【12/28日本市場の確認ポイント】
日経平均 29069.16(+1.37%)[28,879~29,121]
TOPIX 2005.02(+1.37%)[1,991~2,005]
東証2部 7508.07(+0.39%)[7,486~7,510]
JASDAQ 3845.09(+0.37%)[3,836~3,846]
マザーズ 989.99(+0.47%)[980~994]
値上がりセクターTOP5
1.精密機器(+2.25%)
2.紙・パルプ(+2.10%)
3.農林・水産(+1.91%)
4.金属製品(+1.84%)
5.機械(+1.80%)
値下がりセクターTOP5
1.海運(▲0.34%)
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし
クリスマス休場明けの米国株が堅調な地合いをうけて日本株も海運を除く32業種が値上がりする全面高商状。日経平均は29,000円を回復して上値を試す動きながらも取引中盤では利益確定売りに押し戻される場面もみられました。しかし、前日に続いて半導体株が上昇をけん引したほかダイキン(6367)やファナック(6954)などがしっかりで、オリンパス(7733)やニコン(7731)がレンジ上抜けの強さを見せた精密機器が値上がりセクタートップでした。
一方で先物主導での上昇で意外な逆行安となったのがファーストリテイリング(9983)で、続落から直近の安値を割ってきたほか、先週の地合い難で強さが目立っていた任天堂(7974)が利益確定売りに押されました。唯一の値下がりセクターとなった海運株は朝方の下げこそ▲2%超でしたが売り物をこなした後は下げ幅を縮める動きを見せています。
新興市場ではマザーズが再び1,000ポイントを割り込む苦しい展開ながらも直近IPO株の物色意欲は旺盛な模様で、材料のあったサスメド(4263)をはじめ昨日の初値をつけた後に大陰線を引いたエフ・コード(9211)が切り返してストップ高、同じく初値が2倍超となったセキュア(4264)もさらに上値を伸ばしたほか、アジアクエスト(4261)も陰線形成ながら売買代金でマザーズ市場2位に食い込むなど商いが膨らみました。
【米国株概況】
NYダウは6日続伸で11月高値に接近、S&P500は史上最高値更新後に小幅反落
NYダウ 35950.56(+0.55%)[35,855~36,059]
S&P500 4725.79(+0.62%)[4,707~4,740]
NASDAQ 15653.37(+0.85%)[15,534~15,697]
ダウ輸送株 16187.0(+1.41%)[16,005~16,238]
半導体SOX 3932.4(+1.04%)[3,906~3,955]
日経平均先物(CME) 28,815(+0.37%)[28,575~28,880]
ドル/円 114.11~114.46
米10年債利回り 1.496%
WTI原油 73.75
金先物 1808.75
銅先物 4.4050
恐怖指数(VIX)17.96
Fear&Greed指数 40
High Yield Bond 87.16
米国市場は新型コロナ変異型オミクロン株の感染拡大影響を注視しつつ、NYダウは6日続伸で最高値に接近、S&P500は史上最高値を更新した後に終盤にかけては上値が重くなり5営業日ぶりの小幅反落となりました。
新型コロナウイルスを巡っては航空便の欠航や店舗休業などの混乱が生じる中、バイデン政権はワクチン追加接種、経口薬を勧奨して対策にあたり、その一方で南アフリカからの渡航制限解除や隔離期間の短縮など規制を緩和する措置を取って経済活動の維持も図るとしています。
新規の手がかり材料に乏しく薄商いとなる中で、オミクロン株懸念で売られた空運・レジャー株などが上昇した一方、短期間で大きく買われた半導体株などは利益確定売りが強まり、ナスダックは5営業日ぶりの反落となりました。前日までのサンタクロースラリーも小休止といった様相で、S&P500の11セクターは公益、生活必需品、素材など7セクターが上昇し、IT、コミュニケーション、ヘルスケアなど4セクターが下落とまちまちの動きになったと言えます。
【日本株投資戦略】
今日から実質1月相場入り、コロナマネーが最後の大暴れで新年のご祝儀相場は株高・商品高に
12月の権利付き最終売買日となった日本市場は東証1部の騰落銘柄数は値上がり1871/値下がり252で、日経平均は29,000円台を回復、TOPIXも2,000ポイント台を回復してともに終値は節目を上回って引けました。ブルームバーグでは米国市場のサンタクロース・ラリーに期待する見方が伝えられる中、日本株も年末の節税売りを消化して本日からは実質1月相場に入ってきます。
昨日の引け味も悪くなかったことから新年のご祝儀相場に向けた期待買いも呼び込みやすく、上値を試す展開が期待されます。今回は年末年始の休暇が比較的短く、波乱を避けやすいといった日柄をみても売り方は積極的に売り込みづらいでしょう。米国株はサンタクロース・ラリーというより実際は明らかにショートスクイーズ(売り方の損切り)を誘発するための吊り上げ相場が仕掛けられているように見えます。
少し気が早いかもしれませんが予め年明けの相場を展望しておきますと、最も重要になってくるのが1/5のFOMC議事録の公表で、ここまでは売り方も仕掛けづらいはずです。ここで米国長期金利や為替がどう反応してくるかが焦点になるかと思いますが、大きな動きが生じなければ米国企業の決算シーズン入りで堅調な展開が続くと予想されます。
さらに、日本企業も10-12月の決算に関して言えば、直近の鉱工業生産で懸念されていた供給制約に緩和がみられ、自動車業界が急回復したことが確認できたことから、製造業は概ね好決算の発表が相次ぐものと思われます。足元で商品市況が再び上昇傾向にあることから、インフレ懸念がコスト高要因となり利益を圧迫するとの見方も再燃してくる可能性はあるものの、おそらくは1-3月以降の先行きへの懸念として好決算の材料を織り込んだ後の調整局面で意識される話でしょう。よって、1月初週のFOMC議事録で出鼻をくじかれることがなければ、新年1月の相場はコロナショック後の過剰流動性相場が継続し、このジャブジャブのコロナマネーが最後の花火として株高・商品高の見せ場を演出するでしょう。
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