イチから考えるお金のこと
-入門編⑩-
第10回のまねまねコラムはお金について考え始める際、入門編⑩として具体的にどんなことから考えていくのが良いのか、初めに知っておくべきことは何なのかについて述べていこうと思います。
前回は「日本の平成バブル崩壊後の30年とグレートリセットの世界の現状」について、日本がバブル崩壊後に辿ってきたデフレ経済の歩みとその意味するところ、IT革命をはじめとする技術革新をリードしてきたグローバルエリートの台頭とグローバル化と金融資本主義が推し進められてきた歴史、そして現在のコロナパンデミックからもたらされる労働市場の変化などにも焦点を当てていきました。
今回でお金について考える際に欠かすことのできないこれまでの歴史を振り返るのも最後となりますが、コロナ後の新しい社会的枠組みが次第にその輪郭を浮かび上がらせてきた今、比較的最近のニュースまでをふまえながら、いよいよこれからのお金のルール変更がどういうプロセスの下で進んでいくことになるのか考察していきたいと思います。
今私たちが生きている現代の比較的記憶に新しい話題を中心にみていくことになりますので、おそらく過去の歴史よりも実感が湧きやすい部分もあるかと思います。最近のお金にまつわるニュースは昔よりも複雑化した金融システムが更なる変革を迫られている現実について伝えており、これらは過去のお金の歴史への理解なしで正しく捉えることはできないと思われます。
歴史をただ一問一答で暗記するような断片的理解ではなく、過去からの流れをふまえて現在を整理・理解し、ご自身の未来をうまく生きていくための知恵に昇華させていくきっかけになればと思います。
いまお金の世界では何が変わろうとしているのか?
お金の歴史をこれまで勉強してきた中で、その概念を著しく変化させるような大きなニュースを皆さんはご存知かと思います。
それはビットコインに代表される「仮想通貨(暗号通貨)」の誕生です。それまでの国や中央銀行が紙に印刷して発行してきた紙幣や金属に印字した貨幣とは異なる「デジタルのお金」です。お金はそれ自体が価値を持っているわけではなく、みんなが1万円をそれなりの価値として認める共通の概念があるから原価20円ちょっとの紙でいろいろな物が買えるに過ぎません。
そういう意味...
※続きを読むには無料会員登録が必要です。