【12/2日本市場の確認ポイント】
日経平均 27753.37(▲0.65%)[27,644~27,938]
TOPIX 1926.37(▲0.54%)[1,921~1,939]
東証2部 7276.49(▲1.09%)[7,276~7,352]
JASDAQ 3835.54(▲1.16%)[3,834~3,877]
マザーズ 1028.74(▲3.04%)[1,022~1,057]
値上がりセクターTOP5
1.海運(+6.51%)
2.電気・ガス(+1.54%)
3.ゴム(+1.44%)
4.倉庫・運輸(+1.31%)
5.その他製品(+1.01%)
値下がりセクターTOP5
1.鉱業(▲2.26%)
2.空運(▲2.06%)
3.精密機器(▲1.79%)
4.陸運(▲1.73%)
5.情報・通信(▲1.73%)
日経平均は米国株の大幅安をうけて安く始まりましたが終日下げ渋る動きを見せ、TOPIXは一時プラス圏に浮上する場面もありました。日経平均の上値を抑えたのはソフトバンクG<9984>が▲5.10%で押し下げられた要因が大きいと言えるでしょう。ただその一方で大型株は、大手海運株がモルガン・スタンレーMUFG証券のレーティング大幅引き上げを手がかりに急伸、日本郵船<9101>が+5.27%、商船三井<9104>が+7.52%、川崎汽船<9107>が突出した動きを見せました。米国株においても長期金利が低下する中でハイテクグロース株が強く売られ、ディフェンシブ株が買われるとともにバリュー株には相対的な底堅さが感じられることから、グロースVSバリューでバリュー株優勢の物色に変わりつつあると言えます。
他方で厳しい売り浴びせとなったのがマザーズで▲3%超の下げとなり、とくに直近仕手化して商いが膨らんでいたフーバーブレイン<3927>やグローバルウェイ<3936>がそれぞれ▲22.76%、▲17.52%でストップ安になるなど、個人投資家中心の中小型株は致命傷とも言える凄惨な状況です。これには12月IPOラッシュにおけるブックビルディングのスケジュールが順次始まっていることも大いに関係していると思われ、IPO資金捻出のための換金売りで需給面が大きく崩れやすいのが背景にあると言えるでしょう。
【米国株概況】
NYダウ617ドル高でオミクロン株への警戒感振り切る、OPEC+の原油増産で一時原油62ドル台から67ドル台へ切り返し
NYダウ 34639.79(+1.82%)[34,089~34,759]
S&P500 4577.10(+1.42%)[4,508~4,594]
NASDAQ 15990.76(+0.71%)[15,771~16,065]
ダウ輸送株 15949.2(+2.94%)[15,473~16,039]
半導体SOX 3810.8(▲0.01%)[3,742~3,838]
日経平均先物(CME) 27,890(+0.50%)[27,510~27,960]
ドル/円 112.68~113.32
米10年債利回り 1.446%
WTI原油 67.44
金先物 1768.90
銅先物 4.2895
恐怖指数(VIX)27.95
Fear&Greed指数 25
High Yield Bond 86.00
2日の米国市場は米国内で2例目のオミクロン株感染者が報告があったものの、直近で売り込まれた空運株やレジャー株、景気敏感株に押し目買い意欲が強いと見てとれます。とくにボーイングが中国で主力機「737MAX」の運行が近く認められるとの材料から+7.54%と急伸したことが目を見張りますが、消費関連のビザやアメリカン・エキスプレスも+4%超の大きめの反騰となっています。中でも特筆すべきはキャタピラーの反発です。オミクロン株の脅威がこれまでのウイルスを凌駕するもので、景気後退を示唆するものであれば短期資金の流入も見込めないでしょう。一方で、アップルが最新機種「iPhone13」の需要鈍化が伝わり一時▲4%まで売られるなどの場面がみられ、次第にオールドエコノミー株へと物色に変化が起きている兆しも確認できます。
オミクロン株懸念という名目で売り圧力が強まっていた米国市場で、ダウ輸送株が+3%近く反発していることに加えて景気敏感の代表株も反発したことは実際にオミクロン株を理由に下げたわけではない証左です。したがって、今晩の11月雇用統計が次のFOMC(12/14-12/15)にどう影響を及ぼすかが焦点となり、仮に11月全米雇用リポートどおりに改善が確認されるようであればFRBはタカ派姿勢を正当化する可能性があります。その場合には再び市場物色に変化が生じやすくなることも念頭に置いておく必要があるでしょう。
【日本株投資戦略】
日経平均は28,000円定着へ景気敏感株の巻き返しに期待、中間反騰狙いはあくまで短期・半身で身構えるスタンスで
昨日の東証1部の騰落銘柄数は値上がり667/値下がり1431で騰落レシオはついに70ポイント割れてきました。外資系証券のレーティング引き上げで海運大手3社が急伸したほか、ダイキン工業<6367>や任天堂<7974>などが新型コロナ変異株やメタバース関連のテーマ性から見直し買いが入ってきていることは足元の指数押し上げ役として注目されます。ただし、こうした値がさ株の上昇は個人投資家が恩恵を受けづらいほか、マザーズの値崩れが鮮明の状況にあるため焦って足元の下落分を取り返そうとポジションを張るのは非常に危険です。
市場の物色に変化が起きていることを敏感に察知するならば、海運株のように比較的バリュエーションが見直されやすいバリュー株に資金を振り向ける妙味がありそうです。ただし、自律反発的な買いは継続性といった観点ではまだ疑問符がつく状態です。値ごろ感から米国市場で反発した空運株や同じくオミクロン株懸念で売られた不動産株、景気敏感の鉄鋼株などもここからの下値不安が限られ資金を投入しやすいかもしれません。よって、ポジションを取る場合には一気に買い込んでしまうのではなく、タイミングと数量を分散して買っていくのが基本です。今回はあくまでも3分の1戻しあるいは半値戻しを前提にして身構えておくくらいのスタンスがよいでしょう。
2018年パターンをあくまでも想定するのであれば、年末に照準を合わせながら大型バリュー株の安値拾い、そして市場環境が思いの外悪いために良し悪し関係なくパフォーマンスが奮わないであろう直近IPO株のセカンダリーを狙っておくのが望ましいでしょう。12月IPOの口火を切ったのむら産業<7131>は残念ながら初値が公募価格割れしています。ここから12/10のフレクト<4414>、12/15のネットプロ<7383>、12/20のJDSC<4418>などと続いていきますので、手がける事業の将来性を吟味しながら選別していくことが必要なのは言うまでもないでしょう。
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