【12/23日本市場の確認ポイント】
日経平均 28798.37(+0.83%)[28,640~28,798]
TOPIX   1989.43(+0.91%)[1,978~1,989]
東証2部  7486.26(+0.50%)[7,453~7,492]
JASDAQ   3839.37(+0.68%)[3,822~3,839]
マザーズ  995.10(▲0.35%)[991~1,006]

値上がりセクターTOP5
1.鉱業(+2.28%)
2.空運(+2.24%)
3.海運(+2.01%)
4.輸送用機器(+1.82%)
5.サービス(+1.62%)

値下がりセクターTOP5
1.医薬品(▲0.48%)
2.紙・パルプ(▲0.12%)
3.小売(▲0.11%)
4.なし
5.なし

 オミクロン株懸念で売られていた原油市場の持ち直しを好感した鉱業、空運、海運が+2%超の上昇で上位に並びました。直近で戻りの鈍さを指摘していた自動車関連や機械(12/22号参照)も上位に食い込んできて、やはり景気敏感株が戻り始めてきています。

 反対に値下がりしたのはアルツハイマー薬の卸売価格が半額に引き下げられたり候補薬の承認見送りが嫌気されたエーザイ(4523)が▲9.06%と大幅安した医薬品、あとは紙・パルプと小売の3業種のみでした。

 前日に大きな自律反発を見せたマザーズ指数は朝方に節目の1,000ポイントを回復しましたが、徐々に戻り売りに押されてマイナス転換して引けました。ただし、需給悪化の要因を作ったIPOラッシュも終盤に差し掛かっており、本日も5社が新規上場を予定しています。ここで一旦アク抜けとなる可能性もあり、来週の権利付き最終で節税売りをこなせば出尽くしで新年相場では反発スタートも期待できるようになってきたと言えます。

【米国株概況】
クリスマス休暇前の米国市場は3日続伸で急落前の水準を回復、過度なリスク警戒感は後退し一部ではリスク選好ムードも

NYダウ 35950.56(+0.55%)[35,855~36,059]
S&P500  4725.79(+0.62%)[4,707~4,740]
NASDAQ 15653.37(+0.85%)[15,534~15,697]
ダウ輸送株 16187.0(+1.41%)[16,005~16,238]
半導体SOX 3932.4(+1.04%)[3,906~3,955]
日経平均先物(CME) 28,815(+0.37%)[28,575~28,880]
ドル/円 114.07~114.46
米10年債利回り 1.496%
WTI原油 73.80
金先物 1808.40
銅先物 4.4025
恐怖指数(VIX)17.96
Fear&Greed指数 42
High Yield Bond  87.16

 23日の米国市場ではやはりオミクロン株への過度な懸念後退から反発し、主要3指数はそろって3日続伸となりました。英米のコロナワクチンのオミクロン株への有効性や経口薬の承認を伝えるニュースのほか、厳しいコロナ規制は必要でないとの見方も米経済に対する悲観論を一掃させるのに一役買っています。

 個別ではイーロン・マスク氏の持ち株売り完了が伝えられた米テスラが前日の大幅高に続いて+5.76%とリバウンドが際立っており、この2日間で13%超の上昇を見せたことから時価総額1兆ドルを回復しました。
 想像してみてください、日本のトップ企業トヨタですら時価総額30兆円で、その3~4倍の米テスラが2ケタ上昇する時に動くマネーの大きさは仮に13兆円としても日本企業のトップ3社を除いてはどの企業でも100%買収できてしまう金額となります。それがCEOの保有株売却を完了したと伝えられただけで急騰してしまっているのが現状で、マネーゲーム化している今の市場をよく表しています。

 他に注目すべきは米キャタピラーが+2%超の上昇となったことでNYダウ構成銘柄の中では値上がりトップになりました。オールドエコノミーの製造業で景気敏感株といえばキャタピラーが代表ですから、調整を脱する動きになってくるのか景気先行きを探る上でも注目しておきたいところです。
 景気という観点では原油が上昇してWTIは73ドル台を回復、銅先物も続伸しています。最後に米長期金利は10年債利回りが1.5%近くまで上昇してきていますので、米国株がここから一段高する上で金利水準とどうバランスを取りながら進んでいくのかが要注目です。

【日本株投資戦略】
25日移動平均線を突破し弾みがつく戻り相場、年末に向けて日経29,000円、TOPIX2,000ポイント回復の期待高まる

 昨日の日本市場は東証1部の騰落銘柄数が値上がり1421/値下がり646で騰落レシオ(25日)は80ポイント台を4営業日ぶりに回復、本日続伸すれば先週後半からの急落した分を取り戻せる水準にあります。今晩は米国市場がクリスマス休暇で休場ですから外部環境頼みの色彩が強い日本株にとって独自にリバウンドを強めていけるのかが焦点となります。

 前回12/20号でも解説したとおり、オミクロン株や中国懸念などのリスク回避要因は織り込みが進んでいるとともに金融政策変更に伴うリバランスも完了して底入れしたことをふまえますと、一過性のリスク回避売りやヘッジ売りは巻き戻されているといえ、急落した分の値戻しは簡単に達成してしまうでしょう。
 昨日は25日移動平均線を突破してリバウンド相場に弾みがつく展開となりましたから、次は再び日経29,000円、TOPIX2,000ポイントの節目回復が視野に入ります。

 そうなりますと、むしろ大きな節目を回復した後の相場が気になるところで、達成感で足踏みしてしまう相場だとここから投資する妙味は感じられなくなってしまいます。注目するポイントは企業業績のミクロの部分になってきます。
 米国は企業決算の発表スケジュールが日本よりも先行して行われるのですが、直近で決算発表した米国株の市場反応はとても良さそうです。とくにバリュエーションが高いハイテクの製造業でも買われているところを見ますと米国株は来年の1月中は企業業績で買われる期待がありますので、日本株も来年2月まで決算期待と発表後のガイダンス好感で強含んでいくことが見込めるでしょう。

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