イチから考えるお金のこと
-株式投資・中級編⑦-
第27回のまねまねコラムは中級編として、お金を増やす段階での実践的な知識をまとめていきます。お金についての基礎を学びながら人生の土台として必要最低限の蓄えができた後は、積極的にお金を増やすための行動・考えが大事になります。
前回はテクニカル分析の基本となる移動平均線の理解を深め、それがチャート上でどのような意味を持ち、投資タイミングや売買判断に一定の有効性があるとされる『グランビルの法則』に用いられていることを解説いたしました。
テクニカル分析を習熟する上では、多くのチャートパターンを覚えることだけでなく、その中から実戦を通じて再現性の高いものを感覚的に落とし込んでいくことが重要です。ファンダメンタル分析のような理論立ったものを勉強するというよりも、とにかくチャートを数多く見比べながらどういう形状だと上がりやすいのか、下がりやすいのかをビジュアル的にパターン認識していくイメージです。
ただしこれは、テクニカル分析の中におけるチャート分析であり、この他にテクニカル分析には統計的(定量的)分析も含まれます。これは機械的売買システムを開発する上で人間の主観的要素を限りなく排除することを目指し、価格の値動きに関する様々なデータを数量化、検証し、最適化されたトレードを実現することに重きが置かれています。いわばコンピュータにプログラムされた科学的なトレードを売買システムで機械的に行うもので、一般的にアルゴリズム取引に用いられているとされています。
いまや外資系の投資銀行では、よくTV・メディアなどで見るフロアトレーダーよりもコンピュータによるアルゴリズム取引が主流で、さらにこれをAIで最適化させて刻一刻と変化する市場の動きを24時間、365日追跡している実態があります。つまり、現代における金融市場では市場参加者が人間の投資家というより金融工学でプログラミングされた投資ロボットと対峙しているという面が否めないことも認識しておきましょう。
そこで今回は、テクニカル分析を掘り下げていくことも考えましたが、解説に図解を多用する必要性があることや、上記のコンピュータを相手に小手先のテクニカル分析を磨くだけではかえって裏目に出てしまう現実などを鑑みて、いさぎよく諦めたいと思います(笑)。
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