【8/18日本市場の確認ポイント】
日経平均 28942.14(▲0.96%)[28,846~28,999]
TOPIX 1990.50(▲0.82%)[1,985~1,994]
マザーズ 755.12(▲0.89%)[744~756]
値上がりセクターTOP5
1.鉱業(+0.69%)
2.電気・ガス(+0.26%)
3.その他製品(+0.16%)
4.繊維製品(+0.05%)
5.保険(+0.03%)
値下がりセクターTOP5
1.精密機器(▲2.35%)
2.輸送用機器(▲1.50%)
3.不動産(▲1.44%)
4.サービス(▲1.21%)
5.紙・パルプ(▲1.18%)
8/18の日本市場は米国株の上昇一服をうけて利益確定売りに押され、日経平均は29,000円を下回って推移しました。米長期金利の上昇でグロース株敬遠から米NASDAQが弱含んだことで、東京エレクトロン(8035)などの代表的な値がさ株が安く始まったものの、朝方の売り一巡後は徐々に下げ幅を縮小していきました。
米小売大手のウォルマート決算で自信を取り戻した消費関連株が今度は同業ターゲット決算を嫌気して売られる展開となり、不透明感の再燃から市場は保ち合い状態に入ったとみられます。7月米FOMC議事録が公表されたものの、9月の利上げ幅をめぐり重要な示唆はなく、新たな手がかりに欠けるといった点でも市場の様子見ムードを強めました。
最近では指数や主力大型株の値動きが悪くなると、新興・小型株の物色に目が向きやすくなるのが特徴で、とくに材料株の商いは活発になりやすい傾向にあります。マザーズ指数は6/20の安値形成から2か月間にわたり上昇、騰勢を強めてきており4月以来となる節目の800ポイントや200日移動平均線が視界に入ってきています。
【米国株概況】
7月米FOMCで手がかり掴めず、米国株はもみ合いの展開で次はジャクソンホール待ちか
NYダウ 33999.04(+0.06%)[33,844~34,043]
S&P500 4283.74(+0.23%)[4,261~4,292]
NASDAQ 12965.34(+0.21%)[12,873~13,002]
ダウ輸送株 15035.3(+0.80%)[14,897~15,070]
半導体SOX 3037.8(+2.28%)[2,967~3,058]
日経平均先物(CME) 29,105(+0.57%)[28,835~29,135]
ドル/円 134.65~135.90
米10年債利回り 2.8860%(高値3.498%:6/14、安値1.668%:3/7)
WTI原油 90.63(高値123.68:6/14、安値85.73:8/16)
金先物 1771.75(高値2,085:3/8、安値1,695:7/14)
銅先物 3.6440(高値5.0395:3/7、安値3.1322:7/15)
恐怖指数(VIX)19.56(高値37.79:2/24)
Fear&Greed指数 54(NEUTRAL:中立)
High Yield Bond (HYG)77.74(安値72.92:6/13)
8/18の米国市場は高安まちまちの展開で、決算好感のシスコシステムズや原油高好感のシェブロンなどが上昇した一方、ドラッグストアのウォルグリーンや通信大手のベライゾンがやや大きめの下げとなり、それぞれの強弱感を相殺し合う形でNYダウは小動きでした。
16日に発表されたウォルマートとホームデポの小売大手の決算は好感されたものの、17日のターゲットやロウズといった同じく大手でも規模感ではやや下回る中堅層の利益予想や既存店売上高は鈍く、米個人消費に対する不透明感が再燃しています。昨晩は上記ウォルグリーンが▲6.4%、百貨店のコールズも決算を嫌気して▲7.7%の急落を見せるなど、消費関連株への風向きも少し変わってきたように感じられます。
米景気の先行きに対する不透明感を拭いきれないまま株式市場は期待先行で買い上がってきましたので、何とかこれを正当化したいところですが7月米FOMC議事録の内容を確かめたところ、米FRBの先行き見通しはあくまでもデータ次第と明らかにされず、立ち往生しているのが現状と言えます。
半導体SOX指数が連日で2%超の荒い値動きとなっていることを除いては米経済指標や米企業決算をにらんだもみ合いとなっており、何より金融当局の今後のスタンスが見えないため、やはり来週のジャクソンホール会議での発言内容に焦点が移っていると言えるでしょう。そうは言っても、現在の市場では年末に向けての利上げペース鈍化や来年には利下げに転じるといった淡い期待、希望的観測を抱いたコンセンサスをもとに相場が形成されていますので、その点だけは忘れずに注意しておきたいところでしょう。
【日本株投資戦略】
日経・TOPIXともに節目回復で達成感、次の下落時には個人投資家の逆張りがセーフティネットに
8/17の日経平均の29,000円突破に続きTOPIXも2000ptの大台回復を見せたことで今週はこの水準をまず維持して、来週は米ジャクソンホール会議を無難に消化して水準定着を図れるかが目先の焦点となります。
実際、3月や6月の時と同様に200日移動平均線を上回ってきていますが、7/20以降の投資主体別売買状況では証券の自己売買部門の買い越しが目立っています。これは3月・6月の高値形成時と同じ手口で、その後の相場下落では個人投資家の逆張りの買いが目立っていました。足元の株高で個人投資家は大きく売り越す一方で、証券自己と海外投資家がその売りを吸収しており、彼らのスタンスが継続するかどうかによって相場の腰の強さが違ってきます。
日経平均やTOPIXなどの指数が堅調で、これらに関するETFの需給もすこぶる良好であるため、にわかに相場が崩れるといった状況にはなりづらいものの、6月の急落時のように海外投資家と証券自己が同時一斉に売り浴びせてきた時には相応の下げ方になるのは仕方ないことです。しかし、そうした時に個人投資家の逆張り姿勢が相場下落時のショックを和らげてくれる可能性が高いと言えます。
◆日経平均逆張りETF、口数が過去最多 株高に警戒感(2022/8/17)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1724P0X10C22A8000000/
以前解説しましたように、日本企業も自社株買いを多く発表していますし、6月の急落時は年金勢が大きく買い越し、相場下落時の買い手が多いことは何よりも心強いことと言えるでしょう。あくまでも日経平均だけでみれば29,000円まで上昇して貯金を作れたわけですので、次に値幅を伴った下げが訪れてもコロナショック時のようなことにはならないと考えてよいでしょう。
つまり、これを言い換えれば相場には保険が十分にかけられている状態というわけで、急落時でも安心して買い向かうことができる環境が整ってきていると言えるわけです。
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