【1/4日本市場の確認ポイント】
日経平均 29301.79(+1.77%)[28,954~29,323]
TOPIX 2030.22(+1.90%)[2,005~2,031]
東証2部 7676.54(+0.70%)[7,637~7,680]
JASDAQ 3899.57(+0.54%)[3,890~3,901]
マザーズ 976.74(▲1.13%)[971~995]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+5.90%)
2.輸送用機器(+4.50%)
3.保険(+3.61%)
4.銀行(+2.59%)
5.精密機器(+2.43%)
値下がりセクターTOP5
1.紙・パルプ(▲0.68%)
2.鉱業(▲0.03%)
3.なし
4.なし
5.なし
2022年の大発会はご祝儀相場さながらに日経平均は500円超値上がりし、頑強な抵抗線となっていた29,000円の節目を力強く上抜けました。けん引役となったのはやはり2021年の主役を張った海運株と半導体株が筆頭で、為替円安を背景に自動車株、電機株なども大きく買われました。さらには米長期金利の上昇で銀行や保険といった金利敏感株にも資金が流入しています。
セクター別には大手3社の上昇が著しかった海運株が値上がり業種トップ、続いてトヨタ(7203)が6%超の大幅上昇が目立った輸送用機器が関連銘柄含めて幅広く資金が入り2位に食い込みました。以下、銀行・保険で5位の精密機器(+2.43%)、6位の電気機器(+2.37%)、7位の非鉄金属(+2.30%)がそれぞれ2%超の大幅高で、いずれも半導体関連株の上昇が際立っています。
ほぼ全面高商状に近い新年最初の相場にあって、反対に逆行安を演じたのが新興市場のマザーズです。節目の1,000ポイントを突破するどころか、今一度昨年末の安値を確認しにいきそうな動きを見せました。マザーズの主力どころが冴えなかったのはともかく、昨年末に盛り上がりを見せた直近IPO株にも選別色が強まっており、大きく値崩れするものが目立つようになっています。
【米国株概況】
NYダウが最高値を更新した一方、米長期金利が上昇と前日の反動でナスダックは反落
NYダウ 36799.65(+0.59%)[36,636~36,934]
S&P500 4793.54(▲0.06%)[4,774~4,818]
NASDAQ 15622.72(▲1.33%)[15,512~15,852]
ダウ輸送株 16579.6(+1.70%)[16,352~16,621]
半導体SOX 4009.0(▲0.45%)[3,918~4,068]
日経平均先物(CME) 29,270(+0.14%)[28,930~29,355]
ドル/円 115.29~116.35
米10年債利回り 1.653%
WTI原油 77.07
金先物 1813.60
銅先物 4.4665
恐怖指数(VIX)16.91
Fear&Greed指数 68
High Yield Bond 86.75
4日の米国市場は新型コロナ変異型オミクロン株の感染拡大を横目にエネルギー株や景気敏感株が軒並み上昇し、NYダウは昨年11月の高値を明確に上抜けました。米10年債利回りが一時1.68%台をつけるなど上昇が目立ってくる中、金利敏感株の金融セクターにも資金が流入しました。
NYダウ構成銘柄でとくに上昇が目立ったものは景気敏感株のキャタピラーが+5.35%高、金利敏感株のゴールドマン・サックスが+3.07%高、JPモルガン・チェースが+3.79%高、アメリカン・エキスプレスが+3.21%高で、構成銘柄以外でも金融のバンクオブアメリカが+3.92%高、モルガンスタンレーが+4.06%高となっています。来週末から本格化する米国企業の決算シーズンはこれら金融株が先陣を切ることになるため、ここからしばらくは目が離せない展開となります。
その他の資本市場では、米長期金利の上昇をうけた為替市場でドル円が116円台へと急伸、OPECプラスの会合で2月も原油増産ペース維持が決定した原油市場も需要が堅調であることの表れとして不透明感の解消につながり77ドル台まで上昇しています。さらに銅先物はじめ商品市場も軒並み上昇し、世界の金融当局がインフレ対応の議論をどう加速させていくのか、注目度がさらに増す展開となっています。ご祝儀相場でなくともこのインフレは株高、商品高の主因となるものですし、エネルギー政策転換の構造要因である以上は一時的で片づけられる問題ではないため、株式投資における銘柄選びはインフレ耐性の強い銘柄が選好されていくことになります。
【日本株投資戦略】
大発会は日経平均+500円高の全面高商状、今晩のFOMC議事録公表を無難に通過できるかが焦点
2022年大発会は日経平均29,000円回復からスタートしてその後も上値を伸ばして+500円高の大幅上昇となりました。年末年始休暇を波乱なく通過できたことで、昨年末の節税売り後に手を空かせておいた投資家の新規買いだけでなく、売り方の買戻しを誘発したと言えるご祝儀相場でした。
昨年末時点で示しておきました通り、年末年始の投資戦略は基本的に上目線で日米の企業決算シーズンまでは強含む展開を予想しております。ただし、微調整が必要になるタイミングとして今晩のFOMC議事録公表や1/25~1/26の米FOMCの中央銀行イベントがあることもお伝えしています。昨晩の米国市場でも米国債の長期金利が一時1.68%台まで上昇、引けの数値も1.65%と上昇が目立ってきています。急激な金利上昇は株価にネガティブですので、まだ大きな波乱には発展せずとも監視レベルは強化しておきたいものです。
今週は週末に米12月雇用統計の発表も控えていますが、大筋は金融政策に影響を及ぼすものかどうかが焦点で、優先度としては12月のFOMC議事録の内容を消化する重要性の方が高いと言えます。よって、週後半は膠着しやすいとみられ、新年相場が本格的に動き出すとすれば成人の日を含めた3連休明け後からになるでしょう。
来週は米企業決算シーズンがスタートしてきますので好地合い継続が期待できるだけでなく、足元の為替円安を背景に自動車、エレクトロニクスの関連銘柄が上値を試しにいきやすい相場環境です。また、新興のマザーズ市場は昨日逆行安でしたが、半導体関連や電池関連、そしてにわかに動意づいてきた送電網関連などテーマ物色で中小型株にも良い値動きがみられるようになっています。銘柄選択で泥沼にはまらなければ向こう1か月間は良好なパフォーマンスが期待できるものと思われます。
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