【4/14日本市場の確認ポイント】
日経平均 27172.00(+1.22%)[26,890~27,200]
TOPIX 1908.05(+0.95%)[1,892~1,908]
マザーズ 782.24(▲0.43%)[773~797]
値上がりセクターTOP5
1.空運(+4.15%)
2.鉱業(+3.78%)
3.海運(+3.11%)
4.非鉄金属(+2.88%)
5.陸運(+2.21%)
値下がりセクターTOP5
1.農林・水産(▲0.24%)
2.サービス(▲0.20%)
3.なし
4.なし
5.なし
14日の日本市場は前日に続く大幅高で日経平均は27,000円台を回復、2日連続でのほぼ全面高商状となりました。25日移動平均線を再び上回ったことに加えて、騰落レシオ(25日)も昨年9月以来の120ポイント台をつけました。
主要株価指数の水準ではそれほど上昇しているように見えませんが、テーマ的にウクライナ関連やメタバース関連、次世代ネットワーク関連等に物色が極端に偏っており、新高値を更新してくる銘柄の顔ぶれから指数寄与度がさほどでもない面々が連なっています。
また、2月・3月で安値をつけた新興市場のマザーズは底値反転から13週移動平均線を上回ってきており、主力銘柄同様にテーマ性から物色されて値を飛ばす銘柄が散見されるようになっています。人工知能やサイバーセキュリティ、メタバースといった新テクノロジー銘柄がリスクマネーを呼び込んでいます。
【米国株概況】
米株は週間でほぼ往って来いの動き、金融大手を皮切りに決算シーズンがスタート、欧米の現政権存立に暗雲も
NYダウ 34451.23(▲0.33%)[34,437~34,889]
S&P500 4392.59(▲1.21%)[4,390~4,460]
NASDAQ 13351.08(▲0.15%)[13,345~13,662]
ダウ輸送株 14844.1(▲0.01%)[14,755~14,951]
半導体SOX 3028.2(▲2.92%)[3,026~3,132]
日経平均先物(CME) 26,915(▲1.01%)[26,860~27,315]
ドル/円 125.09~125.98
米10年債利回り 2.828%(高値2.836%:4/12、安値1.668%:3/7)
WTI原油 106.51(高値130.50:3/7、安値92.93:4/11)
金先物 1972.50(高値2,078:3/8)
銅先物 4.7205(高値5.0395:3/7)
恐怖指数(VIX)21.82(37.79:2/24)
Fear&Greed指数 40
High Yield Bond (HYG)80.24(安値79.60:4/11)
14日の米国市場では、欧州のECB理事会を終えたラガルド総裁発言からECBは米FRBによる積極的な金融引き締め方針とは対照的に利上げを急がないとの見方が広がり、為替市場でユーロ/ドルが2020年以来の安値をつけたほか、債券市場において上昇一服していた米金利が再び急伸したことにより株式市場も軟調に推移しました。
米国では15日からイースター(復活祭)休暇で3連休を迎えるにあたり、NYダウは朝方高く始まったものの終日にわたって売りに押される展開となりました。決算シーズン入りした米国株は金融株が先陣を切り、JPモルガン、ゴールドマンS、シティG、モルガンS、ウェルズ・ファーゴなどの大手が1Q決算を発表しています。
いずれも市場予想を上回ったもののウクライナ情勢や景気悪化懸念から引当金を積み増す必要に迫られて減益決算が目立ちました。株価反応はまちまちで、他の4行よりも前日に決算発表のJPモルガンは▲4%超売られました。企業決算はこれに限らず、1次反応だけでなく2次反応まで見極めることが重要です。
ただし、気になるニュースではこれら国際大手銀行ではロシア企業の預託証券が上場廃止となることで利益を得られる可能性があるとされ、資本を積み増す必要に迫られている中で今回の減益決算、さらに米国の対ロ制裁強化とそのロシア側対応の流れを見ましてもこれが現実のものになる可能性は大いにありそうです。
他方で、米経済指標は個人消費を映す3月小売売上高は前月比0.5%増加で、主にガソリンと食料価格の上昇に押し上げられた模様です。米国の低所得層においても支出増となっており、欧州ほどではないにせよ米国民にとってもインフレによる生活苦はじわじわと浸透してきているとみられます。
米バイデン政権はロシアによるウクライナ侵攻が一因とし、コロナパンデミックからの雇用回復や外国メーカー誘致、国内半導体生産などをアピールして自身の経済対策を必死に擁護しています。ただ、支持率は低下傾向を辿っており不支持者の割合も増加しているのが現状です。
欧州では仏大統領選のゆくえや英ジョンソン首相のパーティゲート事件で現政権に対する信認低下が著しい状況ですが、もし波乱が起こってくるようですとそもそも米国ではバイデン親子にウクライナゲートの疑惑があり、ウクライナとの癒着が取り沙汰された過去がありますので、対岸の火事では済まされなくなるでしょう。
【日本株投資戦略】
テーマ性の有無でパフォーマンスに明暗、4月後半は上昇機運が高まる中でも現金化を優先させる方針で
今週反発が期待される日本株も米国株同様に週間でようやく往って来いの動きですが、この2日間の連騰で日経27,000円台を一気に回復して25日移動平均線を奪回、ただしTOPIXはやや戻りが鈍く25日移動平均線には届いていません。上述したとおり、指数寄与度や時価総額の大きい銘柄よりも一部のテーマ性を帯びた株が好パフォーマンスを見せています。
代表的なところで石油資源関連のINPEX(1605)、グリー(3632)、ネクソン(3659)、武田(4502)、東邦チタニウム(5727)、三菱重工(7011)、NTT(9432)、KDDI(9433)、東京電力(9501)、コナミ(9766)といった内需・ディフェンシブ系が多くを占めていることが分かります。
日経平均はファーストリテイリング(9983)や東京エレクトロン(8035)など指数寄与度が大きい銘柄が足元で切り返してきていますが、TOPIXが上昇する上では時価総額上位のトヨタ(7203)やソニー(6758)などに加えて全体底上げの機運が高まってくる必要があります。為替は円安基調が鮮明である中、外需銘柄の不振が足を引っ張っています。
米金利上昇がグロース株の戻りを遮っている側面はありますが、ソフトバンクG(9984)や任天堂(7974)などが奮闘しており、個別株の選別色が強まっているのが現状です。パフォーマンスで劣後している銘柄は全体の上値が重くなれば、需給面から余計に売られやすいですので、戻り売りを優先させるべきかと思います。
米国で決算シーズン入りしてきたことにより日本株もより一層決算を意識した売買が行われるようになってきます。来週でもう一段高の場面が訪れるようであれば、決算前のポジション整理を重点的に行っていくようにした方がよいでしょう。
前回指摘したように原油市場と株式市場の相関が高まっていることから、リスクマネーはまだ活発に動いているとみられます。市場の流動性があるうちは高値を掴んでしまっても逃げられるチャンスが巡ってくることもありますが、商いが減少してくると下げ局面で逃げ遅れる可能性が高くなります。4月後半はゴールデンウィークの大型連休前に差し掛かってきますので、無理せずに現金:株式の比率を意識して現金比率を高めていくように心がけましょう。
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