【12/30日本市場の確認ポイント】
日経平均 26094.50(+0.00%)[26,067~26,321]
TOPIX   1891.71(▲0.19%)[1,891~1,906]
マザーズ 730.41(+1.32%)[727~734]

値上がりセクターTOP5
1.海運(+1.23%)
2.銀行(+0.59%)
3.小売(+0.44%)
4.ガラス・土石(+0.34%)
5.保険(+0.32%)

値下がりセクターTOP5
1.鉱業(▲1.33%)
2.石油・石炭(▲1.02%)
3.食料品(▲0.93%)
4.その他製品(▲0.79%)
5.水産・農林(▲0.62%)

 2022年大納会の日本株は寄付が天井となり上げ幅を消失、日経平均・TOPIXはいずれもマイナス圏に沈む場面を見せるなど後味の悪い年末相場となりました。一方でマザーズは続伸となり、12/20日銀サプライズ以来の戻り高値をマークしています。

 市場から嫌われている岸田首相が大納会に出席するとあって、事前から警戒ムードが高まった大納会。岸田首相が証券取引所に登場し、いよいよ挨拶かという時点から引けにかけて急速に売りが広がる。。。まさに岸田ショック再来のギャグみたいな展開になりました。

 実際のところは東京エレクトロン(8035)やソフトバンクG(9984)が弱含んだ影響で日経平均は上げ幅を消失したわけなのですが、前日の29日はファーストリテイリング(9983)がその役割を演じており、市場の商いが薄ければ値がさ主力株の動向で指数は上下に振らされるのは仕方のない事。ただ、それ以外の銘柄やセクターで下値警戒があるわけでなく、単に指数が2022年相場における安値圏で下値固めしている状況とみてよいでしょう。

【米国株概況】
テスラ、アップルと米国グロース株バブルの象徴が撃沈、一方でバリュー株が下支えし全体での底堅さ演出も

NYダウ 33136.37(▲0.03%)[32,850~33,387]
S&P500 3824.14(▲0.40%)[3,794~3,878]
NASDAQ 10386.98(▲0.76%)[10,309~10,613]
ダウ輸送株 13398.0(+0.05%)[13,256~13,496]
半導体SOX 2501.0(▲1.23%)[2,489~2,574]
日経平均先物(CME) 25,780(▲0.81%)[25,565~25,940]
ドル/円 129.77~131.37(高値151.93:10/21、安値129.77:1/3)
日10年債利回り 0.408%(高値0.470%:12/20、安値0.131%:3/6)
米10年債利回り 3.752%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 77.21(高値123.68:6/14、安値70.25:12/12)
金先物 1845.50(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 3.7690(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)22.90(高値37.79:2/24)
SKEW指数 112.74(安値110.34:11/3)
Fear&Greed指数 36(FEAR:恐怖)
High Yield Bond (HYG)73.77(安値70.30:10/13)

 新年最初の立会となった3日の米国市場はアジア、欧州時間の株高をうけて上昇スタートしたものの、中国コロナ政策の変化と前後してネガティブ材料が相次ぐテスラやアップルなどが派手に売られて投資家心理を冷やしました。

 テスラは第4四半期の出荷台数が予想を下回ったとして▲12.2%、アップルは需要低下を反映したiPhone生産の縮小が伝わり▲3.7%と急落、とりわけナスダックやS&P500への影響が大きい2銘柄の大幅安によってその他銘柄の健闘空しい結果となりました。見方を変えれば一部銘柄の異常安に引っ張られただけとも言えます。

 また、年明けの債券市場では米長期金利が低下、それに伴い為替市場でも米ドル安が進展しドルインデックスは103.5まで落ち込んでおり、本来のリスク回避時の資金移動を象徴する動きがみられています。これだけで安全資産としての米ドル買いというフローが変わったとは言えませんが、商品市場でも原油安および金買いとリスク回避の特徴的な動きがみられています。

 しかし、それでも米国株はバリュー株を中心に反発している銘柄が多く、ハイテクグロースやエネルギー株の下落を相殺したことから、下げ渋っているというのも事実です。相場の下値波乱というだけでは説明がつけづらいかと思いますが、NYダウは昨年末終値より上下に300ドル程度を振幅して、結果往って来いになっているだけです。

 どうしても話題株の激しい値動きに目を奪われてしまいがちですが、市場全体の動きとしては下げ止まってきた、これはつまり米企業のバリュエーション修正におけるファンドリバランスも進み、全体で均衡してきたということです。ということは、株価が今後アク抜けするために必要なのは値幅というより日柄調整が必要という方が適切かもしれません。

 もちろんまだ下値拡大の警戒感は拭えませんが、米国バブルの象徴的な銘柄群が下落トレンドの最終局面に差し掛かってきたとみられ、あとは最後のセリングクライマックス(市場暴落時に下値圏で出来高が膨らむ状況)の瞬間を迎えれば分かりやすく底入れのサインになることでしょう。

【日本株投資戦略】
2023年大発会は正月初売りの如く大バーゲンスタート、為替の円高深耕と日経平均50,000円の実現性

 昨年末に東京証券取引所に登場し大納会に波乱を呼び込んだ岸田首相、2023年は資産所得倍増プラン元年にすると気勢よく挨拶をして迎えた本日の大発会。前場終了の段階では日経平均が26,000円を割り込んで昨年10/3以来の安値圏に沈み込んでのスタートとなっています。

◆資産所得倍増「2023年は元年」 岸田首相が大納会出席(2022/12/30)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA28AR60Y2A221C2000000/

 たしかにこれから投資を始めようとする方にとってみれば、発射台は低い方が後々良いに決まっています。政治の都合を考えたらこの1月が2023年の安値を記録して、資産所得倍増を実現できたら「キシダノミクス」すごいという市場評価を勝ち取れるかもしれないですね。

 日本人が長年の「貯蓄から投資へ」という政府掛け声にもなかなか応じてこなかったのは、実際に株価がみるみる上がっていく様子を目の当たりにしたり、日本経済の成長を実感するに乏しかったからではないでしょうか。

 だから米国株、米国経済のように右肩上がりの成長軌道が輝かしく見えて、実際に米国株投資ブームが起こったのだと推察されます。であれば、日本株も同じように右肩上がりの成長軌道を描ければ腰の重かった日本人も市場参加して日本株投資ブームが起こるとしても不思議ではありません。その時は為替も当然ながら円高が一段と進行し、日本株だけでなく日本円ブームも同時に起こっているはずです。

 おそらくそうした現象を目の当たりにするのは、日経平均が3万円台を軽々と回復し、平成バブル時の史上最高値を更新して4万円台を記録する頃になってようやく新聞1面の見出しを飾り、書店の1番目立つ所に平積みになるなどしてからでしょう。

 そんな夢のような話が現実的に起こるとすれば、この2023年しかありません。実際には2022年でも無駄にウクライナ騒動やコロナ騒動を長引かせることがなければ、日銀の政策修正と同時に実現可能だったかと思われますが、とにかく岸田首相は検討に検討を重ねて時機を見計らっておくことしかできませんでした。

 いや、実際は何もさせてもらえなかったというのが真相かと思いますが、今年こそは何事も先送りせずに政策を実行に移す年にしてもらいたいところです。無理に押し止められてきたヒト・モノ・カネが動きだせば、先ほどの夢のような話が現実になることも十分にあり得ることでしょう。その時、日経平均は40,000円なのか、あるいは50,000円までの倍増も実現するのか、これを見届けるには今の25,000円台を買い場とみれる投資家でなければなりません。

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