【1/14日本市場の確認ポイント】
日経平均 28124.28(▲1.28%)[27,889~28,252]
TOPIX 1977.66(▲1.39%)[1,962~1,993]
東証2部 7496.37(▲0.95%)[7,471~7,530]
JASDAQ 3785.16(▲0.89%)[3,817~3,842]
マザーズ 844.78(▲3.35%)[833~859]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+1.02%)
2.農林・水産(+0.47%)
3.小売(+0.17%)
4.なし
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.サービス(▲2.61%)
2.不動産(▲2.24%)
3.機械(▲2.16%)
4.電気機器(▲1.93%)
5.その他製品(▲1.88%)
前日の米国株市場でインフレ警戒からのグロース株売りが心理的重しとなった日本株は朝方から軟調に推移、日経平均も一時▲600円安と大きく売られました。年初来安値を更新して下値不安が強まる中、TOPIXの下落率が前場時点でTOPIX▲2%超となり、後場は日銀のETF買い観測から下げ渋る動きとなりました。前週末からは日経平均で▲100円程度ですが、短期の騰落レシオ(6日)は昨年12月初旬以来となる60ポイント台をマークしています。
セクター別には値上がりが3業種、+1%を上回ったのは海運のみで幅広いセクターに売りが広がっています。中でも精密機器、サービス、情報・通信、小売などが昨年11月末の安値水準を割り込み、さらに下値模索の展開が続いています。一方で、堅調さが目立つのは鉱業、鉄鋼、非鉄金属、輸送用機器、海運、卸売、銀行、保険、その他金融などバリュー系銘柄が占める業種の優位性が際立っています。
なによりも深刻さの度合いが強まっているのがマザーズ指数で、年初からの下落率が▲14%に達し、信用評価損益率も▲30%を超えています。こうなると追証発生から個人投資家の投げ売りが加速し、売りが売りを呼ぶ展開となってしまうのも致し方ない状況と言えます。これだけ需給が悪いと週前半の11日、12日で果敢に逆張りで買い向かった投資家も報われません。
【米国株概況】
銀行決算で崩れる金融株に対し半導体関連株が買い戻される展開、物色の変化に注目
NYダウ 35911.81(▲0.56%)[35,642~35,996]
S&P500 4662.85(+0.08%)[4,615~4,664]
NASDAQ 14893.75(+0.59%)[14,690~14,896]
ダウ輸送株 15905.0(▲0.62%)[15,719~15,976]
半導体SOX 3900.6(+2.33%)[3,783~3,902]
日経平均先物(CME) 28,300(+0.39%)[27,860~28,325]
ドル/円 113.48~114.26
米10年債利回り 1.789%
WTI原油 83.66
金先物 1817.90
銅先物 4.4298
恐怖指数(VIX)19.19
Fear&Greed指数 53
High Yield Bond 86.09
14日の米国株はNYダウが200ドル下落の一方で半導体株やエネルギー株が反発し、指数もまちまちの動きとなりました。NYダウは決算発表した金融株が売られ、12月小売売上高の経済指標が冴えなかった消費関連株の下落も指数を押し下げました。
個別ではまず決算が嫌気されたJPモルガンが▲6.15%の大幅安。さらに小売売上高やミシガン大消費者信頼感指数など米国個人消費に対する指標の悪化により、消費ピークアウト懸念からホームデポ▲3.87%、アメリカン・エキスプレス▲2.82%、アマゾン▲2.42%などが下落銘柄として目立った一方、原油価格の上昇からシェブロンが+1.70%、前日売られた半導体関連は買い戻されて、アプライド・マテリアルズが+6.25%、ラムリサーチが+6.27%、アドバンスト・マイクロ・デバイスが+3.12%、ザイリンクスが+3.72%で、半導体SOX指数も+2.33%と大幅反発を見せました。
米国市場は17日がキング牧師誕生日で休場ですが、その後は企業決算が本格化してきます。初めのうちは金融株が中心ですが、週後半からは徐々にIT大手の決算が相次ぐようになっていきます。ちょうど来週25日-26日で米FOMCが控えていますので、そこに向けて決算期待と金融政策への警戒感が入り交じる形で戻りを試していく相場になるかと思います。
ただし、先行きに対しては米国個人消費の減速感がやや気になります。12月小売売上高の悪化や1月ミシガン大消費者信頼感指数の予想比下振れが一過性のものであれば問題になりませんが、個人消費は米国経済の6割を占めると言われます。もともと消費が大好きでたまらない米国人がロックダウンで消費意欲を無理やり抑え込まれ、ワクチン追加接種なども強制されてようやくといったところで、今度はインフレ高進やサプライチェーンの供給制約によって望むような消費ができていません。米国経済は今後の世界景気にも大きく影響を及ぼしますので、メルマガの【先読みの近未来】でこの辺りを詳しく掘り下げて考察していきたいと思います。
【日本株投資戦略】
今年最初の日銀買い発動で弱気に傾く局面ではない、バリュー株優位の展開続く中で米国半導体関連の買い戻しからも期待感
14日の日本市場は軟調推移で大幅安、日経平均の下げ幅は一時▲600円に達し、ファナック(6954)やキーエンス(6861)など値がさ優良株の製造業やリクルート(6098)、エムスリー(2413)といったサービス系のグロース株も強めに売られました。また、為替ドル円が113円台半ばまで円高ドル安に振れたことで自動車株も日産(7201)、三菱(7211)、マツダ(7261)なども▲3%超売られています。
ファナック、キーエンスなどは昨年末から底堅さを見せてきた類ですが、今年に入ってからは急速に値幅調整しており、昨年後半の安値水準まで近接しています。値がさグロース株への売り圧力で指数も押し下げられやすい中、小型グロース株はさらに厳しい状況が続いており、資金の逃避先がバリュー株を消去法的に買うといった選択肢に限られてきています。とはいえ、為替が円高に振れたことで自動車株や機械株にも上昇に陰りがみられ始めています。
そんな中、週末に東証から発表された1/4~1/7投資部門別売買状況では海外勢が大きめに買い越しており、全体の商いも膨らんできています。立会日が通常より少ない中で金額的にも大きく、14日はやはり前場の軟調で日銀が昨年10月以来となるETF買いを実行していました。個人投資家のマインドが低下している中で、これらの買い主体が存在感を強めていることが分かります。
今週は米国の企業決算が徐々に本格化してくることから米国市場の動向に神経質になりやすいとみますが、来週の米FOMCに備えていくことも大事になってきます。市場が売られる時の派手さは気になりますが、その分買われる際にも1/4や1/12のように派手な全面高を演じる傾向にあります。リターンリバーサルが進んでいるバリュー株は引き続き押し目買いを中心に、米国株は半導体関連が買い戻されて大幅高していますから、グロース株も売り一辺倒というわけではありません。グロース株は取捨選択が大事で、高値からの大陰線が示現もしくは直近安値を割り込んだものは戻り売りし、数少ない上昇の特異日を利用して現金化して決算シーズンに備えていくのがよいでしょう。
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