【2/1日本市場の確認ポイント】
日経平均 27078.34(+0.28%)[27,016~27,410]
TOPIX 1896.06(+0.01%)[1,892~1,920]
東証2部 7148.05(+0.20%)[7,141~7,212]
JASDAQ 3627.51(+0.36%)[3,620~3,653]
マザーズ 772.98(+01.95%)[767~800]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+4.25%)
2.陸運(+1.55%)
3.情報・通信(+0.75%)
4.小売(+0.63%)
5.銀行(+0.63%)
値下がりセクターTOP5
1.繊維(▲5.01%)
2.鉱業(▲3.20%)
3.ガラス・土石(▲2.00%)
4.紙・パルプ(▲1.54%)
5.非鉄金属(▲1.53%)
1日の日本市場は米国株高をうけて3日続伸、朝方には日経平均400円高まで上値を伸ばしましたが、買い一巡後は徐々に上値の重さが意識されて失速しました。東証1部の騰落銘柄数は値上がり914/値下がり1193でTOPIXも何とかプラスを確保したものの、引け味の悪さが印象に残りました。
東証一部の売買代金は3.4兆円で商いは活況となる中、決算発表翌日のレーザーテック(6920)が寄付で強烈な買い物を集めたところから急転直下の大幅安で売買代金トップ。ほかに軟調さが際立ったのが悪材料が嫌気された東レ(3402)が2ケタ下落、原油価格の続伸とは裏腹にINPEX(1605)が▲3%超の下落となりました。
一方で、業績期待を追い風に上値を伸ばしたのが海運大手3社で、いずれも3%を超える大幅高となりセクター別には連日で値上がりトップ。さらに決算関連では業績上方修正のTDK(6762)、NEC(6701)、Jパワー(9513)が2ケタ上昇、決算内容は芳しくないもののコロナ経口薬材料を一緒に発表した塩野義(4507)も寄り高ながら結果的に2ケタ上昇で引けました。
決算プレイ中心の物色でありながら投資家人気の高い半導体株や海運株が持ち直し傾向にあることは全体にとってもポジティブ。ただし、レーザーテックの値崩れに象徴されるように弱みを見せると一気に売り浴びせられるのが今の相場の怖いところです。新興市場も朝高後に急失速するなど、投資家のセンチメントはまだまだ改善したとは言い難い現状を反映しました。
【米国株概況】
主要株式指数3日続伸で出直り鮮明、ただしリスク指標はVIX低下後もなお弱気継続
NYダウ 35405.24(+0.77%)[34,977~35,441]
S&P500 4546.54(+0.68%)[4,483~4,550]
NASDAQ 14346.00(+0.74%)[14,070~14,358]
ダウ輸送株 15610.5(+2.14%)[15,450~15,745]
半導体SOX 3510.9(+0.79%)[3,422~3,515]
日経平均先物(CME) 27,165(+0.48%)[26,970~27,390]
ドル/円 114.57~115.20
米10年債利回り 1.788%
WTI原油 88.40
金先物 1801.70
銅先物 4.4370
恐怖指数(VIX)21.96
Fear&Greed指数 38
High Yield Bond (HYG)84.73
1日の米国市場は取引序盤こそ売り物に押されたものの、前日比変わらずの水準まで持ち直した後はほぼ保ち合い状態。足元の戻りが強かったハイテク株には利益確定売りが出始めた一方、戻りが鈍かった景気敏感株が出遅れ修正の動きとなりました。
NYダウはゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株をはじめボーイング、ビザなどの上昇が寄与、ほかに目立ったのは化学株のダウ・ケミカルや建機のキャタピラー、石油のシェブロンといった景気敏感株が中心でした。ただ、引けにかけて指数の上げ幅を拡大する動きに貢献したのは一部のハイテク株です。
取引終盤になって上げ幅を拡大したのは前日と似た展開ですが、この背景にはアップルが下げ幅を縮めたことや決算で大きく売られたネットフリックスが出直りの動きを強めたことなどが挙げられます。
米国株は指数だけみると強いリバウンドの動きに感じる一方、物色内容にはやや偏りがあるようです。また、直近の上昇局面においてVIX指数は一時40ポイント近い水準に達したところから21.96まで急速に低下しましたが、Fear&Greed指数は依然として36に留まっていることは気がかりです。ハイイールド債市場も戻りは鈍く、リスクマネーは足元の上昇が本物かどうかまだ半信半疑で、弱気継続といった状況が続いていると言えそうです。
前回と繰り返しになりますが、今後の金融政策を占う上で金融当局が重視している1月米雇用統計を週末に控えています。また、インフレ動向を左右する原油市場の動きは堅調そのものですが、本日のOPEC+の会合後に一段と強含むのか市場の反応が注目されます。
【日本株投資戦略】
昨日の朝高後に急失速した嫌な残像が残る不安定な戻り相場、地政学リスクは押し目買い好機だが深追いは禁物
前日の米国株が取引終盤にかけて強含む動きをみせましたが、昨日の日本株は朝方に大きく買い進まれたものの10時過ぎごろからは急速に値を消す展開となりました。本日も同様の展開となるかどうかは分かりませんが、市場のセンチメントを大きく左右する半導体株や海運株の動向には目を向けておくべきでしょう。
また、全体市場が揺れている局面で全く逆の動きをみせるのが防衛関連株の面々です。これらに物色が向かう際には否応なしに売り物が出てきますので、直近の決算などで業績が良かった優等生の企業などは地政学リスクが意識されて押し目を作る場面を狙って拾うようにするのがよいでしょう。
目下、企業決算シーズン真っ只中で全体の商いは活発化していますが、今回のリバウンド局面はそう長くは続かないことも念頭に置いておく必要があるでしょう。企業決算は再来週の14日でほぼピークアウトしますので、それまでの間に手元のポートフォリオは強いものだけ残し、今回の決算でもなお買われなかったものは優先的に整理していくようにしましょう。
決算シーズンが一巡した後はまたしても外部環境やマクロ動向に市場の焦点が移るようになります。前回11月の中間決算時期を通過した後はFOMC議事録の公表から一気に米国の金融政策で揺さぶられる展開となりましたので、今回も同様に2月後半からは警戒が必要となってきます。米国の金融政策をめぐっては本番が3月FOMCであることは間違いないですが、大方の市場予想に反してポジティブサプライズとなる見込みは無いと言えますので、選択肢がある間にポジションの整理を進めておくのがよいでしょう。
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