イチから考えるお金のこと
-入門編⑥-
第6回のまねまねコラムはお金について考え始める際、入門編⑥として具体的にどんなことから考えていくのが良いのか、初めに知っておくべきことは何なのかについて述べていこうと思います。
前回は「お金の歴史とルール」について書きました。今回はその続編として「お金のルールチェンジ」について深堀りし、さらに理解を深めていきたいと思います。
不安定でルールもバラバラだったお金の共通概念
中央銀行ができたことで統一された
前回学んだお金の仕組みでは最も重要な借金(信用)の歴史からみていきましたが、その中で国も民間も勝手にお金や借用書を発行してしまい、お金そのものの信用が失われてインフレに襲われるといったことが頻繁に起こりました。
そこで各国の政府がお金の発行を管理して、その国ごとの統一した貨幣・紙幣が使われるようになりました。これを管理する機関として「通貨の番人」と呼ばれる中央銀行ができたのですが、起源は17世紀の欧州で1668年のスウェーデン、続いて1694年のイギリスで設立されたのが始まりとされています。
日本では明治時代の1882年に日本銀行が設立されました。当時はまだ財政基盤の固まっていない政府や国立銀行が大量の不換紙幣を発行してたので激しいインフレが頻発していましたが、日本銀行設立を機に銀本位制に基づく兌換紙幣(銀行券)を発行することで統一し、通貨価値の安定が図られました。
そして近代から現代へと続くお金の歴史において重要な転換点となったのが、1913年に米国で中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)が発足したことです。この直後の1914年に欧州では第一次世界大戦に突入していくこととなり、戦禍で疲弊した欧州勢に代わり米国が次第に世界で一番の影響力を持つようになっていきました。
これにより米国のドルが基軸通貨(世界の中心、基準となるお金のこと)となり、徐々に各国のお金のシステムは統一されていきます。中央銀行が発行する紙幣をみんなが信用することで、さらには基軸通貨たるドルの信用をベースに現在の金融システム、経済活動が成り立っています。
こうして中央銀行が通貨価値の安定を図る重要な役割を担ってきたわけですが、実は現在に至るまでのところでもお金のシステムは不安定なままなのです。そ...
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