【1/12日本市場の確認ポイント】
日経平均 26449.82(+0.01%)[26,381~26,547]
TOPIX 1908.18(+0.36%)[1,899~1,910]
マザーズ 743.89(▲0.53%)[741~752]
値上がりセクターTOP5
1.銀行(+4.26%)
2.非鉄金属(+2.02%)
3.保険(+1.64%)
4.鉱業(+1.43%)
5.鉄鋼(+1.60%)
値下がりセクターTOP5
1.不動産(▲1.53%)
2.繊維(▲1.46%)
3.その他製品(▲1.26%)
4.陸運(▲0.98%)
5.倉庫・運輸(▲0.88%)
日本株は米経済指標待ちでもみ合い、日経平均は前日比ほぼ変わらずの水準を一進一退の展開でマザーズは高寄り後のカブセ足で反落。米国株は12月米CPIの鈍化期待から上昇したものの日本株の戻りは依然として鈍いことを物語っています。
そんな中で米金利低下の一服をうけた銀行・保険株が見直し買いを誘って一斉高のほか、金属市況の好転を手がかりとした非鉄金属や鉄鋼セクターが堅調な動き。反対に軟調だったのは日本の長期金利が日銀のYCC上限に張り付く動きを嫌気した不動産株です。また、インバウンド関連の化粧品株や百貨店株、鉄道株なども強めの売りに押される展開。
やや気になるのは小気味よく戻りを試してきた新興市場の動向です。12月のIPOラッシュが一巡して既存の主力どころが堅調な動きを示してきた中で急ブレーキ。それほど売り圧力は顕在化していないものの、チャートでのカブセ足は相場反転のシグナルとなりかねないだけに要注視。反対にこのカブセを上抜けてくるともう一段高を示唆することから、今後のリスクマネーの動きを探る上でも重要と言えます。
【米国株概況】
事前予想どおりの米CPI確認で安心感、米金利低下で為替ドル安に拍車、原油や金などドル建て資産価格が上昇
NYダウ 34189.97(+0.64%)[33,792~34,292]
S&P500 3983.17(+0.34%)[3,937~3,997]
NASDAQ 11001.10(+0.63%)[10,797~11,027]
ダウ輸送株 14403.2(+0.69%)[14,211~14,426]
半導体SOX 2789.7(+1.24%)[2,714~2,807]
日経平均先物(CME) 26,195(▲0.66%)[25,930~26,525]
ドル/円 128.89~132.49(高値151.93:10/21、安値128.89:1/3)【安値更新】
日10年債利回り 0.507%(高値0.516%:1/12、安値0.131%:3/6)【高値更新】
米10年債利回り 3.444%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 78.26(高値123.68:6/14、安値70.25:12/12)
金先物 1900.20(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 4.1730(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)18.83(高値37.79:2/24)
SKEW指数 117.39(安値110.34:11/3)
Fear&Greed指数 57(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)76.64(安値70.30:10/13)
米国市場は市場注目度が高い12月米CPI(消費者物価指数)発表をうけながら売り買いが交錯、市場参加者が駆け引きするのは足元のインフレ動向を確認しつつ米FRB当局の出方で、今回の結果は市場予想どおりということで安心感を示しました。
事前の段階から米CPI鈍化期待を織り込むような動きで米国株は上昇しており、一旦の材料出尽くしも懸念されましたが、寄付き後の急落から持ち直して主要3指数はそろって続伸となりました。米FRB当局はターミナルレートの5%超を主張する姿勢は変わっていないものの、債券市場では米CPI鈍化をうけて利上げペース鈍化に向けた動きを加速、米金利は軒並み低下しました。
為替市場では12日の日中時点からドル安円高への動きが進んでいましたが、日銀が来週に控える次回会合で大規模な金融緩和策に伴う副作用に関し政策点検するとの報道から一気に加速、さらに12月米CPI後の米金利低下をうけてドル円は一時128円台をつけて半年ぶりの安値をつけました。
足元の実体経済ではインフレ鈍化を示すデータ推移が確認された一方、米ドル安をうけて商品市況は強含み、久しぶりに1900ドル台に達した金(ゴールド)をはじめ原油や非鉄金属などがそろって堅調。とりわけ銅やアルミ、亜鉛といった産業用金属が上昇傾向にあります。
昨晩の米国株における物色の中身としてはエネルギー株が上昇セクタートップで、公益、生活必需品などが軟調、景気敏感株買いのディフェンシブ株売りという構図。米金利低下からナスダックも上昇という中で上昇が目立ったのはエヌビディアやAMDなどの半導体関連株で、これら米国の製造業にとってドル安は恩恵を受けることになります。
市場では日米の金融政策や米経済統計などを手がかりにドル安円高の方向性を見定めているとみられますが、昨年とは一点して米ドル高で傷んだ米国内の製造業立て直しを図るためにバイデン米政権が本格的にドル安政策へと転換してくるかどうかが注目。経済指標でインフレピークアウト感を強めれば、なおさらドル高政策を続ける理由も薄れてくることでしょう。
【日本株投資戦略】
◎再び直面する為替円高と株価をめぐる相関関係、日本再興に欠かせない「円高=株高」の市場ロジック
日本株は昨晩の米国株高をうけても為替の円高が重しとなるかに注目です。夜間の日経先物では一時26,000円を割り込んで▲500円近い急落となりましたが、米国株の戻りとともに下げ幅を縮小して戻ってきています。米国株とは違って半値戻しがやっとの状態で判断が難しい局面かもしれませんが、今年の日本株のゆくえを占う上でも足元の動きはとても重要と言えます。
以前から日本株の今後において為替と株価の関係性が重要になることを繰り返し述べてきましたが、この為替円高とどう付き合っていくかが日本の株価上昇におけるカギを握っています。日増しに日銀の政策変更が取り沙汰されるようになる中、為替円高によって生じる輸入物価の下落、それが日本経済の再興につながることだと市場が認識を修正する必要があるのです。
来週に予定されている日銀金融政策決定会合を前に為替相場が円高に振れてきたのは、【米国株概況】でも取り上げた日銀により大規模な金融緩和策に伴う副作用に関し政策点検するとの観測報道からですが、これは遅かれ早かれ起こり得たことです。
焦点はこの為替円高をうけて日本株がむしろ上昇材料として昇華できるかどうかにかかっています。この「円高=株安」と長年に渡って刷り込まれてきた市場認識を「円高=株高」という発想の転換を促すことが大事で、とりわけ海外勢にとってはドル建て日経平均のパフォーマンスに大きく直結してくることになります。
日本人の投資感覚として長年染みついてきた「円高=株安」の認識を修正するのは難しいと思われる反面、足元における株価動向をみておく上ではソニー(6758)など円高抵抗力がある代表株の動きを注視しておくことが良い教科書となるでしょう。そうした意味でも本日の個別銘柄の動向は今後の明暗を探る上でとても重要な試金石となってくるはずです。
くしくも日米ともに企業の決算シーズンに突入してくるタイミングを迎えているわけですが、足元の円高深耕をうけて企業業績にはプラスのところとマイナスのところの影響を見極めなくてはならなくなるでしょう。とくに前回の中間時点で為替の円安だけを理由に業績上方修正を行った企業などは見直しを迫られることになります。また、同時に想定為替レートの変更などを行っているところなども気をつけなければならない投資先になってくるかと思います。
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