【11/1日本市場の確認ポイント】
日経平均 27678.92(+0.33%)[27,526~27,682]
TOPIX 1938.50(+0.47%)[1,930~1,938]
マザーズ 745.46(▲0.01%)[741~746]
値上がりセクターTOP5
1.卸売(+3.30%)
2.鉄鋼(+1.99%)
3.食料品(+1.93%)
4.空運(+1.83%)
5.鉱業(+1.76%)
値下がりセクターTOP5
1.金属製品(▲3.21%)
2.海運(▲1.68%)
3.電気・ガス(▲1.06%)
4.輸送用機器(▲0.80%)
5.建設(▲0.68%)
日本株は企業の決算発表に伴う売り買いが交錯する中で続伸。東証プライムの騰落銘柄数は値上がり849/値下がり911と銘柄によってまちまちの動きは否めないものの、前日の米国株の連続上昇がストップしハイテク株売りが重しとなりやすい場面でもソフトバンクG(9984)の年初来高値高進などが引っ張っています。
決算材料で買われたJT(2914)が+9.5%と急騰したのに対し、売られた京セラ(6971)は▲7.5%と急落する極端な値動きもみられており、決算ミスが命取りになりかねない部分もあります。しかし、値上がりセクターでは商社が大幅高、続く鉄鋼や食料品など値上げが浸透してきている業界ではインフレトレードでうまく立ち回りやすい側面もあります。
業績を下方修正している企業などは、同じくインフレ環境で売上が増収でも、仕入れ原料高などコスト増圧力に利益が圧迫されている側面が強く、売りが嵩みやすくなっている模様です。今週は主力株の決算発表が盛り沢山で、中小型株は個別物色で蚊帳の外に置かれてしまいがちです。現在、2営業日連続の小幅安となっているマザーズは来週の新興・小型株の決算ラッシュを前に、期待買いかリスク回避売りかを見極める段階にきています。
【米国株概況】
米経済指標の強含みが米金融政策への警戒を高めて米国株の上値抑制、小休止後の上昇期待は変わらず
NYダウ 32653.20(▲0.24%)[32,485~32,975]
S&P500 3856.10(▲0.41%)[3,843~3,911]
NASDAQ 10890.85(▲0.88%)[10,881~11,156]
ダウ輸送株 13521.0(▲0.46%)[13,321~13,710]
半導体SOX 2402.8(+0.77%)[2,390~2,439]
日経平均先物(CME) 27,590(▲0.36%)[27,505~27,775]
ドル/円 146.98~148.82(高値151.93:10/21、安値113.48:1/14)
日10年債利回り 0.246%(高値0.268%:6/17、安値0.131%:3/6)
米10年債利回り 4.048%(高値4.338%:10/21、安値1.668%:3/7)
WTI原油 88.60(高値123.68:6/14、安値76.25:9/26)
金先物 1650.75(高値2,085:3/8、安値1,622:9/28)
銅先物 3.4655(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)25.81(高値37.79:2/24)
Fear&Greed指数 58(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)73.59(安値70.30:10/13)
米国株は時間外の先物が高く、NYダウは朝方に33,000ドルの大台目前にまで迫りましたが、米経済指標発表に強い結果が示されたことで、米FRBによる金融政策への警戒が高まり上値を抑えられました。今晩の米FOMCを控えて主要株式3指数はそろって続落、朝方の売り一巡後はもみ合いに終始しました。
債券市場ではアジア時間で3.91%台まで低下した米10年債利回りは強い経済指標を受けて4.07%台まで急上昇し、ハイテク株売りが中心となって指数を押し下げています。とくに下落が目立ったのはハイテク大手のGAFAMで、アルファベット▲4.3%、アマゾン▲5.5%、アップル▲1.7%、マイクロソフト▲1.7%で、メタ(旧フェイスブック)のみが+2.2%の反発でした。メタは一時+4%超まで買われる場面があり、米通信業界でTikTokを禁止すべきだという議論が出たことが手掛かりになった模様です。
GAFAMを除くとNYダウへの寄与度が大きいユナイテッドヘルスの下落が目立つ程度で、直近の米株上昇に比べたらイベント前に小休止といった様相です。ハイテク株売りとはいえ半導体SOXは上値・下値ともに切り上げて上昇、リスク指標も全般に安定しており、中でも定点観測データには入れておりませんがスキュー指数が安値更新と異様なリスク選好ムードを醸成しています。
今晩の米FOMCに続いて4日の米雇用統計、8日の米中間選挙、10日の10月米CPIと飛び石で重要イベントが相次ぐスケジュールになりますが、選挙ラリーや秋口の株高アノマリーといった季節性も追い風に、米国株は目先天井を探る局面に入っていくでしょう。
【日本株投資戦略】
決算プレイ活況の流れの中で米イベント、祝日休場前に様子見ムード強まるか
日本株は主要企業の決算発表が相次ぐ中、東証プライム売買代金は連日の3兆円超えとなり続伸と11月相場も好スタートを切りました。米国株が7日ぶりの反落と朝方は警戒売りもみられていましたが、中国株・アジア株の動向を確認しながら徐々に強含んで高値圏で引けました。
香港ハンセンは日本の引け後に結局+5%超にまで上げ幅を拡大、韓国、台湾をはじめインドなども総じて高く、日本株の上昇幅は取引時間中のほとんどで小幅な値動きでしたが、実際にはリスク選好ムードが金融市場全体に広がっているとみてよいでしょう。
日本株はソフトバンクG(9984)の年初来高値更新を続ける動きがどうしても注目されますが、決算材料で買われているのは上述したJT(2914)だけではなく、キーエンス(6861)や日立(6501)、パナソニック(6752)、コマツ(6301)、ANA(9202)など各業界の代表どころがしっかりした動きを見せています。
一方で冴えない動きが目立っているのは海運株、医薬品株のほか電力・ガスなどの公益セクターで、海運株はおそらく証券アナリストレポートの影響とみて一旦横に置いておけば、景気敏感株の見直し買いVSディフェンシブ株売りの構図です。
米金融政策の運営次第で再び景気悪化懸念が持ち上がってくる可能性はありますが、中国株における下値波乱の中で反発を見せ始めている点や日本自体の経済再開で世界に周回遅れながら回復への期待、それを後押しする追加経済対策への期待といったものが、日本株全体を底上げすることにつながっているとみてよいかと思います。
以前から指摘してきた日経平均はこの27,600~700円を上抜けてくるかが見どころであり、TOPIXもまた価格帯別出来高で最も分厚い水準での戻り売りをこなしているところです。11月の米FOMCや来週の米中間選挙などイベント前で手控え感が強まるのか、あるいは地合い良好を背景に盛り上がっている決算プレイの勢いが押し切るのか、注目しながら明日の祝日休場を良い気分で過ごせるようにポジションを練っておきたいところです。
※スタンダード会員へご登録いただくと、1.今後のマーケットについても展望する【先読みの近未来】、2.日々の≪重要ニューストピック≫を厳選して深堀りする【揺れ動く世界情勢の解説】などを加えた内容充実のメールマガジンをお届けします。