943.10(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 4.2195(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)19.40(高値37.79:2/24)
SKEW指数 123.29(安値110.34:11/3)
Fear&Greed指数 71(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)76.33(安値70.30:10/13)

 米国市場は米FOMC前に一進一退ながら昨晩は雇用関連指標の10-12月米雇用コスト指数が予想を下回り利上げペース減速を後押しする材料との見方から米国株は反発。前日に7営業日ぶりに反落となったNYダウは368ドル高で34,000ドル台を再び回復、S&P500、ナスダックもそれぞれ高値圏で1月の取引を終えました。

 月初来ではNYダウが1.72%高、S&P500が4.64%高で、ナスダック総合は8.86%高と昨年7月以来の大幅上昇を記録、買戻し余地の大きかったハイテクグロース株の堅調さが際立ちました。足元では上昇一服感が意識されるようになってきたものの、30日に強めに売られた先行指標のダウ輸送株や半導体SOXが昨晩は大きく切り返しており、戻り基調を継続しています。

 米FOMC前に強弱感の対立が目立っており、個別株も決算材料でまちまちの展開となっています。主要株式3指数ともに高値圏でのもみ合いと言え、今のところ市場のリスク選好ムードに水を差すような波乱要因は持ち込まれていませんが、Fear&Greed指数は71と昨年来でみても最高水準に達しています。

 今晩の米FOMCの事前観測では0.25%利上げ決定とパウエル米FRB議長のタカ派発言で市場の楽観を牽制するのではとの見方が強まっています。これまでに至る過程で米FRBの金融引き締め継続への姿勢にはそれなりに警戒してきたところがありますので、よほどのサプライズがなければ大きな波乱要因にはつながらないとみられます。

 ただその一方、市場が欲しがっているような今後の金融政策見通しで利上げのピーク時期や将来の利上げ停止および利下げ転換などに関しては一切明らかにはされないでしょうから、先行き不透明感が払拭されることも期待しづらいでしょう。

 今週で米企業決算も一巡してきますし経済指標として米雇用統計や来週のCPI(消費者物価指数)などがありますが、その頃にはすでに欧米の金融政策も決定していますので、市場の目線は徐々に国際マクロに移っていくことになります。そうした観点では2/7のバイデン米大統領が一般教書演説とともに対中ロ敵視政策が硬化する流れとなるか、あるいは米国予算をめぐる議会内での対立からむしろ軟化するのかが焦点となります。

 そこで債券市場や為替市場などに大きな変化がみられてきた場合などの方が株式市場にとっての影響が大きく反映されやすくなります。とくに注意を要するのは米債務上限協議の難航や国際収支で米ドル売りが強まるといったことが高値波乱を呼び込みやすい要因と言えるでしょう。これらを単なるノイズとして消化できるかが米国株にとっての試練となってくるかと思います。

【日本株投資戦略】
企業決算の本格化とともに市場内での循環物色にも変化の兆し、中小型株の決算プレイは慎重に

 日本株は企業決算が本格化してきたことに伴い個別株毎に売り買いが交錯しています。全体としては企業業績の悪化懸念などが和らいでくればTOPIXの2,000pt回復を見にいく期待が持てる一方、日経平均は27,500円の節目の攻防に手こずっている様子が見て取れます。

 日本ではすでに日銀金融政策決定会合を通過していますので、昨年12月の日銀ショックのような梯子外しは想定しづらいですが、米国株のところで上述したように米企業決算が一巡すれば徐々に国際マクロの動向が市場の関心を集めることになってきます。

 その際、為替が円高に振れてくる場面が日本株にとっての下振れリスクを意識させるものとなり、国際優良株などが売られやすくなります。足元では半導体株の戻りに一巡感がみられていますので、ここからしばらくはセクターローテーションで外需株よりも内需株へのシフトで全体を底上げしてくるかが注目されるところです。

 したがって、これまで堅調だった鉄鋼、非鉄金属、機械といった景気敏感株から建設、食料品、紙・パルプなどの内需系、ディフェンシブ系などに物色資金が順調に回っていくことが重要です。銀行や保険などの金融株、不動産株などの金利敏感株は日銀金融政策の構図として大きく変わる状況にはありませんので、しばらくは日柄調整といった形かと思われます。

 決算シーズンとしては大型株よりも中小型株の決算が多くなってきますので、新興市場に多い情報・通信やサービスといった内需系は、市場の資金循環がうまく回っているうちは決算材料を手がかりに大幅高するものが輩出されやすいと言えるでしょう。

 ただし、決算での銘柄選別の目は前回よりも厳しくなっており、業績上方修正や自社株買い、あるいは新製品・サービス展開、大手企業や外資との提携などといった新規材料が発表されないと投資家の触手は伸びてきづらいと言えるため、なかなかハードルは高いように見受けられます。

 新興企業の場合は配当などを出すケースは期待しづらいため、ここで決算ミスしてしまうようだと期末の配当狙いの買いも入りづらいために挽回が難しくなります。よって、決算プレイを行うべきかどうかは自身のリスク許容度と照らし合わせ、よくよく考えて立ち回る必要があると言えるでしょう。

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