イチから考えるお金のこと
-入門編⑧-

第8回のまねまねコラムはお金について考え始める際、入門編⑧として具体的にどんなことから考えていくのが良いのか、初めに知っておくべきことは何なのかについて述べていこうと思います。

前回は「第二次世界大戦後の金融システム」について、世界大恐慌と第二次世界大戦を経て米国覇権が確立していった経緯と、戦後の金本位制に基いた金融システムがそれまでとは異なる変則的なものであり、米ドル支配を基盤とした固定相場制によって進められた背景を詳しくみていきました。

しかしこれは結局のところ長続きしませんでしたね。しかし戦後の米国覇権がいかに不安定な約束の上に成り立っていたのかを知るとともに、1970年代のドルショック(ニクソン・ショック)から現在に至るまでにおいても、米ドルへの信頼性およびお金に対する信用はいつでも揺らぐ可能性があるものだということを認識しておくことが、実は今私たちが直面している金融システムの大転換を正しく理解する上で非常に重要なことなのです。

お金もまた今叫ばれているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の下で持続可能な金融システムの構築を促されているところで、これまで当たり前のものとして捉えられてきたお金そのものが大きく変化する過渡期を迎えています。

今までの常識が崩れていく衝撃にもきちんと向き合っていかなければならないのが私たちの置かれている現状であるとともに、これは見方を変えれば混迷期をうまく乗り切ることができれば次の時代で大きく飛躍し豊かな人生を手にする絶好の機会となり得るものです。

今回はいよいよ現代における金融資本主義の成立から崩壊へと至る過程をみていきます。おそらく50代以上の方にとっては実際に経験してきた人生そのものがお金の歴史とリンクするはずで、理解が深まりやすいでしょう。そしてこれからの時代を読み解きたいと考える若い世代の方にとっても非常に参考になるものであることは間違いありません。

金本位制廃止後に生まれた新たな世界秩序
(石油とドルペッグ制)

前回のおさらいもふまえながら、金(ゴールド)との引換券としての性質を持った米ドルはこの時すでに石油との換金性を確立しており、中東産油国は世界的な基軸通貨である米ドルと...

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