【1/18日本市場の確認ポイント】
日経平均 28257.25(▲0.27%)[28,129~28,690]
TOPIX 1978.38(▲0.42%)[1,969~2,003]
東証2部 7443.41(▲0.35%)[7,426~7,502]
JASDAQ 3748.58(▲0.38%)[3,745~3,780]
マザーズ 837.55(+0.66%)[823~856]
値上がりセクターTOP5
1.鉱業(+1.47%)
2.石油・石炭(+0.91%)
3.精密機器(+0.72%)
4.陸運(+0.50%)
5.サービス(+0.41%)
値下がりセクターTOP5
1.鉄鋼(▲5.32%)
2.紙・パルプ(▲2.23%)
3.ゴム(▲1.97%)
4.倉庫・運輸(▲1.54%)
5.銀行(▲1.38%)
米国休場でこれといった手がかりに欠ける中、日本株はファーストリテイリング(9983)やキーエンス(6861)など値がさ大型株を中心に戻りを強め、日経平均も一時+357円高まで上値を伸ばしました。新型コロナ対策の警戒地域の拡大が伝わると、旅行やレジャー関連も悪材料出尽くしで反応し、鉄道株などに買戻しの動きが広がりました。
また、原油価格の上昇でWTI85ドル台をつける中、海洋ガス田の開発を約30年ぶりに開始と伝えられたINPEX(1605)が強含み昨年来高値を更新、さらにトヨタ(7203)も為替ドル高で115円台回復を追い風に上場来高値を更新して上値を伸ばしました。前場はバリュー株、グロース株とも総花的に買われる強い地合いでしたが、唯一軟調さが際立ったのが鉄鋼株で、外資系証券がセクターレーティング引き下げが利益確定売りを誘い朝方から大幅安でした。
お昼の日銀金融政策決定会合の黒田総裁発表を確認後、後場は一段高でスタートしましたが、戻り天井をつけた後には急転直下の下げとなり、前場の上昇分を打ち消すだけでなく前日の安値を割り込んで引けました。日経平均はこの日の高値から安値まで▲560円急落で改めて28,000円の吸引力が強いことを示しました。一方、マザーズもようやく切り返しの動きでしたが、一時3%超の上げ幅も萎んでしまっており、終わってみれば小幅高で底値圏を抜け出すことができていません。
【米国株概況】
金融株決算や長期金利上昇を嫌気した大幅安に、地政学リスクの高まりでリスク回避姿勢強まる
NYダウ 35368.47(▲1.51%)[35,262~35,526]
S&P500 4577.11(▲1.84%)[4,568~4,615]
NASDAQ 14506.90(▲2.60%)[14,486~14,739]
ダウ輸送株 15657.5(▲1.56%)[15,580~15,849]
半導体SOX 3727.2(▲4.44%)[3,720~3,840]
日経平均先物(CME) 28,005(▲0.87%)[27,935~28,725]
ドル/円 114.44~115.05
米10年債利回り 1.874%
WTI原油 85.92
金先物 1813.60
銅先物 4.4010
恐怖指数(VIX)22.79
Fear&Greed指数 52
High Yield Bond 85.67
休場明けの18日米国市場は株式主要3指数がそれぞれ大幅安となり、ハイテク株主体のナスダックは▲2.6%で直近の安値を維持できず底割れの動きとなりました。半導体SOX指数も▲4.4%の大幅安となり、昨年12/20および1/10の安値に近接した水準に位置しています。
米長期金利の上昇基調が続いている中で、来週の米FOMCを前に多少神経質な動きになることは想定されていたはずですが、それ以上の売り圧力が生じていることに驚きを隠せません。決算発表のあったゴールドマン・サックスが▲7%近い下げでNYダウを1社で174ドル押し下げたほか、先週に決算ですでに売られたJPモルガン・チェースが▲4%、今晩決算予定のモルガン・スタンレーも▲5%の厳しい下げで、全体のセンチメントを悪化させています。
さらには前週末に大幅高していた半導体関連株が上昇分の倍返しで大幅安し、ハイテク株全体に売り圧力が波及しています。長期金利上昇が重しとなるにしてもやはり下げ幅が大き過ぎるとみられ、株式市場全体からの資金流出が顕著と言えます。金融株の決算が一巡した後の出直りも期待されるところですが、反発のきっかけを掴めないまま次の米FOMC(1/25-1/26)を迎えることになれば一段安も警戒されるところになってきます。
日米ともに原油価格の上昇を背景にエネルギー株、景気敏感株が買われやすい地合いとなっていますが、WTIは86ドル台をつけてきている中でこの背景にはウクライナ情勢の緊迫化がキーワードになっています。地政学リスクの高まりに起因した原油価格上昇は健全とは言えず、どちらかといえばエネルギー株以外のところでリスク回避姿勢が強まりやすいでしょう。
【日本株投資戦略】
順調な中間反騰の流れが日銀会合後に一変、バリュー株の天井が確定!?だと全体売り基調はさらに強まりかねない
18日は前日が米国休場で全体的に戻りを試す中間反騰の流れが強まっていましたが、日銀会合を契機にグロース株の買戻しも一巡、バリュー株の騰勢も全体と逆行する鉄鋼株の大幅安によって萎んでしまいました。
事前の日銀利上げ議論の検討報道もあって普段以上に日銀会合への注目が集まりましたが、結果的には現状維持で通過しました。マーケットは日銀のタカ派シフトを警戒しつつ、バリュー株買いグロース株売りを強めていたところ、実際には新規材料なしで天井をつけ一斉に利益確定売りに走りました。
時間外で米国の長期10年債金利は1.8%台半ばに達し、短期2年債金利も1%超まで上昇基調が強まっていましたので、これを嫌気したマーケットがいつ癇癪を起してもおかしくない状況ではありますが、バリュー株シフトが進む形で全体を押し上げる相場は継続するものとみられました。ところが、外資系ジェフリーズが鉄鋼セクターを格下げしたことで鉄鋼株は軒並み大幅安まで売られ、バリュー株のリターンリバーサルには暗雲が立ち込めています。
鉄鋼株は17日の段階で利益確定売りが出されており、チャート上では上ヒゲでカブセの陰線が示現していました。そこに絶妙なタイミングで格下げレポートが出されたため一斉に利益確定売りが相次ぐこととなりました。これは非常に重要な転換点となる可能性があるため詳しく解説する必要がありますが、紙幅も限られるためメルマガの【先読みの近未来】でみていくことにしましょう。
相場の反騰を引っ張っていた代表的なバリュー株が値崩れしたことに伴い、残るは自動車株、商社株、銀行株などの踏ん張りにかかっています。長期金利の上昇基調は変わりないためグロース株の復調が期待薄の中で、売り方が勢いを増す可能性が高まっています。
ただ、鉄鋼株は足元で2割近く上昇していましたから、利益確定売りが一過性の調整で済めば問題ありません。よって、鉄鋼株が早期に切り返すことができれば中間反騰の相場は継続しますが、そうこうしているうちに自動車株や商社株なども売られ出してくると上昇期待が消失し、昨年11月の底割れする懸念が強まります。
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