【12/21日本市場の確認ポイント】
日経平均 28517.59(+2.08%)[28,226~28,533]
TOPIX   1969.79(+1.47%)[1,956~1,976]
東証2部  7398.09(+0.49%)[7,349~7,403]
JASDAQ   3792.69(+0.01%)[3,775~3,800]
マザーズ  965.08(+1.77%)[942~969]

値上がりセクターTOP5
1.海運(+2.98%)
2.その他製品(+2.96%)
3.証券・商品先物(+2.59%)
4.ゴム(+2.25%)
5.電気機器(+2.02%)

値下がりセクターTOP5
1.なし
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし

 全体相場の先導役を担うグロース代表の半導体株、バリュー代表の海運株が大きく買われる全面高商状。東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)が+4%超の大幅高、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)は+3%超で、その他に任天堂(7974)が+3.72%高や住友化学(4005)が+4.26%と上昇が目立ちました。

 セクター別には海運、その他製品が+3%近く上昇、上位5セクターはいずれも+2%超の上昇を見せました。少し前の相場から変化したことと言えば、強かった自動車関連の戻りが鈍いことですが、重たい鉄鋼や機械などの景気敏感セクターの代表が本日以降で強含んでくるようであれば全体的な底上げムードが強まってくるはずです。

 投資家心理としてはマザーズ市場がIPOラッシュのスケジュールを迎え、直近IPO株の激しい値動きに翻弄される個人投資家は悪化傾向が続く一方、主力株の大型値がさ株などは出来高を伴った上昇を見せるなど、売り方の買戻しプラスアルファでリバウンド狙いの押し目買いも流入しているとみられ、底入れ感が強まったと言えます。

【米国株概況】
底入れ感強まり大幅反発、好決算企業への好反応から来年1月に向けて業績相場が始動か

NYダウ 35492.70(+1.60%)[35,163~35,506]
S&P500  4649.23(+1.78%)[4,583~4,650]
NASDAQ 15341.09(+2.40%)[15,015~15,345]
ダウ輸送株 15963.2(+2.42%)[15,672~15,977]
半導体SOX 3857.3(+3.35%)[3,760~3,861]
日経平均先物(CME) 28,635(+0.47%)[28,165~28,660]
ドル/円 113.55~114.22
米10年債利回り 1.467%
WTI原油 71.28
金先物 1789.30
銅先物 4.3500
恐怖指数(VIX)21.01
Fear&Greed指数 32
High Yield Bond  86.68

 21日の米国市場ではオミクロン型コロナ変異株への対応に関し、ロックダウン措置はとらないとのバイデン米政権の意向をうけて急速に押し目買いの勢いが強まりました。欧州では次々に強硬的なロックダウン導入の流れが広がっており、経済への打撃を懸念する見方が強まっていましたが、これでコロナ変異株に対する過度な警戒感は和らいだとみられます。

 前週末から3日続落で高安では約1,500ドル幅での急落となったNYダウは+560ドル高で直近安値からは900ドル近く戻しました。ナスダック、半導体SOXもそれぞれ+2.40%、+3.35%と大幅反発を見せており、ハイテクグロース株も買戻しの動きが強まったことからも投資家心理は急改善しています。

 また、株式市場以外の資本市場では原油や銅先物なども反発を強めており、投資家の恐怖感も和らいでVIX指数は21.01ポイントまで低下しています。今週末は24日がクリスマス休暇で短距離走になりますので売り方が買戻しを急ぐだけでなく、決算発表した銘柄が大幅高する事例も目立っていますので、底入れが確認できたとなれば来年1月の企業決算シーズンに向けた期待買いが継続する可能性も高まったと言えます。

【日本株投資戦略】
日米ともに底入れ感強まり大幅反発、日経平均は25日移動平均線回復へトライ

 米国市場における値幅調整に連れ安していた日経先物は27,780円付近まで売り込まれましたが、11月末の安値を切ることはなく、米国株の底値から切り返す動きをうけて朝方から大幅反発でスタートすると終始強含みで推移しました。17日、20日でおよそ1,300円安と下に値幅が出た分の半値戻しを達成し、本日は28,700円付近に控える25日移動平均線をすんなり回復してくるかが焦点になります。

 20日号の投資戦略では前場様子見から後場の押し目買い妙味について書きましたが、足元の相場はオミクロン型コロナ変異株に既存のコロナワクチンや経口薬の有効性が伝えられたり、バイデン政権の大型歳出法案の成立に不透明感が漂ったり、中国が景気停滞への備えとして利下げに転じるなどのヘッドラインに投資家心理が振り回されているにすぎないものです。ではこの度の急落の本質はというと、直近で欧米の金融政策が変更されたことに伴い、ポジション調整およびリバランス影響が大きいと言えます。

 本日は大幅反発後ですが、日経先物は昨晩の米国時間で上記の25日移動平均線付近まで回復してきており、この水準を維持できるか、あるいは勢いがついて一気に急落前の29,000円台まで戻してしまうのかが注目されます。とくに米国の利上げ観測や中国の利下げ転換など景気の先行きに関して強弱感が対立しやすい相場環境と言えますので油断は禁物ですが、急落の本質がグローバルポジションのリバランスにあるのであれば、29,000円台回復はさほど難しいハードルではないでしょう。前回は定着に失敗して売り方につけ込む隙を与えましたが、先導役の半導体株、海運株が全体を引っ張り上げて底上げムードを強めれば、年末高、年始のご祝儀相場が期待できるでしょう。

スタンダード会員へご登録いただくと、1.今後のマーケットについても展望する【先読みの近未来】、2.日々の≪重要ニューストピック≫を厳選して深堀りする【揺れ動く世界情勢の解説】などを加えた内容充実のメールマガジンをお届けします。