イチから考えるお金のこと
-初級編⑧-
第18回のまねまねコラムはお金について考え始める際、初級編⑧として具体的にどんなことから考えていくのが良いのか、初めに知っておくべきことは何なのかについて述べていこうと思います。
初級編はライフプラン(人生計画)と生活に身近なところでお金の問題が発生した場合の対処法を勉強するとともに、将来においてもあらかじめ資金計画を立てながら理想の人生に近づけていくために必須な知識をお伝えしています。
前回は伝統的な運用先である株式や債券といった資産は、原則として無リスク資産とされている預貯金、先進国の短期国債など元本が保証されているものに対して、リスクプレミアムが上乗せされることによって相応のリタ―ンが得られるようになっている仕組みについて勉強しました。
いまや運用先は株式や債券だけでなく、オルタナティブ資産と言われる非伝統的な投資対象が格段に広がりを見せ、デリバティブやCTAに代表されるヘッジファンド、不動産REITなどをはじめとする証券化商品も含めて、投資信託を通じての分散投資も可能になってきました。
しかし、いかに選択肢が広がろうとも、それらにかかるコストやリスクリターンを鑑みた結果として、やはり圧倒的多くの投資マネーを惹きつけるのが株式市場・債券市場である事実は揺るぎません。そして、歴史的なインフレという時代の流れによって、今株式投資が最も有効な運用先として選ばれることが明白となっています。
今回は株式投資を始めるにあたっての基礎的な知識から確認していくことにしましょう。
そもそも『株式』とは何か?
『株式』は会社が資金調達のためなどに発行する「有価証券」です。
世の中には実に多くの事業会社がありますが、これらがビジネスを拡大したい時などに、自己資金だけではまかなえない大量の資金が必要になる場合があります。こうした資金を調達する方法としては、銀行からの融資を受けたりしていますが、それには厳しい事業審査をクリアして、さらに融資額には上限が設けられたり、資金使途が限られたりもします。
しかし現実問題として、会社は事業を行うにあたり工場や店舗の建設、新製品の開発など将来的に確実とは言えないものに対しても多額の設備投資が必要になります。このとき銀行は将来性や収益性などを精査し、貸出...
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