イチから考えるお金のこと
-初級編⑨-
第19回のまねまねコラムはお金について考え始める際、初級編⑨として具体的にどんなことから考えていくのが良いのか、初めに知っておくべきことは何なのかについて述べていこうと思います。
初級編はライフプラン(人生計画)と生活に身近なところでお金の問題が発生した場合の対処法を勉強するとともに、将来においてもあらかじめ資金計画を立てながら理想の人生に近づけていくために必須な知識をお伝えしています。
前回はこれから株式投資を始めようと考えている方向けに基礎的な知識、金融市場における株式の役割や株主になること、株価がなぜ上がったり下がったりするのかなどを知っていただくのと同時に、投資家が得られる利益(キャピタルゲインとインカムゲイン)について解説しました。
株式投資に関係する知識範囲は非常に広いものですが、実際に必要とされる知識は難解な数学や統計学、経済学、経営・会計学などの専門的知識が重要なわけではなく、ごく限られています。むしろ投資家としての運用計画やリスク・資金管理といった基本的な原理・原則を守ることの方が大事かつ難しいことと言えます。
そこで今回は第16回のまねまねコラム『インフレーションに備える投資という選択肢』(5/15号)でも述べたことと重複する部分もありますが、まず始めの運用計画を立てるところから具体的に解説していきたいと思います。
自分のライフスタイルに合わせた投資を考える
まず日本国民の生涯資産としての運用目標を考える場合に、データでわかる範囲のおよそ30年間に亘る過去実績(30年間持ち越し前提の累計リターン:1986年~2016年)でチェックしてみます。
これまでのおさらいにもなりますが、金融取引の中で多くの国民に馴染みのある商品といえば、まず終身保険でしょうか。保険加入時期の予定利率によって異なりますが、概ね低金利環境が続いたこの30年間でみるとわずか+1.5%程度で、あくまでも保険としての役割しか果たせていませんでした。あるいは外貨建て終身保険や変額保険などリスク性を含んだものであれば、時期によって価値が増加しているものもあります。
その他、預貯金の代わりとなる10年国債で複利運用した場合に+50%、不動産では物件の良し悪しに左右されますので、公示地価ベー...
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