【1/5日本市場の確認ポイント】
日経平均 33,377.42(+0.27%)[33,257~33,568]
TOPIX 2,393.54(+0.62%)[2,382~2,400]
マザーズ 694.28(▲2.59%)[694~712]
値上がりセクターTOP5
1.証券・商品先物(+3.53%)
2.銀行(+2.63%)
3.不動産(+2.29%)
4.鉄鋼(+2.09%)
5.電気・ガス(+1.99%)
値下がりセクターTOP5
1.繊維(▲0.56%)
2.精密機器(▲0.50%)
3.化学(▲0.45%)
4.電気機器(▲0.31%)
5.水産・農林(▲0.24%)
日本市場は大発会を前に石川県を襲った能登震災などをはじめとする国内外のリスク要因が発現し、日経平均は一時▲770円安の急落する場面がありましたが、押し目買いが入りすぐさま持ち直す動きとなりました。4日のV字回復に続き5日も続伸しましたが、3連休を前にポジション調整売りに押し戻されたほか米国ハイテク株安を受けたグロース株に利益確定売りが広がりました。
ハイテク株安に上値を抑えられやすい日経平均に対し、見直し買いが強まったバリュー株の影響が大きいTOPIXは出遅れ修正の動きで11月末以来の戻り高値を更新。昨年末の株高局面で今ひとつ精彩を欠いた自動車株や金融株、商社株などバリューセクター、高配当株などに資金が向かう中、日銀の政策修正観測の後退も指数先物の買戻しにつながったものとみられます。
新興市場では昨年末の動意からグロース250指数は700pt台に乗せ、大発会はご祝儀相場期待と相まって大幅高しましたが、5日はグロース株敬遠の動きから一転大幅安となりました。資金の足が早い短期筋の動きに翻弄されながら再び700pt割れとなりましたが、商いは比較的高水準であることから信用期日売りをこなしながら需給好転をにらむ展開となっています。
【米国株概況】
米経済指標で米金利上昇一服、ハイテク株買戻しでナスダック大幅反発
NYダウ 37,683.01(+0.57%)[37,249~37,692]
S&P500 4,763.54(+1.41%)[4,699~4,764]
NASDAQ 14,843.77(+2.20%)[14,560~14,846]
ダウ輸送株 15,646.0(+0.89%)[15,433~15,646]
半導体SOX 4,062.5(+3.28%)[3,956~4,071]
日経平均先物(CME) 33,890(+1.71%)[33,240~33,915]
ドル/円 143.66~144.93(高値151.93:10/21、安値127.46:1/3)
日10年債利回り 0.608%(高値0.975%:11/1、安値0.131%:2022/3/6)
米10年債利回り 4.034%(高値5.000%:10/19、安値1.668%:2022/3/7)
WTI原油 70.92(高値130.50:2022/3/7、安値63.64:5/4)
金先物 2034.10(高値2,098:12/28、安値1,618:2022/11/3)
銅先物 3.823(高値5.039:2022/3/7、安値3.142:2022/7/15)
恐怖指数(VIX)13.08(高値37.79:2022/2/24)
SKEW指数 137.05(安値110.34:2022/11/3、高値162.51:12/14)
Fear&Greed指数 74(GREED:貪欲)
High Yield Bond (HYG)77.11(安値70.30:10/13)
米国市場は年明けからのハイテク株急ブレーキに警戒感が高まる中、昨年12月の米雇用統計やISM非製造業指数の発表をうけて市場の利下げ織り込みが一進一退で米長期金利は4.0%をはさんでの水準で推移しています。米FRBが重視する経済データが強弱まちまちな内容となる中大統領選挙に向けたアピールをしたいバイデン米政権は米経済のソフトランディング達成を強調しました。
◆イエレン財務長官、米経済はソフトランディングを達成した(2024/1/6)
今年の利下げ転換期待を市場が前のめりに織り込むのを横目に、米経済は正常化に向けたプロセスも同時に進むとの見方を強める米FRBも投票メンバーが入れ代わりました。ややタカ派寄りに傾く中で残るインフレ対応に焦点を当てつつ、QT(量的引き締め)の減速も視野に入れ始めました。
◆焦点:24年FOMC、投票メンバー交代でタカ派シフトも 利下げ期待不変(2023/12/25)
◆米雇用統計堅調でインフレ対応に焦点=リッチモンド連銀総裁(2024/1/6)
◆米ダラス連銀総裁、当局はバランスシート圧縮ペースを減速する必要(2024/1/7)
米雇用統計は依然として堅調な米労働市場を反映しつつも、12月は全米自動車労働組合のスト終結の影響が色濃く出た一時要因という側面もあり、サービス業の雇用縮小こそ米経済の軟化につながるとの見方が強まっています。とくに米製造業がこれまでの縮小傾向から脆弱性が浮き彫りとなっているため、市場では利下げを望む期待が根強い状況とみられます。
◆UAW組合員の歴史的な賃金上昇、米全体の12月賃金を押し上げ(2024/1/6)
◆米ISM非製造業指数、活動拡大ペース急減速-雇用は大幅な縮小(2024/1/6)
◆米ISM製造業総合景況指数、14カ月連続で縮小圏-受注が軟化(2024/1/4)
◆米雇用統計、FRBは利下げ遅らせる柔軟性を確保:市場関係者の見方(2024/1/6)
米FRBの具体的な利下げ時期に関してはまだ流動的と言えるだけに、今後も憶測に沿った投機ポジションのせめぎ合いが主流となりそうな中、米債市場では金利上昇を見込んだポジションが立て込む結果となり、これがISM非製造業指数をうけて一部巻き戻された形で米金利低下、米株買戻しにつながったものとみられます。次は11日の12月米CPI(消費者物価指数)で足元のインフレ状況確認を待つところで、米株は高値圏での攻防戦を続けながら企業決算を受けた個別株が収益期待に沿えるかが焦点となります。足元ではハイテクグロース株の利益確定からバリュー株への資金シフトがみられましたが、金融株決算を境にこの流れが引き戻されるかが未だ最高値更新に届かないナスダック、S&P500の鍵を握っていると言えそうです。
◆米国債に大量の弱気オプション取引、雇用統計後の利回り急上昇見込む(2024/1/5)
【日本株投資戦略】
3連休明けで日経平均がバブル後戻り高値を更新、新年ご祝儀買い一巡後の相場に最初の試練か
日本市場は長期の年末休暇明けから本格的に投資家も動き出すとみられる中、3連休中の海外市況が堅調だったこともあり大幅高でのスタートを切りました。日経平均は平成バブル後の戻り高値を更新して34,000円に接近、調整含みだった半導体株にも仕切り直しの資金が向かい昨年末以降のバリュー株優位から再びグロース株優位の展開となりそうです。
足元では米経済指標を受けて為替もドル高円安で推移し、自動車やエレクトロニクスが買戻されるのに加えて金利上昇で買われた金融株なども含め、時価総額の大きい主力株が堅調であることから年明け早々に見舞われた震災影響は限定的と言え、相場としてはむしろ良い買い場になったとみられます。
日経やTOPIXなど指数が高値圏に上り詰めてきただけに高値警戒感は付き物ですが、リスクを積極的に受容した投資家が報われる結果となり、株式市場のチキンレースはまだまだ熱を帯びている状況と言えます。昨年末の相場上昇を牽引してきた半導体株やバリュー株筆頭の海運大手などは利益確定売りが入ってきているとみられますが、同時に空売り参戦するポジションも積み上がっており、信用需給からは地合い次第で今後も踏み上げ相場の一段高となるかが左右されそうです。
ひとまず2024年相場は政府肝入りの新NISA制度開始も新しい資金流入を呼び込むこととなり上々のスタートを切ったとみてよいものと思われます。ただ、まだ手放しで喜んでいられる状況にはないとみられ、今週末のオプションSQを前後に買い一巡となった後が最初の試練となってきます。1月下旬に向けては企業決算も迫ってくるだけに、短期的にはその頃までにある程度利益確定することもふまえながら、2月の「節分天井」を意識したスケジュール感も念頭に置いておくとよいでしょう。
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