【12/3日本市場の確認ポイント】
日経平均 28029.57(+1.00%)[27,588~28,029]
TOPIX   1957.86(+1.63%)[1,927~1,957]
東証2部  7375.22(+1.36%)[7,282~7,375]
JASDAQ   3869.28(+0.88%)[3,832~3,869]
マザーズ  1048.78(+1.95%)[1,024~1,048]

値上がりセクターTOP5
1.空運(+5.28%)
2.海運(+4.67%)
3.陸運(+3.28%)
4.繊維(+3.03%)
5.不動産(+3.02%)

値下がりセクターTOP5
1.その他製品(▲0.35%)
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし

 序盤は米国市場におけるハイテク株の弱含みから東京エレクトロン<8035>や中国株逆風の印象が強いソフトバンクG<9984>などが指数を押し下げていましたが、下値余地が小さいバリュー株を中心に反発した銘柄は多かったため下げ渋りました。終始にわたり日経平均よりもTOPIXの方が底堅く推移し、寄与度の大きい値がさ株ハイテク株によって振り回されやすい日経平均は今後も値動きの荒い展開が続くものとみられます。後場に入っては一転、米メルクのコロナ飲み薬の承認申請が伝わると新型コロナ変異株への過度な懸念が後退し、アフターコロナ関連の空運、陸運、不動産などのセクターが大幅高となりました。

 足元では先月末からのオミクロン型コロナ変異株をめぐるヘッドラインに振り回されていますが、あくまでも先物主導での売り仕掛けとみられます。過度な警戒を煽りつつも一気に売り崩すところまではいっておらず、米メルクの些細な報道でも大きなショートカバーが入って全面高になるといった不安定さが際立つ相場が続いています。

 とくに決算シーズンから早々と売られてきた銘柄は調整にも一巡感が漂うことから売り方の買戻しを誘発しやすいとみられますので、買い方としては今週前半のうちに安いところを仕込んでおくのが良いでしょう。
 一方で売り方としては、今週末のメジャーSQに向かって乱高下しやすい相場環境が継続するとみられますが、中間反騰の相場ではショートカバーの勢いが短期急騰を演出する傾向にあります。年末ラリー期待の投資家に買い息切れ感が出てくるのはおそらく中旬のFOMCイベントあたりが焦点になると思われます。その後は年末の節税売りが優勢になりやすいので日柄を意識しながら取り組むとよいでしょう。

【米国株概況】
ハイテク株中心に持ち高調整の動き強まる、コロナ環境下での物色動向に明らかな変化が見える

NYダウ 34580.08(▲0.17%)[34,264~34,801]
S&P500  4538.43(▲0.84%)[4,495~4,608]
NASDAQ 15085.47(▲1.92%)[14,931~15,470]
ダウ輸送株 15967.2(+0.11%)[15,819~16,097]
半導体SOX 3804.5(▲0.16%)[3,762~3,902]
日経平均先物(CME) 27,790(▲1.00%)[27,570~28,175]
ドル/円 112.56~113.61
米10年債利回り 1.350%
WTI原油 66.25
金先物 1783.15
銅先物 4.2725
恐怖指数(VIX)30.75
Fear&Greed指数 20
High Yield Bond  86.00

 3日の米国市場は次回FOMCへの影響もふまえた11月雇用統計の注目度が高まっている中で、またしてもオミクロン型コロナ変異株の米国国内での感染拡大懸念が再燃したとして上値の重い展開となりました。ただし、雇用統計結果は非農業部門雇用者数が21.0万人増と市場予想の55.0万人増を大きく下回った一方、失業率は前月の4.6%から4.2%に改善し、市場予想の4.5%を下回る強い結果とまちまちであり、米FRBの金融政策に及ぼす影響としては微妙な内容でした。

 他方、オミクロン型コロナ変異株への警戒とは言いながら売りが目立ったのはハイテク株中心で、米長期金利が1.4%割れへと低下している中で明らかに弱含んでいます。ハイテク株などはどちらかというとコロナパンデミック環境下で株価水準ならびに業績が押し上げられてきた部類でしたので、これまでの新型コロナ警戒を理由に下げる相場とは状況が大きく異なります。この動きは半ばバブル的に買われてきたハイテクグロース株の変調を感じさせるものであると同時に、ハイリスク型投資の巻き戻しが始まり需給が緩みやすくなっていると考えられます。それがこの日のNYダウとNASDAQの下落幅に大きな差が出た本質的な理由と言えるでしょう。

【日本株投資戦略】
先週後半に続いてバリュー株優勢の相場でTOPIX優位に、市場を振り回す値がさ株の動向には注意

 週末の金曜日は後場からコロナ治療薬への期待が広がり、売り方が一斉に買戻しに走ったことで全面高商状でほぼ高値引けでした。朝方には弱含んでいたハイテク株、半導体関連株なども後場には下げ幅を急速に縮めるなど、ニュース一つで相場の景色が一変してしまう神経質な状況が続いています。

 このような環境下で一番気をつけたいことは中途半端な位置での売買です。上下に大きく振れやすい相場では値動きが落ち着いたところでエントリーしても、強いと思って買った途端に下げ始める、弱いと思って売った後に上昇するといった状況で無用なロスカットばかりが増えていきがちです。
 こうした過ちは短期志向の個人トレーダーに多いのですが、1日の中でもトレンドが急激に方向転換する相場ですので、極端に短い時間軸でスキャルピングトレードするか、あるいは急騰急落の瞬間だけを狙って1週間程度のスイングトレードを行うのかスタンスを明確にしておく必要があるでしょう。

 今週は週末にメジャーSQが控えていますので、週半ばあたりはとくに値動きが荒くなりがちかと思いますが、前週末の動きを見ましても環境的には急落の反動から中間反騰が期待できる時間帯であることには変わりません。

 この乱高下する相場にあえて参加しないで静観するといった選択肢もあるかと思いますが、エントリーする場合には時間的に優位性があるのは週前半の間に勝負をかけていく方が有効でしょう。相場の方向感を見極めてからと言って上がり始めたことを確認してから買ったのでは先にリスクを取った投資家の利食いの餌食にされてしまいますので、週後半にはいつでも売れるようなポジションにしておくのが望ましいでしょう。

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