【4/7日本市場の確認ポイント】
日経平均 26888.57(▲1.69%)[26,801~27,042]
TOPIX 1892.90(▲1.56%)[1,881~1,900]
マザーズ 789.16(▲4.27%)[788~812]
値上がりセクターTOP5
1.医薬品(+2.17%)
2.農林・水産(+0.19%)
3.食料品(+0.16%)
4.電気・ガス(+0.00%)
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.電気機器(▲2.89%)
2.非鉄金属(▲2.64%)
3.ガラス・土石(▲2.53%)
4.金属製品(▲2.44%)
5.サービス(▲2.40%)
7日の日本市場は前日の米FRB理事ブレイナード発言からの急落が尾を引く形で米金融政策の引き締め観測に対する警戒感が重しとなって反落しました。日経平均はわずか2日間で▲1000円超の値幅で下落し、28,000円のもみ合いを下放れする動きを見せました。
3月からの急上昇の過程で買い方はおよそ買い切ったとみられ、買い手控えムードの中で上記の金融引き締め転換に伴う警戒感からポジション調整売りがまとまって出てきたと言えるかと思います。一時の上昇過熱感が薄らいだことで騰落レシオも短期(6日)が50ポイント台まで急低下しており、短期的には突っ込み買いが有効に機能してくるポイントかと思われます。
一方で、前回指摘していた堅調マザーズ指数など小型株の躍進は直近の冷や水を浴びせられた相場で利益確定売りが出やすくなっているとみられ、2、3日は調整地合いを続けるかもしれません。小休止の後に来週から上昇再開するのか、あるいはそのままズルズルと決算に向けて売られていくのかでリスク性資金の傾向が掴めるかと思いますので、中小型株を触らない人にとっても要監視と言えます。
【米国株概況】
引き続きFRBの金融引き締め警戒感が重し、材料織り込みから調整には一巡感も
NYダウ 34583.57(+0.25%)[34,190~34,705]
S&P500 4500.21(+0.43%)[4,450~4,521]
NASDAQ 13897.30(+0.06%)[13,689~13,978]
ダウ輸送株 14604.0(+0.28%)[14,272~14,662]
半導体SOX 3197.4(+0.11%)[3,134~3,226]
日経平均先物(CME) 27,055(+0.58%)[26,790~27,225]
ドル/円 123.46~123.99
米10年債利回り 2.665%(高値2.667%:4/7、安値1.668%:3/7)
WTI原油 97.00(高値130.50:3/7、安値93.53:3/15)
金先物 1931.20(高値2,078:3/8)
銅先物 4.7145(高値5.0395:3/7)
恐怖指数(VIX)21.55(37.79:2/24)
Fear&Greed指数 48
High Yield Bond (HYG)80.73(安値79.97:3/14)
7日の米国市場は前日に続いて金融当局の積極的な金融引き締めスタンスを警戒し、取引前半は米国債の金利が一段と上昇、ハイテク株も軟調に推移して続落商状でした。とくに債券市場ではFRB材料の織り込みも着々と進んでいるとみられる中、株式市場ではNYダウ・ナスダックともに25日移動平均線付近まで調整したことで買いに転じた後は、引けにかけて大きく買い戻されて主要3指数ともにプラス圏へ浮上、3日ぶりの反発となりました。
米FRBの金融政策転換に関しては前回も解説したとおり、資本市場にとってネガティブなものであることは確かで、株式市場では直近までの上昇相場に水を差すような動きとなったものの、調整は比較的浅いものにとどまっているとみた方が良さそうです。おそらく金融引き締めが本格化してくるとこのような程度では済まないはずで、投資家心理が一気に総悲観に傾くような場面が訪れることでしょう。
足元ではまだ米金融政策だけでなく、ウクライナ情勢の混沌が市場を攪乱しているため、3月のFOMC時のように世界の不確実性が金融当局の引き締めスタンスにブレーキをかけるかもしれないという疑心暗鬼が、市場内でも積極派・消極派の対立という形でしばらく売り買い交錯の要因となるでしょう。
短期的な調整が一巡してきたとなれば来週あたりからまた一旦反発の機会を得られるかもしれませんが、あくまでも短期的な揺り戻しの範囲と思われますので、米国株を個別で投資している方は企業の決算発表を意識しながらポジションの縮小、あるいは手仕舞いを検討していくとよいでしょう。
【日本株投資戦略】
内需グロースの選別物色が唯一残された道、市場全体の調整は来週からの反転を期待
足元の日本株も米国株同様に日経平均・TOPIXともに25日移動平均線付近まで一気に調整が進んできており、一時の過熱感は完全に失われたと言ってもよいでしょう。こうした全体の調整局面でも調整幅には深いものと浅いものとに分かれ、どのセクターが大きく売られているのかをチェックすることが大事です。
7日は市場の全体感を示すTOPIXが25日移動平均線を割り込み下ヒゲ付きの陰線を形成していますが、25日線割れでまず真っ先に気になるのが東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)などの半導体株です。これは対ロシア制裁で禁輸措置をとった影響はブーメランになて跳ね返ってくると以前指摘しておいたとおりの状況とも言えます。
そして、前回も少し触れました海運株、これも直近では25日線割れで下げ止まらず75日線割れまで突っ込んできており、3月の配当落ち後からはより軟調さが目立っています。その辺は鉄鋼株なども同様で、25日線割れから下げが加速して一気に75日線割れまで調整が進んできています。
反対に堅調なのはソフトバンクG(9984)やグリー(3632)など情報・通信株、中外製薬(4519)などの医薬品株といった内需グロース系が中心で、目先筋についていけるのはこうした需給面が良好な銘柄群から選別して方法しか無いと言えるでしょう。
とくに全体相場のけん引役となる存在がみな不調の相場では個別の一本釣りで物色の手がかりを探る必要があり、注目すべきポイントは前日、前々日からの出来高変化です。材料がすでに発表されて上がり切っているものは避け、徐々に出来高を増やしながら上値抵抗ラインに近寄ってきているものが突如としてL字型の急騰を見せたりします。
先日のブレイナード・ショックから今日で調整3日目となりますし、本日のマイナーSQにからめたオプションの整理も一巡します。短期的には底入れから反転上昇が期待できるようになるかと思いますが、来週は米国で3月の消費関連の経済指標が相次いで発表され、週中ごろが注目でしょう。金融当局者がこぞって指摘するように米経済が強い状況を確認できれば市場は短期的にはこれを好感し、先行きの景気後退懸念をヨコに置いて反発地合いが返ってくるかもしれません。
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