【12/14日本市場の確認ポイント】
日経平均 28432.64(▲0.73%)[28,309~28,672]
TOPIX 1973.81(▲0.22%)[1,966~1,985]
東証2部 7450.01(▲0.64%)[7,429~7,487]
JASDAQ 3881.71(▲0.73%)[3,868~3,898]
マザーズ 993.77(▲2.92%)[989~1,016]
値上がりセクターTOP5
1.保険(+1.57%)
2.医薬品(+0.97%)
3.電気・ガス(+0.87%)
4.輸送用機器(+0.70%)
5.銀行(+0.45%)
値下がりセクターTOP5
1.空運(▲2.71%)
2.サービス(▲1.24%)
3.陸運(▲1.18%)
4.鉱業(▲0.94%)
5.証券・商品先物(▲0.92%)
今晩の米FOMCでタカ派に傾いたパウエルFRB議長会見を前にリスク警戒ムードが強まる中、前日の反発を打ち消して往って来いの相場となりました。TOPIXは比較的下げ渋ったものの、ハイテクや値がさ株が下げを主導し、日経平均は再び12月メジャーSQ値28,523円を割り込みました。
上値の重さが意識されている中で、決定的な動きが生じたのは衆院予算委員会での岸田首相が企業の自社株買いについてガイドライン設定の可能性を示したことで、日本株の買い主体である事業会社の手足を縛るような発言はなんとも間が悪いタイミングだったと言えます。首相就任早々に金融所得課税の議論を持ち出すなど市場軽視の姿勢が目立つ岸田政権だけに、海外勢がすかさず先物売りを仕掛けてきたのはもう下げてくださいとお膳立てしてるようなもので、わざとやってるのかと訝しむレベルです。
値下がりセクタートップは空運株、サービスや陸運がこれに続きましたので一見するとオミクロン型コロナ変異株への懸念が再燃しただけのように見えますが、マザーズ指数の▲3%近い下げからも明らかにリスク回避で資金が抜かれている象徴的な動きです。マザーズは12月IPOラッシュで需給悪化が避けられない状況ですが、大きな節目の1000ポイント割れは投資家心理を悪化させるトドメの一撃になったと言えるでしょう。12/13号でもふれておいたように重要な節目を割り込んだことで下値のメドが立たなくなり、一気に値崩れを起こしたのも無理はありません。
【米国株概況】
FOMC前に強い経済指標が並び緩和縮小の観測が高まる、主要3指数そろって下落
NYダウ 35544.18(▲0.30%)[35,442~35,778]
S&P500 4634.09(▲0.75%)[4,606~4,655]
NASDAQ 15237.64(▲1.14%)[15,097~15,315]
ダウ輸送株 16008.0(▲1.18%)[15,962~16,278]
半導体SOX 3794.4(▲0.52%)[3,746~3,814]
日経平均先物(CME) 28,270(▲0.25%)[28,120~28,620]
ドル/円 113.43~113.76
米10年債利回り 1.443%
WTI原油 70.07
金先物 1770.95
銅先物 4.2672
恐怖指数(VIX)21.89
Fear&Greed指数 -
High Yield Bond 86.48
14日の米国市場は朝方に11月PPI(卸売物価指数)が2010年11月以来となる前年同月比9.6%という大幅な伸びを記録し、今晩に控える米FOMCでのテーパリング加速を後押しするものとして警戒ムードが高まりました。債券市場の金利上昇は比較的落ち着いてはいるのもの、インフレ高進に対する懸念は拭いきれず、ハイテク株の売り圧力が強まる場面がみられています。
NYダウは米マイクロソフトや米セールスフォースなど▲3%超の下落が重しとなった一方、直近の軟調が目立っていた半導体関連株などが下げ渋るなど、大きな値崩れにはつながりませんでした。
ただし、足元ではVIX指数が20ポイント割れ(12/10:18.69pt)から21.89ptに再び上昇してきており、11/26からの売り基調は依然として続いている状態と言えます。大型ハイテク関連株が順番に崩れてきて指数の下げを主導していますので、今週末のクアルドプル・ウィッチング(米国版メジャーSQ)で米アップルや米テスラなど時価総額が大きく指数を動かす銘柄の動向には目を光らせていきましょう。
【日本株投資戦略】
1000ポイント割れのマザーズ市場の動向を警戒、一方で日銀が年末の資金需給ひっ迫に手当する安心材料がショックを和らげる可能性
足元は14-15日の米FOMCを通過するまでは様子見相場と言えますが、昨日までのところですでに日経平均やTOPIXに関係する指数寄与度の高い銘柄には売り圧力が強まっていました。指数をある程度持ち上げておいて、その間に個別株の押し目買いが入りやすい環境を演出しておいて売り捌くのは大口の常套手段と言えます。
昨日の東証1部は値上がり766/値下がり1317で、騰落レシオは前日と同水準ですが日経平均が202円高した翌日の▲207円安ですから、あまり動いていないように見えるわけです。これをまだ底堅いと思って押し目買いする個人投資家を誘い込んだ後、先物主導で売り崩してくるのがいわゆる“オトナの手口”です。日経平均などの急落によってこれは大変だと慌てた投資家が直近で拾った分も含めて投げ売りするので下げが必要以上に加速してしまうという構図です。
今の流れでいけば今週が二番底形成に向けた下げの起点となって、来週のクリスマス休暇を通過するところまで地合い難が継続しそうな雰囲気ではあります。しかし、昨日あたりから年末の需給ひっ迫に対応するためにどうも日銀が手を打ち始めたみたいです。
今週末から来週前半にかけてのところでは警戒を緩めることはできませんが、17日の日銀金融政策決定会合で黒田総裁から大量資金供給の意図が明らかにされるようですと、底入れするのは思ったよりも早まる可能性もあるでしょう。
年末下げに備えた売りヘッジをどこで外すのか、あるいは底入れを見計らってドテン買いするタイミングはいつが望ましいのか、この先の10日間は見極めどころとなりそうです。
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