【12/10日本市場の確認ポイント】
日経平均 28437.77(▲1.00%)[28,392~28,699]
TOPIX 1975.48(▲0.77%)[1,973~1,993]
東証2部 7486.31(▲0.59%)[7,482~7,527]
JASDAQ 3906.88(▲0.70%)[3,903~3,928]
マザーズ 1030.54(▲2.27%)[1,027~1,049]
値上がりセクターTOP5
1.金属製品(+0.12%)
2.なし
3.なし
4.なし
5.なし
値下がりセクターTOP5
1.情報・通信(▲1.33%)
2.空運(▲1.41%)
3.ゴム(▲1.69%)
4.精密機器(▲2.03%)
5.サービス(▲2.64%)
朝方に算出された12月メジャーSQ清算値は28523.30円、序盤こそTOPIXが前日比プラス圏に浮上するなど上値を試す場面がありましたが、日経平均は早々に失速してSQ値近辺でもみ合いました。後場は週末の上値の重さが意識され、14時過ぎから引けにかけては一段安で前場の安値を割り込みました。終わってみればほぼ全面安商状で28,400円付近まで売られ、ほぼ安値引けでした。
前日に続いて自動車株が軟調、半導体関連株もそろって下げに転じ指数の上値を抑えました。特に下落が目立ったのはリクルートHD(6098)▲5.45%、エムスリー(2413)▲3.18%などサービス業。また、コナミ(9766)やバンダイナムコ(7832)なども▲3%近い下げとなり、ゲーム・メタバース関連で直近賑わっていたテーマ系も厳しい売り圧力にさらされました。
日経平均、TOPIXが下げ渋っている間にも新興のマザーズは断続的な売りに押され、再び1000ポイントの節目ギリギリまで接近中。一方で、大和主幹事で上場初日となったフレクト(4414)は公募価格2,550円から2倍超の5,810円で初値が付いた後も買いを集めて人気が集中。新興市場は新旧で需給の明暗がくっきり分かれています。マザーズは先物の限月が変わって配当落ち分を加味した安値では1003ポイントをつけており、節目をあっさりと割ってくるようだと一気に値崩れする懸念があります。松井証券が独自に集計しているマザーズの12/10信用評価損益率は▲27.79%ですでに追証発生レベルに達しています。
【米国株概況】
米CPIが39年ぶり高い伸びでFRB緩和縮小を後押し、市場は予想内としてS&P500が史上最高値を再び更新
10日の米国市場はアップルやマイクロソフトなど主要銘柄を中心に反発し、S&P500は今年67回目となる最高値を更新。アップルは分割後の上場来高値を力強く更新し指数を押し上げました。米国株は11月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回り、前年比では+6.2%から+6.8%へと伸びが加速し、1982年以来の高い伸びとなったことをうけて、一見すると米国経済への自信を取り戻したように見えるかもしれません。また、コアCPIは市場予想と一致し、インフレ加速を示すものではないこともFOMCでの波乱要因を作りにくいものとして良いとこ取りの解釈をしたということでしょう。
米国では個別株オプション取引が膨らんでおり、アップルやテスラの高値を演出するとともに投機的な取引の横行で急落リスクも高まっていると話題になっていたばかりです。今週末は米国のクアドルプル・ウィッチング(4人の魔女)で株価指数だけでなく個別株オプションの清算も控えていますので、再び市場の乱高下が激しくなることも想定しておく必要があるでしょう。
◆米株、オプション取引が最高 Apple・テスラの高値演出
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24E5X0U1A121C2000000/
他方で、米国市場は今週14-15日のFOMC、SQ清算を通過すると一気に年末モードに入り、取引も閑散となりやすくなっていきます。S&P500が高値圏にあると言っても、ナスダック構成銘柄のパフォーマンスが示す通り、GAFAM中心の上位陣のみが200日移動平均線の上を維持しているだけで、上昇トレンドはすでに崩れて脱落しているものが多くなってきています。
【日本株投資戦略】
米国のCPI材料を消化した上昇を好感、ひとまず先週末の値崩れ分を取り戻す日
10日の日本株は14時以降の値崩れにより東証1部の騰落銘柄数は値上がり481/値下がり1607で、騰落レシオ(25日)は前日よりも低下して再び70ポイント前半をつけています。時間外の米国市場が強含みで推移したため、日経先物は12月配当落ち分の考慮前水準は28,600円台を回復しています。
しかし、短期的な売買戦略は前回12/10号と同様です。日本株の9月天井以前から保有株は戻り売り、直近の急落で仕込んだ株は利益確定を行うタイミングです。ある程度買いのポジションを整理したら今度は年末安に備えた売りのポジションを持って現物株のヘッジあるいは相場下落を利用して利益を狙っていくことも選択肢に入れておくのがよいかと思います。
足元ではオミクロン型コロナ変異株のウイルス毒性は重症化しにくいため、感染が拡大しても大丈夫との認識が広められつつあります。それにもかかわらず、各国のコロナ対応は以前よりも厳格化させるなど矛盾がより強まる形になっています。市場はいつも後付けで理由を探しますので、おそらく何らかの売り材料が放り込まれることになるかもしれません。今回も少し先出ししておくとFOMC通過後が最も警戒しておくべきスケジュールになってきます。
ここからFOMC(14-15日)、ECB理事会(16日)、日銀金融政策決定会合(16-17日)と中央銀行イベントが続きますので、日本株の上値追いは限定的とならざるを得ないでしょう。よって、本日も目先の上昇に釣られて無理についていく必要はありません。11月末の急落で仕込んだ買いポジションを淡々と整理しながら、年末への備えを進めていくのがよいでしょう。
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