【1/20日本市場の確認ポイント】
日経平均 26553.53(+0.56%)[26,320~26,553]
TOPIX 1926.87(+0.59%)[1,911~1,927]
マザーズ 753.59(+1.20%)[743~753]
値上がりセクターTOP5
1.空運(+3.18%)
2.鉄鋼(+2.68%)
3.鉱業(+2.19%)
4.海運(+1.92%)
5.保険(+1.65%)
値下がりセクターTOP5
1.証券・商品先物(▲0.16%)
2.その他製品(▲0.13%)
3.その他金融(▲0.08%)
4.なし
5.なし
日本株は前日の米国株安で朝方に弱含みでスタートするも、日銀の緩和策維持を背景に日本金利が低下して為替も円安に振れたことで徐々に押し目買いが優勢、後場には一段高となり上げ幅を拡大しました。18日の日銀会合後に急反発をみせた円安=株高パターンで週足は陽線を形成しました。
コロナ分類見直しの本格議論が始まったことを好感した百貨店株や空運株が大幅高となったほか、外資系証券の投資判断引き上げを材料に建設株なども見直し買いを集め、大成建設(1801)、清水建設(1803)、鹿島建設(1812)が+3%超の大幅高。電気料金の値上げ申請が伝わった東京電力(9501)も話題を集め+3%超の大幅高となり、内需銘柄の上昇が目立ちました。
一方で、為替円安によって自動車株にも買い戻しの動き、その他、海運、鉄鋼、非鉄金属、石油関連などの市況関連もそろって反発し、TOPIXも確りで2週連続の陽線を形成しました。大型株以上に値動きが良い新興市場ではマザーズが12月の日銀ショック後の戻り高値を更新、全体の商いが萎む中でも資金流入は顕著で日銀会合後の売買高は明らかな増加となりました。
【米国株概況】
今度は金融当局者のハト派発言で株高、次回FOMC前後の米経済指標と株価のゆくえ
NYダウ 33375.49(+1.00%)[32,948~33,381]
S&P500 3872.61(+1.89%)[3,897~3,972]
NASDAQ 11140.43(+2.66%)[10,885~11,143]
ダウ輸送株 14356.4(+1.75%)[14,086~14,358]
半導体SOX 2794.7(+3.11%)[2,71~2,795]
日経平均先物(CME) 26,915(+1.45%)[26,280~26,920]
ドル/円 128.36~130.61(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.346%(高値0.600%:1/12、安値0.131%:3/6)
米10年債利回り 3.482%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 81.96(高値123.68:6/14、安値70.25:12/12)
金先物 1927.70(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 4.2790(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)19.85(高値37.79:2/24)
SKEW指数 120.19(安値110.34:11/3)
Fear&Greed指数 59(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)76.17(安値70.30:10/13)
米国株は米FRBメンバーの中でもこの日発言した面々にはハト派姿勢を示すものが多かったことをうけて反発。金融当局者の発言によって振り回される中、相次いで大型レイオフ計画を発表して注目を集める大手ハイテク株の決算発表がスタート、先駆けとなったネットフリックスが+8.5%の大幅高となったことが話題になっています。
また、マイクロソフトに続いて1万人以上のレイオフを発表したアルファベット(Google親会社)も+5.7%の大幅反発、米企業の業績悪化を懸念しつつも人員削減による業績改善期待が株価を下支えする格好となっています。今週はマイクロソフトやテスラなどハイテクグロースのほかGEやTI、ボーイングなどの製造業も決算発表する予定。
コロナ禍時に膨らんだ人員を整理するハイテク大手とは対照的に、人手不足が深刻な製造業、サービス業などの決算発表が相次ぎ、米国株は悲喜こもごものまだら模様となりそうな気配です。こうした時期は先日の金融株決算で明暗が分かれたように、いずれのセクターでも勝ち組、負け組がはっきりと出やすく、決算ミスがあると市場が疑心暗鬼に陥りやすくなります。
ただし、FRBメンバーが積極的な利上げ見通しを示さなければ、市場は楽観視しやすい状況にあることが改めて浮き彫りとなっており、今週末に予定されている12月米PCEなど追加の経済データがこれの支援材料となるかが注目されるでしょう。
債券市場ではFRBメンバーが次回2月FOMCの利上げ幅は0.25%が適切というハト派的な発言の後でも米金利が上昇しており、適正な金利水準を手探りしています。ただ政策金利よりもだいぶ低い水準にあることは確かで、FOMC前後の米経済指標で将来のインフレ見通しをふまえて実質金利が低下なら株高、逆に上昇なら株安といったマクロ動向がカギとなるでしょう。
【日本株投資戦略】
戻りが鈍い日経平均は27,000円の節目を突破できるか、日本企業の決算重点確認ポイント
今週の日本株は12月の日銀ショック前の水準を回復できるかが焦点となってきます。主要3指数の中ではTOPIX、マザーズが目前に迫っていますが、日経平均はまだ少し距離があります。ちょうど景気循環線の200日移動平均線と同水準に当たりますので、これを上回れるか押し返されるかで市場の強弱感がはっきりと分かれてくることになります。
今週からはいよいよ通常国会も始まり、期待というより政局の乱れで市場としてはノイズが増える懸念となる一方、来週以降の日本企業決算が本格化する前段階として日本電産(6594)の決算発表が24日に行われる予定となっています。
日本電産の今期想定為替レートは110円を据え置いてきましたので、10-12月期の為替円高影響も皆無とまではいきませんが業績下振れ懸念は限定的です。とすれば実力ベースでの実績で自動車やエレクトロニクス、中国ビジネスの実態を推し量ることができる貴重な判断材料となります。
TOPIXはすでに200日移動平均線を突破してきていますので戻りをどこまで試せるかといった状況ですが、問題は戻りが鈍い日経平均の方です。おそらくは週末の米国株高をうけて連れ高が期待できるとしても27,000円の節目の攻防が見どころになってくるはずです。ただ、ここで上値を取りにいけないようだと今度は2月相場に影響が出てしまうため注意が必要です。
ひとまず日銀が緩和策の現状維持を押し通した以上、米国のように金融政策にらみの債券市場の攻防は一旦落ち着くとして、日本株それ自体の動向では日本企業の決算発表が戻り相場の腰を折ってしまうことも考えられます。
とくに前回の中間決算では為替円安を理由に業績上方修正の要因としながら、期末の想定為替レートを大きく引き上げてしまっており、今回は逆に決算ハードルが高くなって決算ミスにつながりやすくなっていることが懸念材料となります。最終的には中国の経済再開で帳尻が合うようになるかもしれませんが、10-12月期においては12月以降の中国ゼロコロナ政策中止の好影響はほとんど恩恵が無いはずです。
よって、結局のところ為替影響を除く実力ベースでの収益向上が確認できる必要があり、サプライズ決算で上昇する株としては前回11月よりも割合が減少します。その代わり、値上げ浸透で数量が落ちても単価が上がって利益率は改善している企業などは増加していることが見込まれます。注目は四半期売上高が横ばいであっても利益が大きく伸びている企業などで、インフレを消費者に価格転嫁できる企業などは今期だけでなく来期以降も業績の改善期待で株価上昇が継続しやすいとみています。
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