イチから考えるお金のこと
-株式投資・中級編③-
第23回のまねまねコラムは中級編として、お金を増やす段階での実践的な知識をまとめていきます。お金についての基礎を学びながら人生の土台として必要最低限の蓄えができた後は、積極的にお金を増やすための行動・考えが大事になります。
前回は株式投資における銘柄選びの際に陥りがちな注意点をまとめるとともに、バリュエーションとよばれる株価指標についても学びました。単純になんとなく売買することを繰り返すだけでは投資スキルの向上は難しく、資産増加を運と勘に委ねてしまうことになります。
1回、1回の株式取引を行うにあたっては、自分なりの投資理由・判断の拠りどころにした要因(ファンダメンタル、テクニカル、需給、材料など)を明確にしておくことが大事です。そして、後から結果を振り返ることで徐々に投資のノウハウ、自分が勝ちやすいパターンなどを見つけることにつながっていくのです。
株式投資に失敗は付きものですが、資産規模が小さい初めのうちに失敗を重ねて、それを繰り返さないようにすること、資産規模が拡大した後になって大きな損失を出さないようにすることが大事です。それは年齢的にも言えることで、若いうちに投資を始めて多少の失敗をしても挽回のチャンスを得られますが、引退後に投資を始めていきなり大きな資金を動かして失敗してしまうと取り返しがつかなくなってしまいます。
株式市場は寄せては返す波の動きと同様に上昇と下落を繰り返しながら、何度でもチャンスをもたらしてくれます。初めのうちはコツコツと株式取引に慣れ親しみながら、失敗の中からリスクのコントロールを学び、成功の確率を引き上げていくようにしましょう。月間でも年間でもトータルでの勝ち星を積み上げ、生涯リターンの最大化を目指すことが目標です。
前回の内容をふまえながら、今回はまず「ファンダメンタル分析」の観点から銘柄選びの際に着目するポイントをまとめていきたいと思います。
投資する企業の業績や財務状況を知らせる決算書
実際に株式投資をする場合、日本だけでも約3,700社ある上場企業の中からどの企業の株に投資するかを決めることとなります。もし米国株も合わせたらおよそ10,000社に及ぶ選択肢があります。個別の企業に投資を絞り込むのが難しいのは事...
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