【1/25日本市場の確認ポイント】
日経平均 27131.34(▲1.66%)[26,890~27,493]
TOPIX   1896.62(▲1.72%)[1,881~1,920]
東証2部  7169.29(▲1.40%)[7,285~7,146]
JASDAQ   3607.50(▲1.51%)[3,607~3,670]
マザーズ  772.14(▲4.84%)[768~821]

値上がりセクターTOP5
1.電気・ガス(+0.36%)
2.食料品(+0.01%)
3.なし
4.なし
5.なし

値下がりセクターTOP5
1.海運(▲6.08%)
2.サービス(▲4.43%)
3.その他金融(▲2.96%)
4.機械(▲2.80%)
5.精密機器(▲2.46%)

 25日の日本市場は米国市場における波乱の余波を受けて軟調に推移し、日経平均は一時27,000円を割り込みました。TOPIXも1,900ポイント割れから下げ足を早めて▲2%超の下落場面がありましたが、引けにかけては買戻しの動きが強まりました。マザーズ指数は引き続き下値模索の状況で、下げ幅は▲5%に達するなど買い手不在が顕著となっています。

 前日の米国市場でNYダウが一時▲1,000ドル超の暴落商状となったことからも波乱含みの展開は致し方ないと言えますが、下げを主導したのがリクルートHD(6098)▲7.6%、ソフトバンクG(9984)▲5.3%、サイバーエージェント(4751)▲5.3%がグロース系、バリュー系は海運大手3社の日本郵船(9101)▲5.9%、商船三井(9104)▲6.1%、川崎汽船(9107)▲6.9%で、海運株はセクター別の値下がり率も断トツの首位で▲6.1%を記録しました。

 その他に半導体関連株や機械株など景気敏感株もグロース系、バリュー系問わず満遍なく売られた印象でしたが、ディフェンシブ系の電力株や鉄道株、医薬品株などは下げ渋り、中には逆行高を見せる銘柄も散見されます。前日の米国株やTOPIXの大幅安から全面安商状を想起させますが、実際のところではSell Allにはなっておらず、最悪の状況は免れたと言えるでしょう。

 他方で、マザーズ市場にいたってはこの日もなす術がない程に売り込まれ、文字通りの全面安商状となっています。リスク回避の動きは昨秋から始まっていましたから、この段階までくると新興市場で敢えてリスクを取りにいこうとする投資家は残っていないことを物語っているのでしょう。

【米国株概況】
地政学材料が重しとなり一時大幅安も連日で後場は切り返しの動き、今晩のFOMC通過でセンチメント改善につながるかどうかが焦点に

NYダウ 34297.73(▲0.19%)[33,545~34,591]
S&P500  4356.45(▲1.22%)[4,287~4,411]
NASDAQ 13539.30(▲2.28%)[13,414~13,781]
ダウ輸送株 15181.4(▲1.65%)[14,967~15,336]
半導体SOX 3350.9(▲3.71%)[3,335~3,432]
日経平均先物(CME) 27,150(+0.33%)[26,840~27,340]
ドル/円 113.67~114.15
米10年債利回り 1.771%
WTI原油 85.20
金先物 1847.90
銅先物 4.4590
恐怖指数(VIX)31.16
Fear&Greed指数 37
High Yield Bond  85.10

 25日の米国市場は主要3指数が軒並み下落し、前日同様に朝方から地政学リスクを意識した大きめの売りから始まったものの、午後には持ち直して下げ幅を縮小する動きをみせました。NYダウは一時34,000ドルを割り込んで33,545ドルまで下値を試す場面がありましたが、前日の安値33,150ドルまでは達しませんでした。

 市場参加者は米FRBのタカ派転換に警戒を強める中、地政学リスクがもたらす不透明感が覆い重なったため疑心暗鬼になっているとみられます。株式市場が乱高下を繰り返す中で債券の金利上昇は幾分和らいで、短期2年債も1.0%を下回る場面がみられています。リスク回避姿勢からハイテク株売りはなお強い状況ながらも、下値を切らずに踏みとどまった以上、値幅の調整は概ね完了してきたと言えるかもしれません。

 あとは今晩の米FOMC後のパウエル発言が注目されますが、市場が警戒しているインフレ抑制策として利上げ時期やQT(金融引き締め)の具体的な段取りについて、あちらこちらでの議論をふまえながら最悪のケースを織り込んでいるのが株式市場の現状です。よって、市場が警戒している程はタカ派色が強まらないとすれば、過度な警戒感は和らいで反転のきっかけをつかむことになるものと思われます。

 米国株は足元で主要銘柄の決算発表が相次ぐスケジュールに突入してまいりましたので、引き続き要警戒ではありますが、今晩の米テスラを無事乗り切れれば目先の持ち直し期待も高まるでしょう。

【日本株投資戦略】
防衛関連株の長い上ヒゲは地政学リスクに起因した物色に一巡感も、悪材料織り込みからの反転時期は近い

 今週に入り一段と下げ足を速めた日本株は、米国の金利上昇警戒から地政学リスクの台頭といった複合的なショック安に見舞われました。

 米国では金利動向に波乱を呼び込んだ米金融当局の政策見通しに神経質な状況が続いていますが、1月の米FOMCを通過することで一旦は落ち着きを取り戻してくるものと思われます。あとは露-ウクライナ情勢をめぐる地政学リスクですが、こちらも日本のマスコミ報道を見ていると予断を許さない状況に感じられるものの、直ちに緊迫化するといった状況ではなさそうです。

 米国の対ロシア圧力やNATO軍の増派兵とともにウクライナ駐在員の国外退避が伝えられる一方、EU職員は退避の必要なしと米欧で異なる見解を示しています。株式市場内でも前週末からの物色で賑わいをみせた防衛関連株も24日の大商いで長い上ヒゲが示現した形となっており、昨晩の欧州株が一段安とはならなかったところを見るに、地政学リスクもある程度は現状を織り込んだものとみてよいかと思います。

 今年に入って売り方が手を緩めたのは15営業日のうち12日のわずか1日だけで、それ以外は東証の空売り比率40%超えが連日のように続いています。そろそろ売りも枯れてくる頃合いと思われますが、未だ明確な底入れには至っていません。

 しいて言えば24日の米国市場でNYダウ1,000ドル下げから切り返した際に、チャート上でトリプルボトム(逆三尊)を形成したことで、これを否定せずに下値を固める動きが進んでいけば米国市場も一旦持ち直しへと向かう可能性があります。翌25日の米国株もハイテク中心に激しい乱高下を見せてくれましたが、NYダウもナスダックも安値を切ることはありませんでした。

 日本株はあいにく25日に年初来安値を更新したばかりですから、これをもって底入れとするには判断できません。よって、本日分と今晩の米国市場で米FOMC材料を確認した後の明日分を見て、直近安値を割ることなく出直り態勢に入れれば底打ち反転となるでしょう。

 足元での投資戦略はひとまず米FOMC通過するまでは様子見姿勢堅持でしたから、週後半は値ごろ感のある半導体関連株や海運株など直近の下げが大きかったところは短期リバウンド狙いの買い出動が期待できるかもしれません。また、地合いに引っ張られたバリュー系の鉄鋼株や素材株なども押し目買い妙味があると言えるでしょう。

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