【11/30日本市場の確認ポイント】
日経平均 27821.76(▲1.63%)[27,819~28,718]
TOPIX   1928.35(▲1.03%)[1,928~1,978]
東証2部  7357.12(▲0.13%)[7,355~7,463]
JASDAQ  3885.76(▲0.20%)[3,883~3,935]
マザーズ  1070.99(▲2.26%)[1,070~1,115]

値上がりセクターTOP5
1.陸運(+0.47%)
2.鉱業(+0.20%)
3.石油・石炭(+0.08%)
4.なし
5.なし

値下がりセクターTOP5
1.鉄鋼(▲2.43%)
2.海運(▲1.93%)
3.非鉄金属(▲1.91%)
4.その他製品(▲1.86%)
5.医薬品(▲1.86%)

 日経平均はファーストリテイリング<9983>が年初来安値を更新しながら▲4.40%と下げをけん引、ソフトバンクG<9984>は▲2.87%、東京エレクトロン<8035>は▲1.25%とこれに続きました。新型コロナ変異のオミクロン株をめぐり、前日の米国市場では感染時の症状が比較的軽いことやこれに対応するワクチン開発が早急に着手されていることなどを手がかりに、警戒感が和らいで急速に切り返す動きを見せていました。日本市場も前場は堅調な動きでしたが、後場に入り米モデルナのコロナワクチンが変異株に有効性が薄いことが伝わると急速に売りが広がり、日本国内にもオミクロン株感染の渡航者がいたことが明らかになるなど、変異株がすでに上陸していたことを材料に引けにかけては真っ逆さまの棒下げにつながりました。

 元より月末のMSCIリバランスに伴う2000億円規模での売り圧力に警戒感があり、買い手が手控えやすい状況であったわけですが、ここになぜか午後2時過ぎの機関投資家がまとまった注文を出すタイミングで新型コロナ変異株の状況変化を伝えるヘッドラインが出てきました。これに勢いづいた売り手が先物主導で一気に仕掛けてきた構図です。先週末の急落からは3日目で日経平均28,000円割れまでたたみかけるように売り崩してきた格好ですが、新安値銘柄数はこの3日間で337-542-485と連日で高い水準を記録しており、本日においてはひとまず投げ売りが一巡してくる頃合いとみてよいでしょう。

【米国株概況】
新型コロナ変異株への警戒感再燃から大幅安、議会でのパウエルFRB議長発言も重し

NYダウ 34483.72(▲1.85%)[34,424~35,056]
S&P500  4567.00(▲1.89%)[4,560~4,646]
NASDAQ 15537.69(▲1.55%)[15,451~15,828]
ダウ輸送株 15843.2(▲3.17%)[15,822~16,250]
半導体SOX 3833.2(▲1.98%)[3,804~3,924]
日経平均先物(CME) 27,675(+0.75%)[27,375~28,710]
ドル/円 112.54~113.89
米10年債利回り 1.453%
WTI原油 66.95
金先物 1782.05
銅先物 4.3085
恐怖指数(VIX)27.19
Fear&Greed指数 27
High Yield Bond  85.64

 30日の米国市場は日本-欧州時間での新型コロナ変異株への警戒感を引き継いで大幅安、米モデルナCEOが「既存のコロナウイルスワクチンは南アフリカで新たに発見された変異株(オミクロン株)に対する有効性が低い可能性がある」と発言したことなどで、新型コロナ変異株への警戒感が再燃しました。とくにダウ輸送株が▲3%超の急落で約1か月ぶりに16000ポイント割れで市場先行きへの懸念が深まったと言えます。

 また、上院ではパウエルFRB議長が議会証言し、インフレへの対応をにじませつつ12月のFOMCでテーパリングを加速させることを議論するとしたほか、テーパリング終了が数カ月早まるかもしれないとしました。これも欧州のECBと同じく金融緩和政策の変更を示唆するもので投資家のリスク回避姿勢を強める方向に作用します。したがって、米国株については次回FOMC(12/14~12/15)と前後して年末にかけては再び軟化していく可能性が高まると言えるでしょう。

【日本株投資戦略】
連日で後場からの値崩れに投資家心理はボロボロに、底入れ感には乏しいが売り一巡で日経平均は28,000円台回復をうかがう

 日経平均は前場に前日比400円超上昇したところから突如、午後2時過ぎからの相場急変で引けにかけては400円超の下落となりました。1日における高安値幅は900円を超えて東証1部の騰落銘柄数は値上がり572/値下がり1533でした。大幅反落のトリガーを引いたのはモデルナCEO発言が嫌気されたことですが、元々、日柄的にみても需給面からみても売り気の強いマーケットでしたから、昨日の相場はやはり必要以上に下げ過ぎたという側面が否めません。

 昨晩の米国市場においても新型コロナ変異株への警戒が下押し材料となったほか、パウエルFRB議長の議会証言が一段安を誘いました。パウエルFRB議長の発言内容はテーパリング(量的金融緩和の縮小)の加速を検討すべきと言及しながら、インフレに関してもこれまでの「一時的」という文言の使用の撤回を示唆したことで、金融緩和政策の出口戦略を匂わせるものになりました。これに反応したのが債券・為替市場で、米10年債利回りは1.41%台まで低下、為替ドル円は一時112円台半ばまで突っ込み、その後は113円近辺で推移しています。日本株においても足元の為替相場は年末のレパトリ慣行による円高警戒と並行して、積み上がった円ショートの需給的な巻き戻しが発生する可能性があるため要注意と言えるでしょう。

 よって、まず本日のところでは昨日の急落相場からの反動高というのも目先は期待できるかと思います。しかし、中間反騰の域を出ないものになるとみられるため来週のメジャーSQまでが一つの区切りになるでしょう。また、それまでの過程では今週末の米雇用統計における為替・債券市場の動向が焦点となり、そこから12月半ばのFOMC前後で相場が再び急変する可能性も想定しておく必要があるでしょう。ちょうどその頃に米ファイザー/独ビオンテックのコロナワクチンが変異オミクロン株にも有効かどうかの検証結果が出てくる頃となります。
 したがって、目先はあくまでも短期的なリバウンド狙いに徹して深追いはしないこと、12月後半に向けては再びポジションの整理が必要になるでしょうからマーケットとは程よい距離感を保つようにしましょう。具体的な対応策としては日経平均が28,000円付近を固めて29,000円台半ば近くまで達してきたら戻り売りで現金比率を高めていくようにしましょう。投資家によってはそこから空売りを活用してヘッジするなど次の暴落局面への備えも同時に考えておくのがよいでしょう。

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≪重要ニューストピック≫

【マーケット総合・金融政策・財政政策】
オミクロン出現後、初のパウエル氏発言 利上げ観測後退に一石(2021/11/30)
FRB議長「量的緩和終了、前倒しを議論」 12月FOMCで(2021/12/1)
インフレ抑制へ FRB議長「タカ派」傾斜-NY特急便-(2021/12/1)
オミクロン型、インフレ促進か抑制か 市場で割れる見方(2021/11/30)

【国内政治】
愛子さま20歳に 「全ての経験、私の財産」感想つづる(2021/12/1)
皇位継承策、年内にも最終報告 政府の有識者会議(2021/11/30)
入国停止、空港再び閑散 オミクロン型で対策強化(2021/11/30)
外国人「例外入国」厳格に 興行目的など縮小、政府調整(2021/12/1)
子ども庁創設「23年度早期」 基本方針案、省庁へ勧告権-野田少子化相「時間をかける」-(2021/11/30)

【コロナパンデミック】
オミクロン株のワクチン効果、低下の恐れ─モデルナCEO=FT(2021/11/30)
ビオンテックのワクチン、「オミクロン型も重症化防ぐ」(2021/12/1)
オミクロン型の感染者、日本で初確認 ナミビア滞在男性(2021/11/30)
オミクロン株、航空業界の回復に打撃 1年ずれ込むとの見方も(2021/11/30)
米欧、早期のワクチン追加接種訴え オミクロン対策(2021/11/30)
オミクロン型、欧州で市中感染懸念 南ア以前に確認も(2021/12/1)
ワクチン3回接種の医師、オミクロン型感染 イスラエル(2021/12/1)
ワクチン3回目の追加接種、国内で開始 医療従事者から(2021/12/1)

【海外・外交・安全保障】
米中間選挙、インフレ・雇用が左右(2021/11/30)
米中覇権争い、技術からマネーへ 米議会向け報告が波紋(2021/11/30)
米イランの溝深く 核合意再建協議、5カ月ぶり開催(2021/11/30)
AWS、米証券取引所ナスダックのクラウド全面移行支援(2021/12/1)
TwitterCEO退任 ドーシー氏、SNSからビットコインへ(2021/11/30)
英競争当局、旧Facebookに売却命令 画像共有Giphy(2021/11/30)
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【その他】
原発安全「合理性」焦点、東電株主訴訟結審 22兆円請求(2021/11/30)
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