【5/13日本市場の確認ポイント】
日経平均 26427.65(+2.64%)[25,904~26,479]
TOPIX 1864.20(+1.91%)[1,835~1,868]
マザーズ 648.65(+4.51%)[627~651]
値上がりセクターTOP5
1.石油・石炭(+5.46%)
2.精密機器(+5.10%)
3.金属製品(+3.64%)
4.電気機器(+3.17%)
5.情報・通信(+2.89%)
値下がりセクターTOP5
1.紙・パルプ(▲3.73%)
2.鉱業(▲0.24%)
3.電気・ガス(▲0.09%)
4.なし
5.なし
13日の日本市場は米国株の自律反発を先回りする形でショートカバーが発生し、大きく売り込まれてきたグロース株を中心に買戻し主導で大幅反発。陰極まった値がさグロース株が買い戻されて、ソフトバンクG(9984)の12%高や決算発表が好感された東京エレクトロン(8035)の5.5%高などで日経平均の上げ幅は一時700円を超えました。
他にもファーストリテイリング(9983)やリクルート(6098)など日経平均寄与度の上位10社だけで500円弱の押し上げ効果があり、前週終値の27,000円付近からは2/3値戻しのレベルを回復しました。一方のTOPIXも同率近い戻りを達成しており、自律反発が顕著なのは値がさグロース株に限った話ではありません。
主力株の決算材料が一巡してきた中で、週明けには新興株も決算が出揃ってきます。新興のマザーズ指数は4.5%高と大きく反発しましたが、前週末からは半値戻しのレベルです。ここまで極端に売り込まれてきたことを考えますと戻り余地は大きいはずですが、足元で起きたショートカバーから買い方が優勢となる時間帯がいつまで続くかが焦点になりそうです。
【米国株概況】
日本株に続き米国株でもショートスクイーズ発生、リスク指標のF&G指数が正常レベルを回復するまで反発を続けられるかが焦点
NYダウ 31963.86(+1.47%)[31,862~32,276]
S&P500 4023.89(+2.39%)[3,963~4,038]
NASDAQ 11805.00(+3.82%)[11,510~11,856]
ダウ輸送株 14456.4(+0.95%)[14,359~14,696]
半導体SOX 2970.4(+5.06%)[2,863~2,988]
日経平均先物(CME) 26,675(+1.08%)[25,730~26,685]
ドル/円 128.33~129.44
米10年債利回り 2.928%(高値3.203%:5/9、安値1.668%:3/7)
WTI原油 110.49(高値130.50:3/7、安値93.53:3/15)【7月限に更新:108.30】
金先物 1808.20(高値2,078:3/8)
銅先物 4.1750(高値5.0395:3/7、安値4.0370:5/12)
恐怖指数(VIX)28.87(高値37.79:2/24)
Fear&Greed指数 12(EXTREME FEAR:極めて強い恐怖)
High Yield Bond (HYG)76.81(安値76.41:5/12)
13日の米国市場はNYダウが7日ぶりに反発し、日本株同様に足元で大きく下落したハイテクグロース株を中心に買い戻される動きになりました。ハイテク株中心のナスダックは3.8%高、半導体SOX指数は5.0%高と急騰を見せ、S&P500の全11セクターが上昇する全面高商状でした。
パウエル米FRB議長が予定通りの利上げが実施できない可能性に言及したことがきっかけとなり、積極的な金融引き締めに対する過度な警戒感が和らいだという側面もありながら、4月の輸入物価が石油価格の低下と食料品やその他製品の価格上昇が相殺されて前月比横ばいとなったことをうけて、前のCPI・PPIも上昇が鈍化しているとの見方も可能と、インフレのピークアウトを期待しての結果に置き換えられた模様です。
ただし、米クリーブランド地区連銀のメスター総裁はインフレがピークに達したと確実に判断するには「数カ月間」低下を確認する必要があると言及し、市場が都合よく解釈して性急に判断することを牽制している側面もあるようです。
株式市場の全面高をうけてリスクオンムードが広がる中、債券市場でも10年債利回りが低下して2.8%台から反発に転じ、短中期債とのスプレッドも若干拡大に向かいました。リスク指標もVIX指数が5/4以来7営業日ぶりに30ポイント台を下回り28ポイント台へ、Fear&Greed指数も前日の6ポイントから12ポイントに上昇しました。ただし、依然としてEXTREME FEARの領域に留まっており、市場底入れならば戻り余地が大きいことを示しますが、まだ非常警戒レベルにあることを物語っているとも言えます。
前回の解説したとおり、ここで投機売りポジションが巻き戻されてショートスクイーズが発生した形になりましたが、次はここから値戻しレベルでどの水準が戻り高値となるかが焦点になります。足元で年初来安値を更新した際にはセリング・クライマックスのような動きは確認されておらず、自然体での下落トレンドは継続したままとなっています。
繰り返し述べてきたように、インフレや金融当局の引き締め策に根本的な解決が図られなければ、単なるショートスクイーズに留まるものとみられ、反発は長続きしないでしょう。NYダウが33,000ドル台を回復するのが精一杯となるようだと、6月FOMCに向かっては再び下落圧力が強まるものとみておく必要があります。
【日本株投資戦略】
予想どおりにショートスクイーズが発生、反発の時間帯は米国次第だが極めて短期間となる見込み
日本株は企業決算スケジュールが一巡となる中、週前半はまだ材料消化の時間帯と見られます。ただし、週後半からはいよいよ手がかり難となり、外部環境に振らされやすくなるほか、足元での反発で戻りの上値を試した後で利益確定売りが出やすくなってきます。
決算材料と同様に自律反発もまず3日、長くても7日で二次反応が上下どちらに出るかが重要になってきます。したがって、スタンダード会員以上の方であればすでにお伝えしてきたことですが、重要な日柄として18日を境に局面がまた目まぐるしく変化するのかが焦点となっていきそうです。
前回もこちらで指摘したように、目先の反発ラリーは長く見込めても今週後半から来週にかけての瞬間的なものになる可能性が高いと言えます。あくまでも私見にすぎないものですが、極めて重要なのは来週のバイデン米大統領の訪日と最近全く話題に上がってきていない世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)の開催日程です。先月、このクラウス・シュワブ会長が来日して岸田総理と面会を果たしましたが、グローバル・アジェンダの最終確認であったとすれば、ここから世界情勢は一段と揺り動かされることになるかもしれません。
市場の値動きだけに着目すれば、やはり目先の反発がチャート上での“ダマシ”を作ってくるかが見どころであると前回も述べました。それをもとに売買戦略を考えると市場に対しての逆張りで上昇したら売り、下落したら買いとなりますが、中長期の下落トレンドを否定していない以上はこの先の下落したら買いは厳に慎まなくてはなりません。
足元でおそらく売り方はそれなりに売りポジションを解消して利食いした可能性がありますが、テクニカルリバウンドで買い方を誘い込んだ後には再び売り直してくる危険があるということです。次回6月FOMC(6/14~6/15)まではちょうど1か月近くありますので、一息入れて踊り場を形成した後に今度は押し目買いをした買い方に投げ売りさせることを狙ってくるでしょう。
日経平均・TOPIXにおけるそれぞれ25日・50日・75日の移動平均線の節目を意識しながら、戻りの値幅、戻りの期間、そして出来高水準を注意深く監視し、直近での押し目買い、急落時に買い向かったポジションは手堅く利益確定させていくようにしてください。また、同様にそれ以前からの保有株に対してもある程度保有株数を圧縮させるなど、反発ラリーを戻り売りする機会として有効に活用していくとよいでしょう。
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