イチから考えるお金のこと
-株式投資・中級編⑧-

 第28回のまねまねコラムは中級編として、お金を増やす段階での実践的な知識をまとめていきます。お金についての基礎を学びながら人生の土台として必要最低限の蓄えができた後は、積極的にお金を増やすための行動・考えが大事になります。

 前回は企業の決算発表シーズンにからめて決算発表時期におけるトレードの注意点と、業績開示後の株価反応などについてを詳しく解説いたしました。また、トレード成績を安定させるためにとても重要な売買手法として『価格』『数量』『タイミング』を分散させながらポジションを構築するピラミッディングとよばれる投資手法を紹介しながら、リスクコントロールの大切さについても説明いたしました。

 3カ月毎に行われる決算発表は企業のファンダメンタルに変化をもたらし、投資判断するにあたり当然重要視されるものですが、かといって業績要因だけで株価が動いているわけではありません。もしそうであれば、株価の変動に関して3カ月に1度だけチェックしておけばよいということになります。
 ところが、日々揺れ動いている株価を見れば分かるとおり、企業の業績や将来性以外にもその他の変数(国内外の景気に代表されるマクロ環境、金利や為替など他の金融市場動向、国際情勢や自然災害、地政学リスクなど)についても絶えず目配せしていく必要もあるのです。

 当然ながら、全ての情報を網羅することなど到底不可能ですから、知り得る限りの手元情報の中から投資を決断していかなくてはなりません。不確実性を完全に排除することは最初から無理な話ですので、あらゆる情報の中から予測可能な、当然そうなるであろう確率の高いものを選び取っていく、そうした知識というより知恵が必要とされるのです。

 しかしながら、何の知識もない状態でこの世の中の動きを理解し、不確実性に満ち溢れた無数の選択肢から投資の正解を導くことや将来について見通すことはかないませんので、資本市場における原理・原則というものをあらかじめ知っておくことが大切です。

 そこで、今回は投資判断に欠かすことのできない、何よりも優先させて知っておくべき中央銀行の金融政策について解説していきたいと思います。以前、この『まねまねコラム』でも「第6回~お金のルール変更と歴史その2~(1/15号)」...

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