【2/9日本市場の確認ポイント】
日経平均 27284.52(+0.13%)[27,280~27,461]
TOPIX 1934.06(+0.42%)[1,930~1,942]
東証2部 7200.06(▲0.32%)[7,200~7,239]
JASDAQ 3643.64(▲0.08%)[3,638~3,654]
マザーズ 738.47(▲1.82%)[736~760]
値上がりセクターTOP5
1.精密機器(+3.51%)
2.鉄鋼(+3.41%)
3.ガラス・土石(+3.21%)
4.金属製品(+2.01%)
5.輸送用機器(+1.75%)
値下がりセクターTOP5
1.鉱業(▲2.36%)
2.石油・石炭(▲1.97%)
3.食料品(▲0.74%)
4.医薬品(▲0.66%)
5.建設(▲0.40%)
9日の日本市場はソフトバンクG(9984)の決算悪材料出尽くしで反発の流れを交換してグロース株が軒並み自律反発、売り込まれていたリクルート(6098)や直近急落のオリンパス(7733)などもリバウンドし、日経平均の押し上げ役となりました。
さらにバリュー株もIHI(7013)が決算好感に2ケタ上昇はじめ、AGC(5201)、JFE(5411)、東海カーボン(5301)なども決算手がかりに大幅反発となりました。セクター別には値上がりトップの精密機器を除けばバリュー系の多い業種が上位を占めるなど、一部を除いて幅広く買われました。
新興市場のマザーズもこの日は+2.5%の反発で、これまでの流れを変えるまでにはいたらなくともチャート上ではダブルボトム形成からの自律反発を期待させる動きも見せています。2月になって今年のIPO相場も始まりましたが、この日上場したライトワークス(4267)は公募価格2,100円から3,000円で初値がつき、結局そのままストップ高まで上伸し3,700円で引けています。好地合いを追い風に新興市場参加者のリスクマネーを呼び込んだ一方、先週上場したばかりのリカバリー(9214)、セイファート(9213)は反対に売りに押されて公募価格を割り込みました。
【米国株概況】
金利高環境とグロース株反発の併存、主要株式指数はそろって25日線突破、リスク指標は低下でショートスクイーズ発生も
NYダウ 35768.06(+0.86%)[35,614~35,824]
S&P500 4587.18(+1.45%)[4,547~4,590]
NASDAQ 14490.37(+2.08%)[14,330~14,490]
ダウ輸送株 15657.9(+1.93%)[15,440~15,675]
半導体SOX 3653.7(+3.35%)[3,543~3,655]
日経平均先物(CME) 27,825(+1.00%)[27,385~27,865]
ドル/円 115.32~115.68
米10年債利回り 1.945%
WTI原油 90.00(一時93.16:2/4)
金先物 1833.45
銅先物 4.6355
恐怖指数(VIX)19.96
Fear&Greed指数 40
High Yield Bond (HYG)84.06(一時83.62:2/8)
9日の米国市場は地合い難が続いていたグロース株が息を吹き返し主要株式指数はそろって反発、ナスダックは+2%超、半導体SOX指数も+3%超の大幅反発となり、VIX指数も1/14以来の20ポイント割れとなりました。
長期金利は依然として1.9%台で高止まりが続くも一時は低下する場面をみせるなど上昇一服感が漂いました。ただ、2年債利回りは続伸しており、短期-長期債のスプレッドは一段と縮まってきています。昨日指摘した米国利上げの動向を探る上で重要視される米1月消費者物価指数(CPI)のデータに注目しており、ここで長期金利が2%台に跳ね上がるのか、2%水準に達した際の株式市場は耐えうるのかといった憶測が飛び交う中で、イベント前にポジションの巻き戻しが起こっています。
米国株はひとまずNYダウ、S&P500、ナスダックそろって25日移動平均線を突破、2/2につけた戻り高値に迫る動きで、今晩10日のCPI結果が良ければ昨日書いたショートスクイーズが発生して戻り高値を更新する可能性が高まってきました。
警戒してきたリスク指標に関してもVIX指数の20ポイント割れをはじめ、ハイイールド債市場も一旦下げ止まった模様で底割れ回避、株式市場にとっては仮に短期間であっても反騰態勢の環境が整ってきたと言えます。来週のマイナーSQに向かって米国株はCPI結果次第で週末高、さらに多少の調整をはさみながら来週末にかけてもう一段戻りを試す動きが期待できるでしょう。長期金利が2%に達するのが先か、戻り高値更新で一段高をみせるのが先かのデッドレースが繰り広げられます。
【日本株投資戦略】
3連休前の戻り高値更新、TOPIXは25日線突破で一段高へ、買いから売り転換の場を探るのは来週か
上記日本市場の確認ポイントで解説したように昨日は幅広く物色の波が広がり、日経平均・TOPIXともに戻り高値を更新。TOPIXにいたってはいち早く25日移動平均線を突破したように幅広い銘柄で強い動きが目立ちました。新興市場も反発を見せたことは投資家心理の改善につながったと言えます。
日本市場は今週末が3連休で明日の立会が無いため、せっかく米国市場が戻り高値を更新する期待が高まってきたところを休場で見守ることしかできないのは残念ですが、売り方を踏み上げさせることができれば先物市場で日経も28,000円台回復がみられるかもしれません。
足元でマスメディアの煽り姿勢とは裏腹に地政学リスクの警戒感は着実に和らいできたと言えますので、この週末から来週にかけてのところでは一旦戻り天井を見に行く場面です。しっかりと利益確定、戻り売りを行っておくに越したことはありません。
昨日の相場の中では大型優良株の動きが良好だったことに加え、新興市場の反発も目立ちました。ただし、小型株として括って見た場合には必ずしも内容の良い企業が上昇したとは言えず、中にはいわくつきの銘柄で仕手性の強いものや表現は汚いですが“ボロ株”と呼ばれるものまでどさくさに紛れて上昇してきているものも散見されます。
東証の市場再編前に相場を仕掛けて売り抜けようとする輩も多くなってくるはずですので、値動きだけにつられて安易に手を出さないように注意しましょう。こうした地合い難の時にボロ株の上昇が目立つ時というのは全体の相場が崩れる前兆でもありますので、投資初心者などはとくにリスク管理を最優先にしておかなければ泣く泣く退場の憂き目に遭います。
本日で2月限のSQ清算値を算出した後の地合いが大事ですが、おそらく来週からは外部環境が相場の中心となりますので、むしろ米国版SQのある18日が最終的な転換日となってきます。それまでの間に1月FOMC議事録公表や米国の半導体株決算などがありますので、買いポジションの整理を済ませておきながら、来週末には余裕をもってドテン売りできるような態勢を整えておくのが望ましいでしょう。
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