イチから考えるお金のこと
-株式投資・中級編⑥-
第26回のまねまねコラムは中級編として、お金を増やす段階での実践的な知識をまとめていきます。お金についての基礎を学びながら人生の土台として必要最低限の蓄えができた後は、積極的にお金を増やすための行動・考えが大事になります。
前回は投資タイミングという観点で非常に重要な『ダウ理論』の基本法則と、その中におけるトレンドの見極めと転換点の見極めにおける注意点なども同時に確認しました。これらはテクニカル分析の原点にもなっている公理とも言えますので、しっかりと理解しておいた上で次の勉強に進むようにしましょう。相場に限った話ではありませんが、何かを成し遂げるには基礎が何よりも重要です。
そして今回はチャート分析としても特に大事な移動平均線の理解と、それを使って売買タイミングを計り、勝率アップと優位性のあるトレードを実現させるために知っておきたい『グランビルの売買シグナル』についてご紹介します。
移動平均線とは?
移動平均線は前回学習したトレンドの見極めに関連し、チャート上においていち早くトレンドを察知するためのテクニカル指標になります。一般的にはSMA(Simple Moving Average)と言って、一定期間の価格推移における平均値をつなぎ合わせた折れ線グラフの「単純移動平均線」を用います。
この単純移動平均線は、例えば5日移動平均線の場合、当日終値から前日・2日前・3日前・4日前の終値合計を5で割った値が直近データとなり、計算式は【直近の終値+1本前の終値+2本前の終値・・・+(N-1)本目の終値)÷N】で表されます。
この他に、直近の価格により重きを置いた「指数平滑移動平均線」(EMA)や加重移動平均線(WMA)があり、これらは単純移動平均線と比較して値動きに敏感に反応しやすく、売買シグナルが早く出やすいのが特徴です。ただし、その分ダマシも多くなる点が挙げられ、メリット・デメリットを理解して使い分けを考えると良いでしょう。
移動平均線と価格の位置関係および移動平均線の傾き
ここで大事なのは、移動平均線と株価の位置関係が表している意味を理解することです。例えば5日移動平均線であれば、直近5日間における取引が成立して価格形成が行われた結果の平均値...
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