【1/28日本市場の確認ポイント】
日経平均 26717.34(+2.09%)[26,289~26,764]
TOPIX   1876.89(+1.87%)[1,852~1,880]
東証2部  7059.36(+0.45%)[7,020~7,068]
JASDAQ   3568.31(+0.41%)[3,543~3,571]
マザーズ  731.07(+0.39%)[719~743]

値上がりセクターTOP5
1.海運(+3.27%)
2.化学(+3.13%)
3.紙・パルプ(+2.81%)
4.輸送用機器(+2.72%)
5.鉱業(+2.71%)

値下がりセクターTOP5
1.鉄鋼(▲0.55%)
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし

 28日の日本市場は4日ぶりに反発し、前日の大幅安からの反動で自律反発の動きが強まりました。米金融政策をめぐる市場の懸念が払拭されたわけではないものの、決算シーズンが本格化してきた中で好業績銘柄を物色する動きも活発化しました。売買代金は前日に続いて3兆円超えとなり、一方向的な株価下落に対する警戒感はひとまず和らいだと言えます。

 値上がり銘柄には決算好感で信越化学(4063)が7.6%高と急伸したほか、前日の厳しい売りから反動高したアドバンテスト(6857)が4.1%高、ほかにソニー(6758)やトヨタ(7203)なども為替ドル高を追い風に買戻す動きが強まりました。さらに住友金属鉱山(5713)が昨年2月以来となる高値更新で上値追い継続、SOMPOホールディングス(8630)も終値ベースでの高値更新しました。

 一方、全面高商状で意外な動きをみせたのが半導体大手の東京エレクトロン(8035)とレーザーテック(6920)で他の半導体関連株が強含む中で逆行安、ともに朝方は異様な大幅安となる場面があり決算発表前の波乱を感じさせる動きでした。また、決算失望の富士通(6702)が▲10%近い急落とともにNEC(6701)が▲3%超の下落で新安値更新、鉄鋼株の日本製鉄(5401)、JFE(5411)も直近安値を割り込む動きを見せました。全体波乱の中でも個別株によって明暗がくっきりと分かれる展開で、決算シーズンの本格化でより選別色が強まっています。

【米国株概況】
大きく値幅調整した主要ハイテク株が軒並み大幅反発、個別は決算によって明暗分かれる

 28日の米国市場は主要株式指数が軒並み大幅反発となり、出来高を伴って急速に買い戻される動きとなりました。中でも値幅調整がかなり進んだ主要ハイテク株の切り返しが目立ち、ナスダックは3%超の大幅高となっています。

 好決算発表の米アップルは7%近く上昇、米ビザも10%超の大幅反発で指数に寄与したほか、米アルファベット(グーグル)や米アマゾンも3%超の上昇、米マイクロソフトや米メタ(フェイスブックも2%超上昇しました。ただ、一方で好決算ながらも米キャタピラーは▲5%超の下落、また米シェブロンは決算が予想を下回り▲3%超の下落となるなど個別株は決算の良し悪しにかかわらず明暗が分かれる反応をしているのも事実です。

 全体としてハイテク株の買戻しが優勢で、波乱相場の中で相対的に下げ渋ってきたオールドエコノミー株には冴えない動きが目立っています。市場全体の商いが活発だったことは非常にポジティブで底打ち感からの自律反発的な意味合いが強いと思われますが、VIX指数低下やジャンク債の下げ止まりなどもあり、下落基調に歯止めがかからなかったこれまでとは明らかに違う動きと言えます。

 今週は月替わりでアク抜けも期待される中、金融政策に神経質になっている今まずは1月米雇用統計を無難に通過できるか、あるいはインフレに対する根強い警戒感から原油市場の動きとしてOPEC+の会合後の反応が注目されます。また、前回指摘したようにバイデン政権がビルド・バック・ベター法案を前進させることができるかどうかも注視しておくべきかと思われます。

【日本株投資戦略】
米国市場の大幅反発をうけてアク抜け期待も、市場センチメント改善を妨げる地政学リスクが焦点

 前週末の米国市場では急速に売り込まれたハイテクグロース株が買い戻される動きが顕著となったことで市場センチメントの改善が進むと期待されます。もっとも日本株自体も前週末は自律反発で大幅高となっており、主要値がさ株のいずれも長い下ヒゲを形成しながら反発を強めておりました。

 日米ともに決算シーズン本格化で指数というより個別株によって明暗が分かれつつ派手な値動きが展開されているため、市場全体で強含むことを期待するのではなく決算反応に的を絞って立ち回りする必要があります。

 ここ最近の商いは売買代金3兆円超えが連日のように記録していることから、上げも下げも値動きは激しくなりやすい一方、決算で嫌気された銘柄は徹底的に売り込まれる傾向にあることも注意しなくてはなりません。とくにこれまでの軟調な展開から需給面が著しく悪化したような銘柄は優先的に戻り売りを行うことを徹底し、これだけ下げたのだからいずれは戻るだろうと淡い期待を抱かない方が賢明でしょう。

 ひとまず金利上昇が一服したことからグロース株中心に買戻しの動きが強まるようでないと投資家のセンチメントはまたすぐ下値警戒感に揺さぶられてしまいますので、とくに足元で材料になっている地政学リスクの動向にも注意が必要です。

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