【12/9日本市場の確認ポイント】
日経平均 28725.47(▲0.47%)[28,725~28,908]
TOPIX 1990.79(▲0.57%)[1,952~1,995]
東証2部 7530.61(+0.12%)[7,512~7,545]
JASDAQ 3934.39(▲0.01%)[3,930~3,940]
マザーズ 1054.52(▲0.76%)[1,052~1,069]
値上がりセクターTOP5
1.倉庫・運輸(+0.88%)
2.ゴム(+0.65%)
3.空運(+0.58%)
4.食料品(+0.21%)
5.情報・通信(+0.18%)
値下がりセクターTOP5
1.繊維(▲1.23%)
2.精密機器(▲1.23%)
3.金属製品(▲1.16%)
4.電気機器(▲1.04%)
5.非鉄金属(▲0.94%)
昨日の日本市場は週末にメジャーSQを控える中、買いも売りも手がかり材料に乏しく一進一退の動きが続きました。米国の空運株が強含んだことをうけてJAL(9201)、ANA(9202)に買いが集まりましたが、後場に入ってからは上値が抑えられて、全体的にも地合いが軟化しました。
セクター別にはあまり目立った動きはみられませんが、個別では日立製作所(6501)が▲3.48%の下げのほか、安川電機(6506)をはじめFA・ロボット関連、三菱自動車(7211)なども3%近く下げるなど、エレクトロニクスや自動車など外需系の一角に売り圧力が目立ちました。
メジャーSQを前に今週はザラ場中に乱高下する動きが際立っていましたが、直前にもなると大口のロールも終わってパタリと動かなくなりました。材料に乏しかったこともありますが、どうも海外の外部環境にらみといった慎重さも窺える相場です。
膠着相場の後というのは、上でも下でも大きな動きが出た時にその方向に勢いがつく可能性が高く、非常に有名な相場格言でも「もちあい放れにつけ」というのがあります。
【米国株概況】
日本株同様に上昇一服、来週のFOMC控える中で利益確定優勢、ナスダック、SOX指数の下げが目立つ
NYダウ 35754.69(▲0.00%)[35,577~35,864]
S&P500 4667.45(▲0.72%)[4,665~4,695]
NASDAQ 15517.37(▲1.71%)[15,511~15,796]
ダウ輸送株 16327.1(+0.14%)[16,153~16,415]
半導体SOX 3879.5(▲2.14%)[3,877~3,981]
日経平均先物(CME) 28,565(▲0.90%)[28,575~28,940]
ドル/円 113.28~113.81
米10年債利回り 1.501%
WTI原油 70.62
金先物 1775.35
銅先物 4.3158
恐怖指数(VIX)21.58
Fear&Greed指数 33
High Yield Bond 86.43
9日の米国市場は直近の3営業日続伸の上昇基調が一服し、NYダウは前日比変わらずだったが反発を強めていたナスダック、半導体関連株には利益確定の動きが目立ちました。来週14~15日開催のFOMCを控える中、全体的に値下がり銘柄の数が値上がり銘柄の数を圧倒し、NYダウこそ動かなかったものの中小型株のラッセル2000は▲2%を超える下げとなっています。
FRBのテーパリング加速および利上げ開始時期の前倒し議論を求める声が強まる中で、債券市場とくに2年債利回りの上昇が目立ち、長短金利差が縮小したことでハイテク株だけでなく株式市場全体に対する売り圧力は再び強まりやすくなったと言えます。
来週のFOMC通過までは高値圏でもみ合う可能性が高いと言えますが、S&P500が下げ始めるようだと下方向へ一気に動きが出てくる懸念が拭えません。前回はオミクロン型コロナ変異株の感染が見つかったことがトリガーとなりましたが、別のリスク要因が持ち込まれた時には影響が一時的では済まなくなる可能性が高まるでしょう。
米国市場では来週末の17日が12月メジャーSQとなり、日本株と違って個別株オプションも活発に取引されていますので、ボラティリティが高くなります。今週は乱高下相場でも反発基調でしたが、来週は激しい上下の中で下押し圧力が優勢となりやすいかもしれませんので要注意の相場と言えるでしょう。
今のところリスク指標のVIX指数は21.58ポイントとやや警戒されている程度、Fear&Greed指数も33ポイントで若干の恐怖を感じている程度の水準です。VIX指数が再び30ポイント超え、Fear&Greed指数が25ポイントを下回ってくる場合には売りが一気に加速する可能性がありますので、注意深くチェックしておくようにした方がよいでしょう。
【日本株投資戦略】
12月メジャーSQを前に乱高下の相場落ち着く、年末の買い材料乏しく戻り一服後の急変動にはご用心
昨日は東証1部の騰落銘柄数が値上がり735/値下がり1362で、前場は上値を試す銘柄もそれなりに見られていたものの後場からはやや失速気味でした。中間反騰相場で戻り一服といった様相ですが、日経平均は29,000円にも届いておらず年末に向けての貯金としてはやや不安が残る水準です。
メジャーSQ週ということもあり、週前半はザラ場中の乱高下が激しいジェットコースター相場でしたが、前日ともなると海外勢のポジションの限月を切り換えるロールも一巡しパタリと動かなくなりました。単純に年末ラリー高を楽観視するというより警戒感が高まっている結果であればいいのですが、外部環境頼みで材料が無くなると薄商いになってしまうという兆候だと危険です。昨日のような膠着相場の後というのは、上にも下にも大きな動きが出てきた時に一気にその方向へ進んでいく傾向があり、それだけでなく俄然勢いがついてオーバーシュート(行き過ぎ)する可能性も高くなるからです。
騰落レシオ(25日)は依然として80ポイント割れで買い気が削がれてしまっているのが現状ですから、それ以上に信用評価損益率が▲10%超まで急速に悪化していますので、投資家の懐が厳しく買い余力が乏しくなっている可能性があります。下値に買いが入らないとなれば簡単な売り仕掛けで相場が崩れてしまっても不思議ではないというのが実情なのかもしれません。
本来ならばここで政府の大型経済対策や株式市場を援護射撃する刺激策などがほしいところですが、現岸田政権は市場軽視と受け止められていますので期待できそうにありません。それどころか自民党の税制改正大綱で不動産減税の縮小が伝わり不動産株が売られました。
それに加えて、特段の材料も無い中で昨日の電気、自動車といった外需株も早々に売られたことをふまえますと、為替が円高に振れてきた場合、一気に崩れやすくなります。あとは景気敏感の代表的な半導体関連株、海運株といった主力株が残っているだけで、今年の相場を主導してきた面々が踏ん張れるかどうかにかかっています。これらが崩れ出すと指数も一気に軟化して、下値攻めされる恐れが高くなりますので、やはり年末にかけての相場は一層警戒しておくべきと言えるでしょう。
具体的な売買戦略としては前回12/8号と同様に、日本株の9月天井以前から保有株は戻り売り、直近の急落で仕込んだ株は利益確定を行うタイミングです。ある程度買いのポジションを整理したら今度は年末安に備えた売りのポジションを持って現物株のヘッジあるいは相場下落を利用して利益を狙っていくことも選択肢に入れておくのがよいかと思います。
※スタンダード会員へご登録いただくと、1.今後のマーケットについても展望する【先読みの近未来】、2.日々の≪重要ニューストピック≫を厳選して深堀りする【揺れ動く世界情勢の解説】などを加えた内容充実のメールマガジンをお届けします。