【3/17日本市場の確認ポイント】
日経平均 26652.89(+3.46%)[26,152~26,702]
TOPIX   1899.01(+2.47%)[1,879~1,902]
東証2部  7137.05(+1.21%)[7,092~7,146]
JASDAQ   3576.96(+1.20%)[3,550~3,577]
マザーズ 714.24(+4.72%)[693~718]

値上がりセクターTOP5
1.精密機器(+5.08%)
2.機械(+4.72%)
3.電気機器(+3.83%)
4.化学(+3.18%)
5.ガラス・土石(+3.07%)

値下がりセクターTOP5
1.なし
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし

 17日の日本市場は全面高商状となり東証1部の騰落銘柄数は値上がり1872/値下がり250で圧倒的な買い優勢、前日の中国株急伸に加えて欧米株高の流れから3日続伸となりました。日経平均は2/10以来の25日移動平均線上抜け、売買代金も増加傾向にあってトレンド転換の期待を大きくさせました。

 上昇をけん引したのは足元で売り叩かれていたグロース株を筆頭に、日経寄与度の大きい値がさ株がそろって大幅反発。バリュー系も為替円安を追い風にした自動車株、エレクトロニクス株が続伸、米金利上昇を手がかりに銀行株など時価総額の大きい銘柄群も再浮上してTOPIXも1900ポイントの節目を回復する動きをみせました。

 米FOMC通過と中国の景気刺激策をきっかけに買い安心感が生まれたほか、足元での原油安とウクライナ情勢の緊張緩和で売り方も買戻しを急ぐショートスクイーズ発生の動きも加わりました。ただし、本日のところでは再び原油高、ウクライナ停戦協議の進展状況にやや懐疑的な見方が浮上するなどしており、上昇の勢いに急ブレーキがかかるかもしれません。

【米国株概況】
米FOMC材料消化で一段高、リスク指標改善と相まって投資家の押し目買い意欲高まる

NYダウ 34480.76(+1.23%)[33,896~34,483]
S&P500  4411.67(+1.23%)[4,335~4,412]
NASDAQ 13614.78(+1.33%)[13,317~13,620]
ダウ輸送株 16583.4(+1.28%)[16,171~16,595]
半導体SOX 3364.5(+0.73%)[3,280~3,364]
日経平均先物(CME) 26,430(+2.05%)[26,040~26,540]
ドル/円 118.37~119.02
米10年債利回り 2.178%(高値2.246%:3/16、安値1.668%:3/7)
WTI原油 103.52(高値130.50:3/7、安値93.53:3/15)
金先物 1943.10(高値2,078:3/8)
銅先物 4.6965(高値5.0395:3/7)
恐怖指数(VIX)25.67(37.79:2/24)
Fear&Greed指数 26
High Yield Bond (HYG)82.26(安値79.97:3/14)

 17日の米国市場では主要株式指数が軒並み続伸となる中、為替市場では米FOMC後の材料消化でドル高が一服、債券市場も短期債と長期債の利回り格差が一時逆イールドが発生するなどしておりイールドカーブのフラット化が進みました。

 株式市場はリスク選好地合いが継続し、この足元3日間でグロース・バリュー株問わず満遍なく上昇したとみられるほか、リスク指標もVIX指数が30ポイント割れから一段と低下して25ポイント台、F&G指数も25ポイントを超えて過度な警戒感はやや緩和し、ハイイールド債市場も反発を強めてきています。まだまだ警戒レベルの域を脱してはいないものの、目先の反発期待を高めるのに一役買っている状況と言えます。

 今晩は前回も指摘した通り、もう一つの市場イベントで米国版メジャーSQであるクアドラプルウィッチングがあり、先物・オプションの清算があります。これを通過して需給が整理されると目先の懸案はウクライナ情勢および対ロシア制裁による国際貿易ルールの不透明感に絞られることとなります。ウクライナ勢は停戦交渉でロシア側の譲歩案は到底受け入れられないと徹底抗戦の構えを貫いていますので、ロシア勢が首都キエフ陥落に向けて一段と踏み込む動きが出てくるかが焦点となりそうです。

 債券市場における逆イールド発生も今後これが常態化してくるようだと深刻なリスクとして意識されるようになってくるかもしれませんが、今のところは一時的な状況と言える範囲で市場は落ち着いており、ウクライナ危機をめぐる懸念の方が市場の変動要因としては比重が大きいように思います。

 米FOMC材料を織り込む形で、足元では利上げ幅が事前予想通りの25bpと小幅にとどまったことを好感する動きが強まりやすいといえ、異次元の金融緩和継続の効果が米国株高の総仕上げを演出することになるでしょう。

【日本株投資戦略】
ウクライナ停戦期待、米FOMC通過で警戒感が後退して急反発、週末3連休を控えて一旦利益確定売りが無難

 世界各国がロシア-ウクライナ間の停戦を呼び掛ける中、協議に一定の進展がみられたことや米国のFOMCイベントを無事通過、中国の景気下支え策に加え、原油や金属資源などの価格高騰が一旦落ち着いたことなど市場の警戒感を押し退ける好材料が重なる形で株式市場は急反発をみせました。

 複合的なリスクが覆っている足元の資本市場において、懸念されている要因が一斉に改善の兆しをみせたことで反発地合いに傾いた時の上げ幅が非常に大きくなっているのが印象的です。ひとまずリスクオンで短期的なトレンドは下落から上昇に転換が期待できる状況と言えます。

 直近で再び原油価格が上昇に転じており、インフレ懸念を再燃させる可能性があるものの各国の金融政策イベント通過によるインフレ適応トレード再開という側面が大きいとみられます。あるいは地政学リスク再燃もこれに加わるようだと直近高安の半値戻しもしくは61.8%戻しなどもあるかもしれません。株式市場にとっては過度な金融引き締め懸念は一旦去った形ですので、リスク感応度の高い原油高はかえって追い風とみなされる可能性が高いでしょう。

 本日は3連休を控えた週末ということもあり手仕舞い売りに加えて昨日の大幅高の反動安といったところも想定しておく必要があります。他方で、四季報最新刊の発売日ということもあり本日と連休明けは四季報相場の色合いが濃く出るかもしれません。ただし、四季報相場が続くのは2、3日程度でしょう。買い一巡後は元々先回りして仕込んできた投資家が売り抜けを狙ってくるタイミングでもありますので、これから四季報を見て売買しようと考えている投資家の方は利益確定売り後の押し目買いに徹していく方が無難と言えます。

 前回の解説からすでに買い仕込みを終えている投資家の方は今回3連休の前後でポジションの半分もしくは3分の1程度ずつ利益確定を済ませ、来週に突発的な急落場面が訪れた際にも余裕を持って買い向かえる態勢を整えておくのがよいと考えています。

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